シノビガミ知見・妖魔忍法⑤

シナリオファイル揃いました。

最初に鞍馬ファイルだけ買ってたんですけど御斎ファイルの裏面が国外流派の一覧と知ってどうしても欲しくなってしまい気がついたら揃えてました。シナリオファイルの裏面、比良坂がプレイサマリー、鞍馬がヴェロシティシステムと全部違うんですね。ハグレ隠忍斜歯は一体何をネタにしてくるのか。
あと御斎ファイルを買ったことで「桑港」で「サンフランシスコ」と読むことを知りました。知見。

追記:なんか「ヴェロシティシステム」を「ヴァロシティシステム」と誤字してました。予測変換くん許せねぇよ。

というわけで今回は凶身態のうち【赤舌】【大太郎】【白面】【邪魅】【鬼胎】【岩肌】を見ていこう。さっきまでの丁寧語はかなぐり捨てておく。


凶身態②

今回も今回とて装備忍法。周囲に災いをもたらす呪言、超硬質の肌、体の奥底に飼われる鬼……そんな、肉体を変質させる異形の類。
あまりここに書くネタがないので悩んでいるが、それはともかく。見ていこうと思う。

・【赤舌】

いわゆる呪言。それも無差別なタイプ。
自分以外の全員が、スペシャル値とファンブル値を1上昇させる。
単体が多数を相手にする場合にはとても有効な忍法だろう。しかし、多数で一体を囲んでいる場合には、逆に自分たちを不利にすることもある。
正直に言おう、めっちゃ使いにくい。無差別なのが強みだが、同時に弱みになる。強大な単独エネミーに持たせるなら得になるだろう。
名前の元ネタは妖怪『赤舌』、もしくは陰陽道の『赤舌神』だろうか。赤舌神は六曜の『赤口』にも関わりがあり、結構凶事側の存在らしい。

・【大太郎】

間合追加能力付きの【頑健】。前はこの忍法を使えるようにしたり消したりを繰り返してひたすら生命力を獲得する構築が存在していた。
純粋な『でかさはパワー』を体現する忍法。体が大きくなれば体力も増えるし間合いも伸びる。ただし、削られればその分間合いは減る。利点は「体が大きくなっても的は大きくならない」ところ。根来衆【移動大伽藍「涅槃」】のように、確実に射程に入るということがない。

実のところ、「肉体を巨大化する」妖魔忍法はもう一つ存在する。次回紹介する予定の【見越】だ。なぜ似たようなフレーバーの妖魔忍法が二つあるのか。なぜそれぞれ装備忍法とサポート忍法で分かれているのか。おそらくは原理が違うからなのだろう。
【大太郎】が単純な「巨大化という特性」であるのに対し、【見越】は「見越し入道という伝承」なのだ。
もう少し細かく説明するなら、【大太郎】は「自分の肉体は巨大である」という現実が初めに存在している。故に体質であり、装備忍法であり、常に発動している。一方の【見越】は、「相手が見上げるほどの大きさになる」という伝承を肉体に反映させる能力だ。それ故に、発動させる意思がなければ身体はそのままとなる。

名前の元ネタは『大太郎』『ダイダラボッチ』。日本ではとても有名な巨人だろう。

・【白面】

残り生命力をトリガーとする忍法。
マイナス修正に限界を設ける効果は、一見すると扱いにくい。が、特定の状況下……汎用【憑影】などを持っていた場合には少し役に立つだろう。いくらマイナス修正をかけても最大でマイナス2までしか届かないのだから。
この辺りはGMの裁定次第になるのだが、【白面】を持った状態で、自分の意思でマイナス修正をつけることができる忍法を使ってマイナス3以上の修正をつけた場合、「効果としてついている修正はマイナス3以上だが、実際に判定する場合はマイナス2修正になる」という面倒な挙動になると思う。コスト踏み倒しみたいな。
しかしまあ、そうでもしなければ使いにくいというのは否定できない。持っておけば得にはなるのだろうけれど。
名前の元ネタは、【金毛】でも紹介した通り『白面金毛九尾の狐』だと思われる。思われるのだが、それはそれとして『白面』には「素顔」という意味もある。他者との因果を切り離す仮面が『素顔』の意味を持つとは皮肉だろうか。

・【邪魅】

周囲のファンブルしたキャラクターに集団戦ダメージを与え、【鬼力】を得る。泣きっ面に蜂を見て笑うための忍法。
【赤舌】と同じく周囲に災いをもたらす妖魔忍法だが、「他人の不幸で飯が美味い」みたいな効果をしている分こちらの方が悪意があるだろう。『雑踏・甲』などのファンブル値を上昇させる戦場、『高所・甲』『極地・乙』などのファンブル時にデメリットを受ける戦場、指矩班【問答】なども合わせればより悲惨なことになる。とてもやってみたい。
名前の元ネタは妖怪『邪魅』だろう。他者に害を付与する妖怪らしい。

・【鬼胎】

代用判定にボーナスを得る忍法。
縦方向の移動にしかボーナスがかからないため、計算がちょっと面倒になる。
この忍法にて特筆するべきことは少ない。忍者が代用判定を行うなら、それは回避や奥義破りの時ぐらいだからだ。もし必要に駆られて攻撃で代用判定を行うにしろ、生命力が削れてるでもない限りは1マス離れているぐらいのはずだ。
相性のいい忍法は汎用【木蓮】だろうか。互いに、代用判定時の縦移動にボーナスを与える忍法のため、少しは役に立つだろう。
名前の元ネタは「恐れを抱く」という意味の『鬼胎』、もしくは妊娠異常の一種『胞状奇胎』だろう。身体や心の中に鬼を飼うのはどちらも変わらない。

・【岩肌】

岩を殴って自分が怪我をするような忍法。なんならマイナス修正付くから腕が折れてるまである。
今回一番悪用できる忍法であり、修得が得になる忍法の一つ。隠忍【鬼影】での命中デバフ、鞍馬秘伝【磐】やハグレ【刃隠】、平安【影衛士】などの命中失敗/ファンブル時ダメージ効果と組み合わせると、一回命中に失敗するたびに面白いことになる。
しかし、【刃隠】【磐】【影衛士】と違い、【岩肌】が起動するのは「接近戦の攻撃忍法」に対してのみ。その代わりに、ダメージと共に命中判定へのデバフを与えることができる。遠くから射撃戦のみで削られるのにはとても弱いわけだ。さめはだゴツメみたいな。
名前の元ネタはおそらく存在しない。岩そのものの妖怪とかは探せばあるのだろうが、直接『岩肌』を想起させる妖怪はいないと思われる。

あとがき 

とうとう名前元ネタが存在しない妖魔忍法が来てしまった。できれば検索不足なだけと信じたいのだが。

次回はいよいよ神化態。神と化すですってよ。紹介するのは基本ルールブックの【鵺】【野衾】【震々】【見越】【夜雀】【猟犬】。後半三つは特にみんなのおもちゃにされやすい印象を受けるため、気合を入れて書かねばなるまい。
それではまた次回、あでゅー。

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