シノビガミ知見・妖魔忍法②

異霊態・基本ルルブ編!

今回は新異形表『異霊態』のうち、基本ルルブに記載されている【逢魔時】【神隠】【狂骨】【木魂】【付喪神】【生剥】の六忍法について考えたい。主に使い道とかについて。


異霊態①

異霊態は「精神や魂に作用する特殊能力」と前回書いたと思う。基本ルルブ側の六つは、特にその傾向が強い。
闇夜に隠れ、疑心暗鬼を増幅させ、魂を魅了し、霊魂を支配する。それが、基本ルルブにおける異霊態の真価だろう。
ということで、一つ一つ見ていこう。

・【逢魔時】

これメインフェイズ中コンスタントに使える手段があるなら雑に強い忍法です。最近、友人がこの忍法をとても有用に使っているのを見てとても驚いた。きっとその時のこともちゃんと書いてくれるに違いない。そう信じて具体的な使い方は彼に任せようと思う。
少なくとも、この忍法は一度使うだけでもある程度のアドバンテージが発生する。【逢魔時】は『忍法の使用者以外は判定を行える』『判定に失敗すると接近戦1点』『判定の成功者がいなければ追加の生命力とスロットを得る』という効果を持っているが、少し言い換えると『判定できるデータを持つキャラが最低何人いるかがわかる』『メイン中、敵対者へのダメージ源となる』『外付け頑健がもらえるかもしれない』となる。うむ、使い得。味方なら判定を放棄して「成功も失敗もしていない」状態になればいい。敵対者は振るしかないだろう、何故なら生命力が増えれば増えるほど倒しにくくなるのだから。
名前の元ネタは『逢魔時』そのまま。読んで字の如く「魔に逢いやすい時」であり、黄昏時、「誰彼時」のこと。

・【神隠】

ぱっと見では使い所がない。妖魔にしか使い道がなさそうに見える忍法。PCが使ったとして、妖魔に「行方不明」付与してどうするんだって話だ。
しかし、二つほど使い方を思いつきはした。一発芸程度にしかならないかもしれないが、なんの使い道も浮かばないよりかはマシだろう。
御斎学園秘伝【武曲】、マクファーデン【掌握】、もしくは甲賀者【朽気】と組み合わせる手段がある。初動から自分や味方の打点を上昇させ、相手を不利にすることができる……1点分だけ。もっといい利用手段もあるのだろうが、自分だと思い浮かばない。情報求む。
名前の元ネタは『神隠し』。そこにいたはずの人が忽然と消え去る現象。もしくは、神棚を白い紙や布で隠す慣わしのことらしい。「行方不明」の付与のため、おそらくは前者だろう。

・【狂骨】

雑に強い忍法その2。
「間合が少なく」「コストが低い」攻撃忍法を使うのに適している。私は【嶽割】と組み合わせたことがある。
組み合わせて強いのは汎用【交叉】【毒手】などの間合0の忍法や、八房【烈牙】などの間合が解決すれば当たる忍法、ハグレモノ【螺旋陣】など間合が短いが複数人巻き込める忍法だろうか?なんにせよ、夢いっぱいの忍法である。
さて、これは挙動バグなのだが、もしこの忍法を土蜘蛛【八束脛】と組み合わせたらどうなるのか。本命は「元々の間合を参照して処理」、対抗は「間合6として処理」、大穴として「間合無限で処理」と予想しておこう。
名前の元ネタは妖怪『狂骨』。井戸から現れる、凄まじい怨みを持った白骨の妖怪らしい。

