シノビガミ知見・妖魔忍法④

四回目ですってよもう。早いものだ。

なんかこういう続き物って毎日投稿したくなる。というよりも、毎日投稿して義務化、習慣化しなければ私は一瞬でモチベーションを失う自信がある。日記のように徒然なるままに書こうとしても「ネタがない……」と放り出すだろうし、投稿を一日分忘れでもしたらしばらくは「今日はいいや」となるだろう。一つのことに打ち込みやすく、同時に飽き性なのだ。

さて、それでは本題に入ろう。
今回紹介するのは新異形表の凶身態、そのうち基本ルルブに記載されている【荒吐】【鬼火】【怨霊】【呑口】【百眼】【蛭子】の六忍法である。


凶身態①

自分の肉体を凶器とする分類。まさにその通りだろう。凶身態に分類される妖魔忍法は全て装備忍法であり、「妖魔としての技術や体質」なのだ。
向けられた敵意を反射し、敵の技を喰らって回復し、炎を鎧のように纏って、自身の肉体を好きなように変化させる。まさしく怪異、異形の存在たる技だ。

・【荒吐】

害意を持つ奥義を破った際に、その害意を蛇へ変えて反射する忍法。
ここで語るにはネタが少なすぎる忍法だろう。後に出す【呑口】と合わせ、相手依存の奥義になる。むしろ【呑口】は悪用手段がある分、よりこちらの悲惨さが際立つ。
効果がシンプルすぎて悪用が思い浮かばない。うまく利用する方法があったら教えてください。
構築に組み込む場合、「発動したら嬉しいな」程度のお守り枠だろう。隠忍秘伝【鬼人】などで狙って取るにはいささか力不足だ。しかし、相手の奥義がクリヒ、範囲攻撃、判定妨害のいずれかであるなら、奥義の使用を少し躊躇わせる要素にはなるかもしれない。
名前の元ネタは客人神『アラハバキ』。詳細不明の神であり、アイヌから伝わったという説、塞の神であるという説など多々あるが、蛇神であるという説も存在し、シノビガミではこれが採用されたのだろう。
余談だが私の地元近くの神社に客人神として祀られているらしい。近くまで行ったらお参りしておこう。

・【鬼火】

攻撃を受けるたびに《火術》判定を要求し、失敗するとダメージを受ける。単純な効果だが強い忍法だ。
この忍法の特筆すべき点は、『攻撃忍法ならどの種類でも起動する』ことだろう。似たような忍法にありがちな「接近戦の攻撃忍法を……」などの記述が存在しない。たとえそれが1プロから6プロへの【火縄式他力本銃】だとしても、鬼火は敵対者を焼き尽くそうとするわけだ。
なお、この妖魔忍法には、一種類だけ相互互換となる忍法が存在する。忍獣『大絡繰』が修得している専用忍法【自動反撃】だ。【鬼火】のと違いはただ一点……判定を強要する特技が《火術》から《絡繰術》になっていることだけ。一つ上のマスに上がっただけでほぼ同じだなぁ。
名前の元ネタは怪談『鬼火』。怪火などと呼ばれたり、ウィル・オー・ウィスプも含まれたりする。また、不知火【陰火】や凶尾【獣火】(特に狐火)も、鬼火の一種らしい。

・【怨霊】

【音量】じゃないからな。
「秘密」や復讐したい相手が判明していない場合、攻撃や奥義で生命力が減少しても端数切り上げで半分回復する忍法。端数切り上げ、つまりは一度の攻撃で2点以上のダメージを与えなければ削り切ることができない。
その性質上、どうしても「秘密」を持つキャラクターやシナリオ的な背景を持つキャラクターが所持していなければいけない忍法であり……何らかの忍法で出現させた「配下」が獲得してしまった場合、恐るべき力を発揮する忍法。今回紹介する忍法の中で、最も悪用される可能性の高い忍法だ。きっと配下型の紹介をしてる人がそのことを書いてくれるはず。
なお、突破方法として『生命力が0点になった場合はそちらを優先し回復が発生しない』という裁定が存在するらしい。そうしなければサポート忍法を使ったり「重傷」を与えたりしなければ削りきれないためだろう。シノビガミでは生命力はマイナスにならないのだ。
名前の元ネタはそのまま『怨霊』。有名どころでは『日本三大怨霊』という存在が浮かぶが……そのうちの一柱は『大魔縁』という呼び方もされているらしい。ルルブの英語表記が「Onryo Enperor」な理由だろう。ちゃんと【怨霊】も修得している……というか三大怨霊全部盛りみたいな忍法構成なのでは?

・【呑口】

不死身、絶対防御、完全成功を破った際に、その力を喰らい回復する忍法。
【荒吐】と同じく相手の奥義依存な忍法なのだが、【呑口】の強みは「自分に向けられた奥義」以外にも使用できること。相手の奥義はもちろん、味方の奥義にも奥義破り宣言だけしておくメリットが発生する。敵が味方の奥義を破れなかったなら判定を放棄し、破りに成功されたなら自分でも破って回復する。敵味方問わず、害のない奥義を全て自分の体力にしてしまう、思ったより力の強い忍法だ。
名前の元ネタはお猪口の口を開ける部分の名前である『呑口』……と見せかけて、おそらくは中国の妖怪『呑口』だろう。一本足に一つ目、大きな口を持つ妖怪らしい。

・【百眼】

見切り判定の自動成功と、奥義破り判定のプラス修正。
【荒吐】【呑口】のサポートに使えと言わんばかりの効果だが、もちろんこれ単体でも非常に強い。汎用【揺音】は汎用【頑健】と同じく「忍法枠余ったらとりあえず積んでおけ」枠であり、夜顔【秘中の秘】も合わされば奥義破り判定にすら辿り着けない可能性もある。【覆滅】を修得した廻鴉であれば喉から手が出るほど欲しい忍法かもしれない。
ただし、「奥義など一度しか使わん!」というストロングスタイルが相手だった場合には悲しいほどに無力。その奥義に『術式開示』が付与されていることを祈ろう。
名前の元ネタは妖怪『百目鬼』。その名の通り百の目を持つ鬼であり、藤原秀郷……俵藤太に退治された伝説を持つ。また、ギリシャには同じく百の目を持つ巨人『アルゴス』の伝説が存在する。

・【蛭子】

クリティカルヒットや範囲攻撃を受けた時の生命力減少が1点減少する忍法。体を柔らかく変形させ、ダメージを抑えているということだろうか。《詐術》や《腹話術》など、心にダメージを与えるタイプのクリティカルヒットに対しては無力な気がするが、その辺りは気にしてはいけない。
【荒吐】と同じく、お守り枠の忍法になるだろうか。追加の効果も存在しないため、能動的に【蛭子】を活かす手段は存在しない。むしろ存在したら驚く。
名前の元ネタは漂流神『ヒルコ』。かの神については流派ブック比良坂機関にて少し触れられている。比良坂流古神道の巫女たちは、【蛭子】のことをどう思うのだろうか。

あとがき

一番悪用できそうなのは【怨霊】【呑口】あたり、積んでおいて損がないのは【鬼火】【百眼】あたりだろうか。どちらにせよ、何も考えずに修得しても活躍の機会がありそうなぐらいには力がある。

次回は凶身態の残りの六忍法、【赤舌】【大太郎】【白面】【邪魅】【鬼胎】【岩肌】を紹介することになる。悪用できるといいのだが。

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