シノビガミ知見・妖魔忍法⑦

え、もう一週間?早くない?
流石に七回目ともなると前書きのネタが尽きてくる。このままネタ不足のせいでシリーズを終えてしまうのは勿体無い。何か捻り出すとしよう。

最近、朝が少しずつ暖かくなってきた。そのせいなのか布団の温もりが持続し、起きる時間が遅くなっていく。春眠暁を覚えずを体現してしまっている。思えば、夏も秋も冬も休みの日は寝過ごすことが多い。春眠関係なく暁を覚えていないらしい。

そんな話は置いておき、今回は神化態【朱盤】【長壁】【物気】【紙舞】【目競】【置行】の六忍法を紹介していく。


神化態②

前回と変わらず、「妖魔としての特殊能力」という側面が強い。
速度を入れ替え、壁を生み出し、災厄を操り、物を置いて行かせる。ここだけ書くと前回よりスケールダウンしているように感じてしまうな。
ともかく、見ていくとしよう。

・【朱盤】

判定を強要し、プロット値を入れ替える忍法。
一見何が強いのかと思うが、まず高プロットで攻撃するタイプのキャラクター……廻鴉【天狗】や鍔鑿組【暗密】などを所持しているキャラクターには刺さりやすい。低プロット値に移動させられると、思うように動けなくなるためだ。
また、味方に対して使用し、敵に奇襲を仕掛けるという手段もある。どちらにせよ、敵や味方の位置が次々入れ替わるのは戦況に大きな変化をもたらす。
と、ここまでメリット寄りのことを語ったがデメリットももちろん存在する。この忍法は「プロット前に使用する」忍法なのだ。つまり、位置交換を仕掛ける相手がわかっている状態で、全員のプロット値が決定される。
そして、目標が判定に失敗した、判定を放棄した場合、プロット値の入れ替えは使用者が拒もうと強制的に発生する。これを逆手に取られる場合もあるだろう。
ただ、「この忍法を使用された」時点でそれに応じたプロット値を考える必要があり、それだけでやりたいことができなくなる場合もある。メリットとデメリット、両方を兼ね備えた忍法だ。
名前の元ネタは妖怪『朱の盆/朱の盤』。のっぺらぼうなどのように、同じ相手を二度驚かす逸話がある。また、別の妖怪と協力し人を襲う逸話も存在するため、協力にも妨害にも使える忍法となったのだろうか。

・【長壁】

【野衾】の相互互換。と、言い切るには少し性能差があるかもしれない。
あちらが「同プロット値以外からの射撃戦ダメージに対する完全耐性」であるなら、こちらは「同プロット値からのあらゆるダメージに対するダメージ軽減」。両方を手にすれば、遠距離と近距離、両方を一度防ぎ切ることができるだろう。
なお、遠距離からの接近戦、集団戦、妖術戦の攻撃には非常に弱い。狙撃に対しては強いが、純粋な力や数の暴力、オカルトパワーにはなす術がないらしい。
名前の元ネタは『長壁姫』。刑部姫とも書く。防御寄りの能力なのは、引きこもりがちな逸話からだろうか?

・【物気】

自身の奥義使用時に判定を強要し、失敗すれば奥義破りに生命力消費を強いる。『忌み』と合わせれば面白そうな忍法。
この忍法の強さは、【物気】が起動した奥義の奥義破りを行うキャラクター全員が対象になること。また、判定に失敗したとしても「生命力を1点消費すれば奥義破りに挑戦できる」というのもなかなかにいい塩梅だと思う。奥義破りを見送ることも、生命力を支払って破ることも、どちらも選択肢として選べてしまう。
修得しておけばほぼ必ず役に立つ。そんな忍法だろう。
名前の元ネタは『もののけ』。人に取り憑き殺してしまう幽霊、死霊の総称であり、妖怪変化を表すこともある。

・【紙舞】

プロット二箇所に対し、判定マイナス1を付与する忍法。効果が累積しないため、必ず二箇所に置かれることになる。
狙って当てるのは難しいが、その分気軽に撒くことができるだろう。場所が増えた代わりに効果が弱めになった斜歯【奈落】みたいなものだ。
斜歯秘伝【糸界】と組み合わせるた場合、とても暴れることになる。何せ半分のプロットで判定にマイナス1が付くのだから。うまく【紙舞】を当てること、もしくは【紙舞】から外れることを祈ろう。
名前の元ネタは妖怪『紙舞』。紙がひとりでに舞い飛ぶ怪奇現象。紙が舞っているところに突っ込んだら、確かに動きは鈍る。

・【目競】

奥義破りに関係する忍法二つ目。
奥義改造『忌み』の単体妖術戦バージョン。一番相性がいい仕掛けは『くらまし』だろう。その他の奥義破りを咎める忍法や仕掛けと組み合わせても面白いかもしれない。
安定した強さを持つため、語ることが少ない忍法だ。強いていうなら、忍法一枠で奥義改造一つを担えるのは特筆すべき強みになるか。
名前の元ネタは妖怪『目競』。平清盛の前に現れ、巨大な髑髏となって睨みつけたところ、平清盛に睨み返され、その眼力に恐れをなして溶けて消えたらしい。負けてんじゃねえか。

・【置行】

使い得な忍法。
遠隔で「忍具を置いてけ」と判定を迫り、失敗したり放棄したりした場合、忍具を奪っていく。しかも使用回数に制限がない。運が悪ければ2サイクルで忍具が全てなくなることもあり得る。
判定に使うのが忍術分野のため無効化されることも多いが、それを差し引いても強い忍法だ。
忍具消費系の忍法を持っていき目の前で消費してやるのもよし、ちゃんと有効活用してやるのもよし、持ちきれないからとポイ捨てするのもよし。性格を悪くしていこう。個人的に見たいのは大槌群【魔薬】、もしくは【百芸】コストとしての使用。あなたが置いていった忍具が牙を剥きに来ましたよ。
名前の元ネタは怪談『置行堀』。「釣った魚を置いてけ」と脅し、逃げなければ金縛り、置いて逃げればのっぺらぼうとタチが悪い。釣った分しか置いてかせない分元ネタの方がマシかと思ったが、元ネタもちゃんとそこ以外で仕入れた魚を置いて行かせている。

あとがき

だいぶ話す内容も少なくなってきてしまった。文章力が欲しい。描写力も欲しい。シナリオ構成力はもっと欲しい。

次回は妖魔忍法編のおそらくラスト、攻激態【強威】【黒手】【業弓】【怪病】【鏖殺】【精霊風】【雷獣】の七個の忍法。ここで七つ全部を紹介しないと、次々回が【強威】のみの寂しい紹介となってしまう。それは避けなければならない。
それではまた次回。終わったら外道流派だ。


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