【毎週ショートショートnote】伝書鳩パーティー

伝書鳩好きが一堂に会する伝書鳩パーティーに、なぜかバディがいた。
「ボディビルも来るなんて、どうしたの?」
「仕事よ。あんたはなんでここにいるの」
「幸次さんのおじいさんが主催のパーティーだから来たの」
「さらわれないようにしなさいよ」
「事件が起きなければね~」
「大変だ! 伝書鳩が盗まれた!」
早速、事件だ。



「首謀者はあなたですね!」
「くっそっ!」
首謀者は近くにいた女性に手をのばした。
標的はもちろん、バディだ。
私の位置からではバディに手はとどかない。
「捕まるなー!」
「そんなのムリー!」
首謀者がバディの腕をつかみかけたそのとき、白い塊のようなものがいっせいに飛んできた。
白い塊は伝書鳩だった。


首謀者は、御用となった。
伝書鳩がとびあがったのは、尾出幸次のおかげらしい。
「代々我が家に伝わる、伝書鳩をあやつる笛です」
それをとっさに吹いた。
おかげで伝書鳩はいっせいに尾出幸次の方へとび、バディも助かったのだ。
「ありがとう、幸次さん」