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東京大学 相関基礎科学 過去問 化学系の対策法


2025年度に外部の大学から東京大学院 総合文化研究科 広域科学専攻 相関基礎科学系D2グループに合格をいただきました。化学向けに対策法などを共有しておこうと思います。誰かの役に立てれば幸いです。
記事は書き途中なので、随時更新します。
試験に関する質問や解答について聞きたいことがあればXのDMにてお気軽にどうぞ。

試験の出題傾向

物理化学の概要


量子化学と分光学は毎年出ており、近年は速度論も頻出です。熱力学に関しては出題されていませんが、分子統計力学の内容が度々出題されています。

量子化学
まんべんなく出題されているので広く対策しておきましょう。
特にボーアの原子モデル、箱型ポテンシャル、イオン化エネルギーの計算、変分法はよくおさえておくといいです。

分光学
相関基礎では分光学の問題が毎年出題されています。割と応用まで出されているのでしっかり対策して行く必要があります。分子の運動の自由度、赤外分光法とラマン分光法の違い、回転スペクトル、ランベルトベールの法則をまずは理解しましょう。

反応速度論
特に風変わりな問題は出題されていないので、基本的な問題を中心に対策してきましょう。ただ、2025年度の入試にて今まで出題されなかった反応速度式の導出が出されたので、導出も必ず練習しておきましょう。
忘れがちなのは、光化学についても反応速度論の範囲内なので、しっかり確認しておくように。

有機化学の概要

基本的な問題が中心に出されています。スペクトルを読み取る問題は毎年出題されるので練習しましょう。
たまに高分子や生物に関連する内容が出ますが、高校化学の範囲で解ける問題なので、大学レベルまでやる必要はないです。

院試対策に使った参考書

東大相関基礎を受けるにあたって使用した参考書を紹介します。

物理化学

・量子化学
量子化学 基礎からのアプローチ 
物理化学演習
・熱力学
アトキンス物理化学
物理化学演習
・反応速度論
アトキンス物理化学
物理化学演習
・分光学
物理化学演習

1.量子化学
アトキンスにも量子化学が載っていますが、失礼ながらそこまでわかりやすくなかったので、活用していませんでした。代わりとしては量子化学 基礎からのアプローチがおすすめです。化学では珍しく数式がたくさんでてきて戸惑うかもしれませんが、井戸型ポテンシャルまではまずは解いてみて下さい。

2.熱力学
とらのらぼさんの熱力学の動画がかなりわかりやすく、熱力学が全く分からない人は、まずは動画の内容をノートに書きこんでいくと効果的です。
また、動画に対応する物理化学演習の例題を解いて、さらに理解を深めることを繰り返していました。


有機化学

・ジョーンズ有機化学+別冊の解答
・sin有機化学さんの動画
・わかりやすい有機化学さんの動画
全体として有機化学は教科書を読み込むことが大切です。自分はジョーンズ有機化学を使用しましたが、他の教科書(ボルハルトジョアー、ブルースなど)でも全然大丈夫です。ただし、ウォーレンに関しては少し内容が難しく、相関基礎にはオーバーだと思います。(東大工学部応用化学を受けるならやっといてもいい)

1.教科書の反応機構を全てノートに書き写していくべし!
有機化学は基本的にある化合物と化合物が反応し、電子の動きにより、化合物の構造が変化するという内容になります。この電子の動き(巻矢印)をノートに書きこんでいくことで「この反応のときはこうなるな」、という風にある程度予測でき、丸暗記する必要がなくなります。時間はかかりますが、この過程を経ることで確実に有機化学の理解は深まることを保証します。

2. YouTubeの動画を活用しまくれ!
ありがたいことに有機化学の反応機構について、わかりやすく解説してくれているユーザーがたくさんいます。その中でも自分がよく見ていたのはsin有機化学さんと見るだけで分かる有機化学さんです。これらは移動時間などの隙間時間によくみていました。一度学んだ内容でも復習としてみることで、知識の整理に役立つので是非活用してみて下さい。

3.問題集を解くときは丸暗記にならないように注意
有機化学には多くの問題集が存在し、これらは院試でとても役に立ちます。しかしながら、問題の内容を暗記するような使い方は絶対にしないようにしましょう。有機化学は反応機構をもとに反応が進むので、「この試薬のときはこの反応をもとに進行しているな。」ということを理解しながら解いていくようにしましょう。






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