シノビガミ知見・妖魔忍法⑥

便利屋オペライベとか石貯蓄を殺す気ですか??

どうも、便利屋68に狂ってるタイプの先生です。便利屋の中だとアル社長とカヨコが好きですがムツキもハルカも大好きです。いいよねあの全員が全員のこと大好きな空間。

先生といえば、これまでの妖魔忍法知見の序盤で、紹介する妖魔忍法のフレーバー的性質を紹介していた文。読み返してみると、少し某魔法薬学教授っぽさがあるなと思う。流石にあそこまで遠回しや皮肉めいてはいないのだが。
そんなこんなで、今回は神化態の【鵺】【野衾】【震々】【見越】【夜雀】【猟犬】を見ていこう。


神化態①

神と化す、などという仰々しい名前がついているが、①で説明した通りに「妖魔としての特殊能力」を得る分類だ。そして、その特殊能力とは基本的に「その妖魔の逸話」を元にしていることが多い。
正体不明の獣、人の正気を失わせるという概念、見越すことができない存在、時空間の狭間を翔ける異形。
そんな逸話を人の肉体で再現する。ある意味では、『惟神』にも近しいのが神化態なのだろう。

・【鵺】

名前的にはとてもメジャーな妖怪。効果は少し弱め。
手番を消費して、奥義のエフェクトを【範囲攻撃】へと変化させる。劣化版惟神改造『祟り』では??
自由なタイミングで自由に奥義エフェクトを変更できてしまうと強すぎる、というのは理解できる。少なくとも「好きなタイミングで使用できる」ではなく「自分の手番に使用できる」系の記述にしなければならない。どのタイミングでどの奥義が飛んでくるかわからないのはとてもストレスになる。さらに発展して「攻撃する代わりに」という記述なのもまあいいだろう。こんなの持つのは暴威を使うタイプの妖魔だ、攻撃タイミングは複数回ある。
この忍法の最大の弱みは、『変更先が範囲攻撃のみで、奥義情報は同じものとして扱う』こと。絶対防御や判定妨害にも変更できるなら強かった。
さて、そんな【鵺】だが、一応は使い道が存在する。『回数制限』をつけた奥義に対して使用することで、それを踏み倒すことができるのだ。かつての改訂により、「以前の奥義に施された仕掛けは無効化される」という一文が追加された。そう、たとえそれが範囲攻撃にも追加できる仕掛けだったとしても、悉く無効化される。どんな奥義でも、無改造の範囲攻撃に早変わりするのだ。
それでも指矩班【流転】の方が強い気がするのは気のせいだろうか。もしくは、【流転】対策として使えるかもしれない。仕掛け付きの完全成功や絶対防御を使われないために、【鵺】で範囲攻撃に変更しておくことができなくはない。メリットがあるかと言われると、微妙な気もするが。
名前の元ネタは言わずと知れた妖怪『鵺』。詳細不明、正体不明の獣として扱われることが多い。それが、「肉体を変化させて多種多様な獣を生み出す」というフレーバーに繋がっているのだろう。

・【野衾】

遠距離無効化。
迫ってくる弾丸を切り落とすアクションがある。あれみたいなものだ。至近距離から撃たれた物以外を完全に無効化する。完全に、は言いすぎた。サポート忍法だから1ラウンドに一度のみだ。
射撃戦を中心に組み立てているキャラクターにとっては天敵となる忍法であり、正直突破法も多い忍法だ。バヨネット【魔弾】や【断打弾】を利用してダメージの種類を変更することもできるし、汎用【雷電】による「マヒ」の追加効果などはちゃんと起動する。ただし、斜歯秘伝【怒具螺】による攻撃以外では、ダメージを与えたことで起動する追加効果は発生しない。
この忍法の強化版が、妖魔幽々専用忍法【無形】だ。こちらは装備忍法であり、射撃戦ダメージへの完全耐性となる。
名前の元ネタは妖怪『野衾』。ムササビのような妖怪らしいが、遠距離攻撃が効かないという伝承は存在しない。調べてみると、同じく「のぶすま」読みで混同されやすい妖怪『野襖』が存在していた。こちらは塗り壁のように人の行く手を阻む妖怪であり、こちらが効果の元になったのだろう。

