クロノマギア表紙

クロノマギア 『真』・解説書【後編】

 さて、後編です。前編では、『クロノマギアってどんなゲームや』ってことを説明しましたが、それだけでした。肝心の『楽しみ方』についてはほとんど説明していなかったと思います。ということで、後編では、クロノマギアの『強くなり方』、そして『楽しみ方』について解説していきたいと思います。

楽しみ方は人それぞれですが・・・

 とはいえ、楽しみ方はこうだ!という断定を1ライトユーザーである僕ができる筈もないので、とりあえず、『上手くなる=勝てる=楽しい!=もっとやる』という単純な方程式を元に、『いかに上手くなるか』を書いていこうと思っています。それが、個々人の楽しみにつながると考えています。

クロノマギアに限らず、カードゲームが上手くなるには

 カードゲームを上手くなりたい!と思った時、想定される3ステップは、こんな感じになります。これは、クロノマギアに限らず、だいたいのカードゲームに通じる構造です。このそれぞれのパートについて、説明していきたいと思います。
 と、その前に、この図の『デッキ作成』、『展開の想像、マリガン』、『試合を動かす』という3つのステップが、それぞれ面積が違うのに気づかれましたか?
 実は、クロノマギアというゲームは、難易度、重要度ともに、『デッキ作成』>『展開の想像、マリガン』>『試合を動かす』って感じになっています。
 つまり、実際のプレイングよりも、実は、『どんなデッキを作るか』『最初にどれだけ試合展開を予測するのか』が大事だということです。試合は始まる前に、7割型終わっていると言っても過言ではありません。
 若干語弊のある表現をしてしまいましたが、これは実力が同じだった場合の話で、実力に違いがあれば、実際のプレイの力量差で勝つことは全然できます。
 まあ、そういうことで、それでは、いきなり最重要パート、デッキ作成から説明していきます。

なぜ、自分でデッキを作らなければいけないのか、について

 導入を読んだ時、『強いデッキを作るのが最適解なんや。じゃあ上手い人のデッキコピーしちゃえばええやん。』と思った人がいると思いますが、、それは、半分正解、半分間違いです。
 半分正解というのは、上手い人のデッキをパクることによって、その人の思考回路の表層を掬い取り、学ぶことができるからです。
 そして、半分間違いというのは、たとえ『デッキ』を表面的にパクれたとしても、上手い人の『思考回路全体』まではパクれないからです。初心者では、そもそも、『なぜこのカードをたった20枚のデッキの中の貴重な1枚として採用したのか』ということを読みきれないのです。
 
さらにいうと、上手い人はトップメタを研究して『癖のあるカード』を採用していることが多いので、よく意味がわからないまま同じデッキを使うと自滅したりします。
 スタートはコピーデッカーでもいいですが、もし上手くなりたいのならば、そこから好みに改造して行ったり、自分オリジナルのデッキで挑戦してみることが重要になります。そこで、ランカーのデッキとの落差を知り、実際に調整を重ねることで、上手くなっていきます。それがまた楽しいんですけどね。

 次からは、デッキの具体的な作成手順なのですが、めちゃくちゃ分量が多いので、『いやいやまだ俺にはハードルが高すぎるよ!』って人は、このパート、全部スキップしてください。

デッキはこうやって作ろう

 さて、デッキの作成の説明です。わけわけんない図をいきなり出してすいません。これは、左から右の順番に考えてデッキを作ってね、というフローチャートみたいなものです。これに沿って、説明も兼ねてデッキを実際に作ってみたいと思います。

1.コンセプトを決める。

 ここが超大事です。これがぼやけていると、ぼやけたデッキにしかなりません。できるだけはっきりと決めることが大切です。コンセプトとはつまり、『どうやって勝つか』をイメージをすることです。『勝ちパターンって何?』ってことをひたすら考えます。例えば・・・

こんな感じです。
 1枚目でいえば、エレナの『光の壁』というマギアスキルが、体力をエンハンスするものなので、高耐久のクリーチャーと、それに合った支援マジックを使って圧倒的に強い盤面を作ろう、という感じのイメージになります。
 2枚目でいえば、ガメイラの『女王の雄叫び』というマギアスキルが、非常に強力な全体バフなので、それに合わせた属性のクリーチャーを採用して、攻め切ろう、という感じになります。
 勝ちパターンが明確かつ強力であればあるほど、デッキは強くなります。そして、前編で述べた通り、マギアスキルは試合を決定するほど強力なので、基本的には勝ち筋とマギアスキルはセットで考えます。

