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デカいどら焼きは全てを救う。
どら焼きは美味しい。
どら焼きは全てを受け止める。
そのどら焼きは、スーパーで買えるような、よくある「ビッグどら焼き」。
問題はそれをいつ食べたかということで。
2011年3月11日。
それは「東日本大震災」の日です。
当時住んでいた千葉県は震度4か5。津波は無い地域でしたが、余震はめちゃくちゃあったので十分怖かったです。
学生だった私は、何を思ったか「先生、親の仕事場が近いのでそこまで行きます」と言って学校を出てしまいました。今考えると愚かですね。
海と無縁な街中を歩き、とりあえず手を挙げて横断歩道を渡り(止まってくれた車ありがとう)仕事場まで行きました。
職場は親切なところで、親の名前を出すとすぐ中に入れてくれました。ドタバタと忙しなく動く勤労者の群れに感謝しながら、ラジオにイヤホンを差してbayfmを聴く私。
「津波が」「倒壊した家屋が」「落ち着いて避難を」
幕張の社屋で何を思っていたのか、けれど冷静に放送は続きました。
その中で、職場の方が「これ食べて元気出してね」と渡してくれたのが、ビッグどら焼きでした。
その時脳裏をよぎるハリーポッター。
ルーピン先生が吸魂鬼対策にチョコを手渡すシーン。
なぜか好きだったぜルーピン先生。なんでだったんだ。
広がる甘味。
甘味は全てを救う。
甘味は地球だった!?
チョコのくどい甘さではなく、どら焼きの温かい甘さ。
ドラ◯も〜ん!!
と抱きつくの◯太くんの気持ちがめちゃくちゃ分かりました。
ちなみに家に帰ったら、私の部屋だけモノが散乱していました。あと釣り電球は落ちていました。
それくらいで、他の出来事はなにもなかったけど、あの1日で誰もが精神を擦り減らしていたのは確かではないでしょうか。
そんな今でも、精神を擦り減らす日はときどきあります。
そんな時にきまって私は、素朴な甘みに感謝するのです。
「あーめぇ」と。
オチがない…
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