「モ」チモチの木 Part II
霜月二十日、祖父を助けるべく、「ヘッドフォンアクター」にて丘の上へと走る榎本貴音宜しく、モチモチの木を横切り、医者のところへ向かった豆太の話から早五年。モチモチの木は再開発で伐採され、ひもじく暮らしていた二人は山の権利関係で大金を獲得し、田舎なんて暮らしても仕方ねえと、東京都港区白金に一軒家を構え、ドンペリを飲んでいた。
五年経てど、豆太は高校生であるため、ドンペリは本来飲んではいけない。しかし矍鑠とした祖父が盃を豆太に向かわせ、
「なあに、儂は豆太の歳には、これを毎朝飲