では、試しに、今回は1枚目の画像の勝ち筋パターンを使って、通称「光の壁エレナ」を作ってみます。

2.それに合ったマギアスキルを設定する。

 コンセプト設定が終わったら、次はマギアスキルを設定します。ギア2の『光の壁』はすでに決定済みですが、他のスキルを考える必要があります。

 試しにこんな組み合わせにしてみました。ギア1、2、3も、統一性が取れていなければいけません。ちなみにエレナの『ウェイクアップ』のようなめくりスキルは、持っているだけで相手にプレッシャーをかけることができるので、明確な意図がなければ、他のではなくこれを採用しておくと良いと思います。

3.クリーチャーを考える。

 こんな感じで、クリーチャーそれぞれに理由をつけて、採用していきます。念頭に『光の壁』発動があり、光の壁はハートとダイヤが一つずつ必要なので、バランスよくそれぞれの属性を採用していきます。 

 この時に、注意点がいくつかあります。

 このゲームで最も大切なのは、『マギアスキルを発動すること』だということは再三書いてきました。そのためには、『クリーチャーが場に残っていること』がとても大事になります。
 
たとえば、上の画像を見てください。ブルードラゴンは体力が5で、ドラゴンソードは体力が4ですが、これだけで、生存確率が大幅に違っていきます。実は、体力5のブルードラゴンを一撃で撃破できるようなカードは、現状のカードにはほとんど存在しないんです。
 相手は、体力5以上のカードを破壊するために、2体以上による攻撃、マギアスキルの使用、マジックカードの使用を余儀無くされます。その行動一つ一つが、有利につながっていきます。
 上の『光の壁』エレナでも、特別な理由がなければ、体力4以下のカードをなんとなく使うことはしていません。体力3以下であれば、よほど必須でない限り、採用はあまりオススメできません。
 同様の理由で、勝ち筋に絡まないのであれば、攻撃力3以下のクリーチャーも控えめにすると上手くデッキを組むことができます。

一言で言うと、『迷ったら体力が高いものを選んどけ』ってことになります。本当の本当の本当に、場にクリーチャーが残っていることは、ほぼ全てのデッキの生命線になるので、そこはしっかりと考えるべきです。
 そうすると、必然的にコストが高めのものが多くなりますが、大丈夫です。このゲームはマナカーブが存在しないので、低いコストのクリーチャーを無理やり採用する必要はありません。

 ただ、意識するならば、MP回復量が多いキャラは、4コスト以上のコスト高めなものを多く、MP回復量が少ないキャラは、3コストの以下の若干低いコストのものも多少入れておくといいかもしれません。

4.妨害・攻撃マジックを考える

 前編で、マジックカードは、マギアスキルが補えないところをカバーする役割があると述べました。妨害、攻撃マジックは、この考え方で採用していきます。

今回はこの3種類のマジックカードを採用しました。マギアスキルでできないこと、発動条件が揃いそうも無いところで活躍するものをピックアップしています。

5.バランスを考えて、支援マジックを入れる。

 最後に、支援マジックなのですが、これは、妨害・攻撃マジックを邪魔しない程度に入れるようにします。あまりこれが多すぎると、有利盤面では強くても、不利盤面で勝てないデッキになってしまうためです。支援マジックは添えるだけ、です。

 あと、クリーチャーとマジックカードの比率なのですが、『平均6.5枚』くらいに考えておくと良いと思います。クリーチャー主体のデッキならそれより少なく。重いカードが多く、マジックでそれを補うデッキならそれより多く。といった感じで調整してみてください。

6.完成・バランス調整

 やっと完成しました。今回のデッキ構成はこんな感じになります。 
 実際に記事を書きながら作ったデッキなので、本当に強いかどうかはわかりません(おい)
 ただ、『光の壁』というマギアスキルがそれなりに活かされるデッキであることは間違いないと思います。

 どうでしたでしょうか。デッキの作り方は千差万別だと思いますが、それでも、この作り方は割と効率の良い方だと思います。ぜひ、試してみてください。

デッキ作成パートを飛ばした方々へ

  誰かのデッキをコピーして使うときも、一つだけ考えてほしいことがあります。それは、『なぜ作成者は、このカードを、貴重な20枚の枠の中にわざわざ採用したのか?』ということです。それを考え続けると、上手くなります。

