ひどい真実と、愛。

知人です。

「すごい会議」という会社があります。
その名の通り、コーチがやってきて「会議」のファシリテーターをしてくれます。

それだけ?と思うかもしれませんが、それだけです笑
(厳密に言うと他にもありますが、メインは会議です)

戦略的フォーカス、つまりセンターピンがどこなのかをあぶり出して、それを全員の意識下に浸透させるためのファシリテーターであり、コーチ。


これは私の勝手なイメージだけれど、個人事業主とかではなく10名以上の「組織」の方が効果を発揮できると思っています。


すごい会議にはいくつかのルールがあるのですが、その中で私が一番好きなのが「ひどい真実」をテーブルについた全員が言うところ。

「ひどい真実」とは
言ってはいけない問題、表立っては言えない問題のこと。

例)女性部長が、事業部長と「不倫」をしていて、意思決定が歪む
例)料理店のオーナーが「味音痴」でメニュー決めのセンスが悪い

例であげたように、普段の場でこれを言ったら険悪になるような、でも全員がどことなく感じていて、目標達成の足かせになっているようなこと。

(※ちなみに、もともと雰囲気が悪い職場で行われると、ただの悪口の言い合いになります笑)


なぜ、この「ひどい真実」が重要なのか。

あくまで私の想像ですが、これは

問題の本質を探るため

だと思っています。

触れてはいけない話題を上手に避けながら「それっぽい」ことを課題にあげて、事なかれ主義で終わる会議は、なんの課題も解決してくれません。

(いわゆる政治とか忖度はまさにそれ)


そして、この「ひどい真実」を語り合うときに【とても重要なこと】があります。それは、

ひどい真実は、その人の「人格」と切り離し、ただの「事実」として考えること

です。

「人格」「事実」を切り離して考える。

これは、教育や育児もそうですし、人生のあらゆる場面で大切な考え方だと私は考えます。

・話し手、聞き手。
・コーチ、教え子。
・親、子ども。

よく、叱るときに「どうしてお前はいつも●●●なんだ」なんて言葉を耳にしますが、これは「事実」と「人格」が頭の中で一緒になってしまっています。

「アイツはダメだ」なんていうのも同じです。

(アイツが特級呪物でないのなら笑)


そして。

いまから教育や人付き合いで私が「最も大切」だと考えていることを書きます。それは、


根底に「愛情」があるかどうか

これに尽きると思います。

別に知人さんは聖人君子でも聖母マリアでもないので、万人に愛情を捧げているわけではありませんが、自分の人生に関わってくれる人は老若男女を問わず、このことを心がけています。

根底に「愛情」があり「人」として受け入れている。

だからこそ「ひどい真実」はただの「事実」として言う(もちろん言い方は選ぶし、もっとも響くであろう言葉を全力で考える)

これは、良い上司、コーチ、監督、リーダーの共通点でもあると思います。

時には怒ることも必要ですし、時には決断も迫られます。

よく「情に流される」という言葉が使われますが、これは自分の「感情」だったり「同情」なんだと思います。

勝負の世界では「勝つ」ために「ひどい真実」にきちんと向き合って、感情に流されず、もっとも勝率の高い選択肢を選ぶ必要があります。

でも、それは「愛情」とは別の話です。
勝負は勝負。愛情は愛情。


そして「根底にある無条件の愛情」は相手にも伝わります。
普段、どんなに厳しい人でも。


たとえば、シンクロの井村雅代コーチは、練習の映像とかを見ると鬼コーチのように映ります笑

関西弁で言葉もキツイし、表情もいつも厳しい。選手はいつも練習で泣いています。

でも。

やっぱり根底に「愛情」があるからこそ、練習で叱られまくった選手たちも、最後に涙を流しながら寄ってくるんだと思っています。
私が尊敬している指導者の一人です。

“大切なのは心の教育”「シンクロの母」井村雅代コーチ スペシャルインタビュー


自分の感情を抑えられず、ただただ厳しいだけ。
こういうコーチや上司もいますが、個人的な考えを言うと、器じゃないのでやめた方がいいと思います。まずは人にどうこう言う前に、自分の感情をコントロールする努力をしてほしいです。

また、ただ優しいだけ。
これも「嫌われたくない」というエゴがあるのかもしれません。時には、嫌われてもいいというくらいの覚悟で、叱ることも愛情だと思います。


育児でも、教育でも、チームでも。

根底に「愛情」があるのなら「ひどい真実」は(タイミング、伝え方はありますが)話をしてもいいのではないでしょうか?

(※何を言ってもいいというわけではありません、念のため)


ちなみに。ここまで書いたようなことをGoogleさんは「心理的安全性」と言っていますが・・・

あくまでそれは結果の話であって、もっともっとシンプルに考えると、こういうことなんじゃないかと思います。



おしまい。


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