・【木魂】

基本ルルブ環境では見向きもされなかったであろう忍法であり、流派ブック環境にて使いやすくなった気がする忍法である。
「自分がシーンプレイヤーのドラマシーンに」「自分に【感情】を持っている相手一人を目標に選び」使用する忍法であるが故に、少々使いにくい。シノビガミにおいて感情を獲得させる手段はそう多くない、ましてや【木魂】を持っている相手が感情判定を求めてきたら恐怖を覚えるはずだ。
現実的な使用手段としては、居所獲得→メイン戦闘→戦果で感情を持たせる→【木魂】となるだろうか。そこまで手間をかけるなら別の戦法を使う方が楽だろう。
そんな中、流派ブック比良坂機関にて『惟神・契約神』が出現した。これでダメージを与えたい相手を指定し、自身に感情を取らせ、毎サイクル【木魂】でダメージを与えるという構築が行えるようになったわけだ。戦闘に入ったら多羅尾【黒百合】や旧校舎【花子】などの餌にしてしまえばいい。
問題点として、『契約神』で感情を取る相手は、『契約神』の目標になったキャラが選択するのではないかという説がある。この辺りはGMの裁定に委ねるしかない。
名前の元ネタは木の精霊『木魂』。有名なキジムナーとかもこの木魂である。また、山彦という現象の原因も木魂が声を返すためとされていたらしい。

・【付喪神】

戦闘中に使って損のない忍法。
攻撃手番を消費して発動する忍法だが、好きなキャラクター複数人を相手に判定を強要させ、失敗時に「マヒ」を与えることができる。協力型であったり、配下が存在している、または配下が持っているなら強い忍法だ。相手が【毒飼】や【霞身(マヒ)】を持っていないことを前提とするが。
妖魔であろうと、マヒは結構きつい。例え暴威を持っていたとしても、回復に使う指定特技周辺がマヒしていたら、回復の難易度は格段に跳ね上がる。『不死身』は切らせてしまえ。切らせた分アドバンテージになるかもしれない。
ということで、少し害悪構築を考えてみた。使用功績点は気にしてはいけない。

【空衣】【約定:付喪神】【毒炉】【縁魔】【忍法回路】

【縁魔】は【約定】発動用、【忍法回路】はコスト削減用だ。この構築、コスト削減がないとプロット値6で4回判定することになる。
やり方は簡単。【空衣】で戦闘員を増やし、【約定】で【付喪神】を付与し、毎ラウンド【毒炉】と【付喪神】を使用する。攻撃は相手の特技が全てマヒしてから考える。いつかやってみたい。
名前の元ネタは妖怪『付喪神』。九十九神とも表記する、長い年月使われた器物に宿る魂。外道流派『百器夜行』に通ずるところがあるのだが……百器夜行の「推奨/制限」には【付喪神】は含まれていない。含まれているのは【機忍】だ。

・【生剥】

発動すれば強い忍法だが、あまり見たことがない。
効果は外付けの【大鋸】。装備忍法専用かつ、回復手段が存在しない「呪い」だ。自分のように、装備忍法も全て使ってコンボを組もうとするプレイヤーにはよく刺さる忍法なのだが、いかんせん「累積しない」ことがネック。累積してしまったらゲームが壊れすぎるので仕方がないのだが、そのために貴重な妖魔忍法特例修得枠を割くかと考えると悩みどころ。
なお、あくまでも累積しないのは「【生剥】による装備忍法の未修得化」であり、【大鋸】と組み合わせれば二つまで未修得の状態にできる。装備忍法を二つ以上修得しているキャラクターにしか通用しないロマン砲ではあるが、一考の余地はあるかもしれない。【大鋸】を当てるのが難しい、という最大の難点があるのだが。
名前の元ネタは来訪神『なまはげ』だろうか?身につけた装備を剥ぎ取る、という点で『カワハギ』もあるのかもしれないが……素直になまはげと思っておこう。なまはげに剥ぎ取る要素はないはずなのだが。

あとがき

さて、今回は基本ルルブに記載されている『異霊態』の忍法を確認してきた。正直、使いこなせさえすれば暴れ回る忍法ばかりだと思う。使うタイミングが限られてくる【神隠】【木魂】【生剥】も、メインとなる攻撃忍法以外は全て使い捨てと考えるなら採用圏内に入る可能性は十分にあるだろう。なんなら一部の利用方法は書いている間に考えついた。
いやぁ、やはり妖魔忍法は楽しいものだ。

次回を書いた場合は、流派ブック隠忍の血統記載の『異霊態』分類六忍法【虚舟】【夢喰】【金毛】【朽縄】【香魂】【三尸】について考えようと思う。
それではまた。

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