・【震々】

忍者の皆さんは妖魔の冒涜的な行いを視認してしまい正気度チェック0/1d3です。
一時的な恐慌状態を引き起こすことで逆凪させる忍法。自分の手番なら制限なく使用することが可能で、かつ対象を選択できる。判定を強要させるという部分でも強い忍法だ。
ただし、「使用者の【秘密】を知っている場合は判定にプラスの修正」がつき、「一度のセッションに三度まで」という制限が存在する。前者は『幽霊の正体見たり枯れ尾花』とばかりに、「正体を知っているから怖くないぞ」ということだろう。後者は、回数を重ねすぎて冒涜的な恐怖に慣れてしまったということだろうか。
なお、この「セッション中三度まで」の制限は使用者に付随する物なので、甲賀者【空衣】で増やした従者に縁魔筋【約定】で特例修得させた場合、使用回数の制限がほとんど消失する。攻撃は味方に任せておこう。
名前の元ネタは妖怪『震々』。恐怖を感じた時に首筋をゾッとさせる妖怪らしい。効果やフレーバー的には、最初に書いた通りSAN値チェックが近い気がするのだが。

・【見越】

強いボス妖魔にしたいなら積んでおいて損がない忍法。
手番消費で自分の攻撃忍法の間合とダメージを伸ばすことができる。
間合が1増えるだけでも、シノビガミ的にはとても強い忍法だ。忍法の間合問題は、大半の忍者が直面する永遠の課題であるが故に。
加えて、打点追加の効果もある。無事に起動してしまえば、見越せぬ巨体でひたすら大暴れするはずだ。
なお、一緒に修得するには異霊態【狂骨】との相性はすこぶる悪い。どちらか片方だけで間合問題が解決してしまうので、どちらかの……大体は【狂骨】の出番がなくなるためだ。逆に、土蜘蛛【八束脛】との相性はいい。【長肢】と組み合わせれば、回避しにくい攻撃が長射程で振り回されることになる。
名前の元ネタは妖怪『見越し入道』。見越すことができない巨体を持つ妖怪であり、正体は変化能力を持つ動物とも言われる。変化したのか素の肉体なのかが【大太郎】との違いなのだろう。

・【夜雀】

指定特技のあるサポート忍法を使用する時に自動成功する。みんなのおもちゃ。
大半のサポート忍法には指定特技が存在し、その判定に成功するかどうかが勝敗を分けることが多々ある。そんな時に【夜雀】は、ラウンド一回限り確実に成功してくれる。しかも自動成功のため、判定妨害や遁甲符すらも貫通する。
この忍法自体には、セッション中、戦闘中の使用回数制限は存在しない。そのため、戦闘中一回しか使用しない忍法のためだけに採用するよりも、ほぼ毎ラウンド継続して使用するタイプの忍法のために採用するべきである。【艶花】【開眼】【微睡】と組み合わせると地獄のような戦場になる。
名前の元ネタは妖怪『夜雀』。不吉である、夜盲症を患う、騒々しいなどの逸話がある。「言葉によって不吉をもたらす」ということか。

・【猟犬】

高級な【土竜吼】。
自由にプロットを移動し、移動先を起点として攻撃を仕掛ける忍法であり、悪用しようと思えばいくらでも手段が思い浮かぶ忍法。
プロットを移動することにより間合を変化させ翻弄することが本質の忍法であり、基本的には一気に間合を詰めて攻撃する目的で使われやすい。
しかし、この忍法は相手から逃げることにも使用できる。うっかりクリティカルヒットや高打点忍法の範囲内に入ってしまった時に、その範囲外のプロット目掛け【猟犬】を使用、相手に攻撃が届かないのであれば【接近戦攻撃】を自分に向けて使うことで、比較的安全に逃れることができる。
それ以外であれば、廻鴉【華裂】と組み合わせることもできるだろう。自由にプロット値を変更できる強みは、様々なことに活かしやすい。
名前の元ネタは、神話生物『ティンダロスの猟犬』。厳密には犬ではないが、執念深く、時空間すら自由自在に行き来して獲物を追い詰める姿が猟犬に似ている。フレーバーテキストも、その様子を表しているようだ。

あとがき 

今回は明確にモチーフとなる妖怪や怪物が存在する忍法ばかりだったように感じる。これまでもそうだったのだが。
私はよくわからない忍法をよくわからない使い方で悪用するのが好きなため、【鵺】や【野衾】も何かしらの形で有効活用してみたい。思いつかないので誰かアイデアください。

次回は神化態流派ブック編、【朱盤】【長壁】【物気】【紙舞】【目競】【置行】の紹介となる。
妖魔忍法編も終わりが近づいてきた、終わったら何を書くことに……外道流派だろうなぁ。

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