【煎茶】製造について~蒸し(蒸熱)工程①~
煎茶は、加工品です。
お茶の木の葉っぱを蒸かし、熱風を与えながら揉み込み、乾燥させ、尚且つ、高温で香り付けを行うことで煎茶になります。
よく普通煎茶、深蒸し煎茶。もしくは浅蒸し煎茶ということがありますが、これは一番最初の蒸し工程(蒸熱工程)の蒸し時間によるものです。
一般に35秒近辺で普通煎茶もしくは浅蒸し煎茶。
それ以上、50秒、60秒…と増えていくと中蒸し、深蒸し、特蒸し煎茶となるのです。
煎茶って、そもそもは、浅蒸し・深蒸しという考え方ではなく、葉っぱ(原葉)に合った蒸し時間で蒸すというものでした。
それでも、太陽の光を沢山浴びて元気に育ったお茶は、葉肉が分厚く、蒸かしても上手く蒸けずに青臭くなってしまい、そういうところのお茶の人気がなく、生産者が困ったわけです。
そして、生産者の創意工夫により、蒸し時間を長くすることで欠点を解消し、特徴のある煎茶「深蒸し煎茶」が発明されたのです。
そして元々の「煎茶」は、「深蒸し煎茶」が発明されたことで深蒸しでない煎茶を「普通煎茶」とか「浅蒸し煎茶」と呼ぶようになったわけです。
普通煎茶(浅蒸し煎茶)は、山間の日照時間の少ない環境で育ち、葉肉が薄く、蒸かしが上手く通り、仕上がった時に、破砕が少なく綺麗な針のような形状になるお茶です。
そもそも、なぜ、原葉を蒸す工程が必要なのかというと、茶葉の中に含まれる酵素を蒸すことで失活させ、蒸すことで青臭みを取り除き、茶葉の柔軟性を高めることで、揉み込む作業をしやすくするのです。
茶葉を蒸さずに、そのままにしておくと、葉っぱはどんどん赤黒みを帯び、発酵、酸化していきます。そのうち、紅茶のような匂いに変わり、お湯に出すと紅茶っぽい水色になります。
煎茶が緑色なのは、この蒸し工程があるからなのです。
この茶葉に熱を加え、茶葉の中に含まれる酵素を失活させることを専門用語で、「殺青(さっせい)」といいます。
もっと詳しい説明は、下記の本がおすすめです。
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機械製茶の理論と実際 茶葉と環境にあわせた工程管理 [ 柴田雄七 ]
この本は、僕は煎茶の製造について学ぶ時に読んだ本ですが、既に2回購入しており、職場を異動するたびに後輩の為に置いていくため、今、手元にありません。これを機に、3冊目を購入することにします♪
届いたら、もっとプロ向けの蒸熱工程について書いていきたいと思います。
煎茶製造には、まだまだ粗揉、揉捻、中揉、精揉、乾燥と続きます。
全部、説明するだけでも、相当、時間がかかりそうですね。
今回はここまでです…
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