くそじじいに愛を込めて👴17

『特養への片道切符』

特養の入居が決まり、今度は衣類や私物にネームタグを縫いつける内職作業が始まる

裁縫は子供がいないので幼稚園や保育園などの持ち物につける経験もなく今まで生きてきた。

情けない・・こともない(どっちだよ・・どちらでもよい)

もっと簡単につけられる方法があるのかもしれないが?何度も洗濯をするだろうから取れづらい方法を選ぶ。

いびつな縫い目の衣類などを提出する恥ずかしさを感じながら必需品を持ち込み無事に父は特養での生活をスタートさせた。

半年くらい経った頃・・

施設入所の際、面談で何度か「いずれ認知症になったら~」と数回伝えられた。

父もそうなるのか?と覚悟しておかなければならぬのかと思いつつも認知症への片道切符を握りしめ施設入所を決めた。

その後、平穏な日々が続いているが、が、が、父ではなく「私」の方が、が、が、怪しくなってきた!?

面会、急な外来、その他諸々あっても父の介助から手が離れ仕事しては買い物して食べて飲んでゴロゴロ。
これじゃ20年前と同じじゃん!!!

頭が空っぽ感。
仕事は割とバリバリやってきた(自分で言う!?)
しかし少し衰えを感じてきた。

誰かに(父)どやされてもやる事があり小忙しい毎日だった日とは真逆。

あー帰ったら何しよう
あー今日は何食べよう
また同じ物食べてる
これはどうにかしないと
苦手な芋でも食べてみるか
へー結構、美味しいんだ

父と私、認知症になるのはどっち

少しはゆっくり出来たから夢中になれる片道切符を探さないと。

        
        次回へ続く⭐

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