展開の予想・マリガンについて

 さて、これからこのパートについて説明したいのですが、デッキ作成に労力を割き過ぎて疲れましたので、さらっといきたいと思います。
 メンドくさいわけではなく、ここは本当に、場数で上手さが決まるからです。しかし、意識するポイントくらいは説明できるので、読んでみてください。

 クロノマギアのスタート地点での特徴は、この二つにあります。1文目で言いたいことは、『ほぼ運要素ありません』ということです。『アグロにボコボコにされた・・』などは、運が悪いのではなく、デッキ構成が悪いだけです。

 大切なのは2番目です。このゲームは、相手のマギアスキルを見てから、手札を入れ替えることができます。
 上手い人は、相手のマギアスキルを見ただけで、『避けなければいけない状況、注意すべきマギアスキル、それと関連して出てくるクリーチャー、それに対してこのデッキで返す手段』がパッと浮かんできます。これをいかに間違いなくイメージでき、マリガンできるかで、このゲームの勝率が大きく変わると言っていいと思います。

 試合前に考えることは、図にまとめるとこんな感じです。この2者が重なる部分を考えることが大切です。
 右下に、『アグロ?ワンショット?コントロール?それ以外?』という文章がありますが、それは要するに、『相手のデッキタイプを予測しろ』ってことになります。この詳しい記事は、また今度、新環境になってから、できたら書きたいと思います。

 全然わかんないんだけど、という方は、『とりあえず、序盤に使わなさそうな妨害マジックなどは返しておく』ということだけ覚えておいて下さい。手札にクリーチャーが潤沢にあることがまず大切です。

試合を動かすことについて

 これについては、前編でほぼ全て話してしまいました。

とにかくこの3鉄則です。自分のデッキの勝ち筋を考えつつ、この鉄則を死守してください。

それでも負けてしまったら

これまで、3つのステップについて説明をしてきました。試合をするというのはあくまでクロノマギアの楽しさの一面にしか過ぎず、デッキ作成をして、『自分で強いデッキを作る』ことが楽しみになります。
 最後に、試合中での主な負けパターンに対して、どのような修正方法をすればいいのかを話して、解説書を締めくくりたいと思います。

手札が尽きて負けた

1.相手のクリーチャー処理にうまくマギアスキルが使えておらず、マジックなどで対処することになっている。→マギアスキルの発動を意識したプレイング(例えば、一体ずつクリーチャーを出すのではなく、2体ずつまとめて出す、など)・全体除去カードの導入(ニュクス・ウラノスなど)・ギア3のマギアスキルを無理に発動しようとしない。ギア2以下を使ってこまめに処理をしていく。
2.クリーチャーのコストや体力が低い。→高体力、高コストのクリーチャーを入れてみる。(体力5以上意識!)

全く勝てないデッキタイプがいる。

1.根本的に、対処札を用意していない。→アグロに負けるなら、挑発や攻撃力エンハンスのカードを・めくり系に負けるなら、ニュクス・ウラノス・タナトスなどの、めくりに強いカードを。
2.そもそも、全く相性が悪い→その勝てないデッキタイプが環境の主流なら、デッキコンセプトをそもそも変えてしまう。

デッキが尽きるまで粘られてしまう。

 一部には、LO(ライブラリーアウト)と呼ばれる、『デッキ切れ』状態にまで相手を追い込み、デッキが切れた状態で、カードを引こうとするたびに発生するスリップダメージを使用して勝つデッキがあります。
デッキコンセプトが中途半端→どうやって勝ちたいのかをもう一度はっきりさせる必要があります。支援マジックなどを増やして、攻めきれるようにして見て下さい。もし、攻め切れないという判断なら、『トロイアの木馬』というカードを入れて、自分もLO勝ちを狙っていくといいでしょう。

ありがとうございました。

 解説書は以上になります。自分なりにできるだけわかりやすい記事を書くことを意識しましたが、実際どう思われるかはわかりません。ご意見・ご感想ありましたら、僕のツイッター(@clest0205)までよろしくお願いいたします。

 このゲームは、本当に奥が深くて面白いと思います。ガンホーさんがやっているので、作り込みも素晴らしいです。BGMとか、最高です。
 この記事の中の一文だけでも、皆さんのプレイの参考になったならば、嬉しい限りです。

 良いクロノマギアライフを。