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財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準_Ⅰ.内部統制の基本的枠組み _2.内部統制の基本的要素 _(1)-(2)

【本日のインプット】


2.内部統制の基本的要素
 内部統制の基本的要素とは、内部統制の目的を達成するために必要とされる内部統制の構成部分をいい、内部統制の有効性の判断の規準となる。

(1) 統制環境
 統制環境とは、組織の気風を決定し、組織内の全ての者の統制に対する意識に影響を与えるとともに、他の基本的要素の基礎をなし、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達、モニタリング及びITへの対応に影響を及ぼす基盤をいう。 統制環境としては、例えば、次の事項が挙げられる。
① 誠実性及び倫理観
② 経営者の意向及び姿勢
③ 経営方針及び経営戦略
④ 取締役会及び監査役、監査役会、監査等委員会又は監査委員会(以下「監査 役等」という。)の有する機能
⑤ 組織構造及び慣行
⑥ 権限及び職責
⑦ 人的資源に対する方針と管理

(注) 財務報告の信頼性に関しては、例えば、利益計上など財務報告に対する姿勢がどのようになっているか、また、取締役会及び監査役等が財務報告プロセスの合理性や内部統制システムの有効性に関して適切な監視を行っているか、さらに、財務報告プロセスや内部統制システムに関する組織的、人的構成がどのようになっているかが挙げられる。

(2) リスクの評価と対応
 リスクの評価と対応とは、組織目標の達成に影響を与える事象について、組織目標の達成を阻害する要因をリスクとして識別、分析及び評価し、当該リスクへの適切な対応を行う一連のプロセスをいう。

① リスクの評価
 リスクの評価とは、組織目標の達成に影響を与える事象について、組織目標の達成を阻害する要因をリスクとして識別、分析及び評価するプロセスをいう。 リスクの評価に当たっては、組織の内外で発生するリスクを、組織全体の目標に関わる全社的なリスクと組織の職能や活動単位の目標に関わる業務別のリスクに分類し、その性質に応じて、識別されたリスクの大きさ、発生可能性、 頻度等を分析し、当該目標への影響を評価する。

② リスクへの対応
 リスクへの対応とは、リスクの評価を受けて、当該リスクへの適切な対応を 選択するプロセスをいう。
 リスクへの対応に当たっては、評価されたリスクについて、その回避、低減、移転又は受容等、適切な対応を選択する。

(注) 財務報告の信頼性に関しては、例えば、新製品の開発、新規事業の立ち上げ、主力製品の製造販売等に伴って生ずるリスクは、組織目標の達成を阻害するリスクのうち、基本的には、業務の有効性及び効率性に関連するものではあるが、会計上の見積り及び予測等、結果として、財務報告上の数値に直接的な影響を及ぼす場合が多い。したがって、これらのリスクが財務報告の信頼性に及ぼす影響等を適切に識別、分析及び評価し、必要な対応を選択していくことが重要になる。


【本日のアウトプット】


2.内部統制の基本的要素
 内部統制の基本的要素とは、内部統制の目的を達成するために必要とされる内部統制の構成部分をいい、(  ①  )の判断の規準となる。

(1) 統制環境
 統制環境とは、組織の(  ②  )を決定し、組織内の全ての者の(  ➂  )に影響を与えるとともに、他の基本的要素の(  ④  )をなし、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達、モニタリング及びITへの対応に影響を及ぼす(  ⑤  )をいう。 統制環境としては、例えば、次の事項が挙げられる。
① (  ⑥  )及び倫理観
② (  ⑦  )の意向及び姿勢
③ 経営方針及び経営戦略
④ 取締役会及び監査役、監査役会、監査等委員会又は監査委員会(以下「監査役等」という。)の有する機能
⑤ 組織構造及び慣行
⑥ 権限及び職責
⑦ (  ⑧  )に対する方針と管理

(注) 財務報告の信頼性に関しては、例えば、利益計上など財務報告に対する姿勢がどのようになっているか、また、取締役会及び監査役等が財務報告プロセスの合理性や内部統制システムの有効性に関して(  ⑨  )を行っているか、さらに、財務報告プロセスや内部統制システムに関する組織的、人的構成がどのようになっているかが挙げられる。

(2) リスクの評価と対応
 リスクの評価と対応とは、組織目標の達成に影響を与える事象について、(  ⑩  )する要因をリスクとして識別、分析及び評価し、当該リスクへの(  ⑪  )を行う一連のプロセスをいう。

① リスクの評価
 リスクの評価とは、組織目標の達成に影響を与える事象について、組織目標の達成を阻害する要因をリスクとして識別、分析及び評価するプロセスをいう。 リスクの評価に当たっては、組織の内外で発生するリスクを、組織全体の目標に関わる(  ⑫  )と組織の職能や活動単位の目標に関わる(  ⑬  )に分類し、その性質に応じて、識別されたリスクの(  ⑭  )等を分析し、当該目標への影響を評価する。

② リスクへの対応
 リスクへの対応とは、リスクの評価を受けて、当該リスクへの適切な対応を選択するプロセスをいう。
 リスクへの対応に当たっては、評価されたリスクについて、その(  ⑮  )等、適切な対応を選択する。

(注) 財務報告の信頼性に関しては、例えば、新製品の開発、新規事業の立ち上げ、主力製品の製造販売等に伴って生ずるリスクは、組織目標の達成を阻害するリスクのうち、基本的には、業務の有効性及び効率性に関連するものではあるが、会計上の見積り及び予測等、結果として、(  ⑯  )に直接的な影響を及ぼす場合が多い。したがって、これらのリスクが(  ⑰  )に及ぼす影響等を適切に識別、分析及び評価し、必要な対応を選択していくことが重要になる。


解答↓






【解答】


① 内部統制の有効性
② 気風
➂ 統制に対する意識
④ 基礎
⑤ 基盤
⑥ 誠実性
⑦ 経営者
⑧ 人的資源
⑨ 適切な監視
⑩ 組織目標の達成を阻害
⑪ 適切な対応
⑫ 全社的なリスク
⑬ 業務別のリスク
⑭ 大きさ、発生可能性、 頻度
⑮ 回避、低減、移転又は受容
⑯ 財務報告上の数値
⑰ 財務報告の信頼性

【関連基準】


財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に
係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の改訂について

二 主な改訂点とその考え方
(1)内部統制の基本的枠組み
② 内部統制の基本的要素
 「リスクの評価と対応」においては、COSO報告書の改訂を踏まえ、リスクを評価するに際し不正に関するリスクについて考慮することの重要性や考慮すべき事項を明示した。

※不正に関するリスクについては、「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準」ではなく、「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」において明示されている。


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