たまプラーザ

この時間が終わらなければいいのにと思ったのは、いくあてがないからでした。行かなければならない場所はありました。アルバイトの時間が迫っていたのです。
新卒で入ったのは第一志望の職場でした。念願でした。憧れていた職種で、学生時代にアルバイトさせてくれた職場に、就職が決まったのです。

試験を受けて、受かって、本当に嬉しかった。たいへんなのは承知でした。それでも頑張ろう、頑張れると思っていました。いきいきと働くものだと思っていました。長く勤めるのだと思っていました。福利厚生がいいし、お給料だって徐々に上がっていくものだろうと思っていました。仕事じゃないところであんなに蔑まれるなんて、人として軽んじられるなんて、蹂躙されるなんて、考えてもみなかったのです。

一年もたずに退職し、疲れきっていました。夢が絶たれ、どうしたらいいのかわかりませんでした。ひたすらに昼間の時間を駅ビルや図書館で潰し、夜は早く寝ました。余計なことを考える前に。

アルバイトはしていたけどそれが正しいのかやりたいことなのか自分の気持ちもわからなくなっていました。どこにもいけない私は進まない時間に閉じ込められてしまえばいいのにと思いました。

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