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福岡市の髙島宗一郎市長が考えていること

福岡市の髙島市長は今までに三冊の本を出版しています。
①2018年 福岡市を経営する
②2021年 日本を最速で変える方法
③2022年 アヒルちゃんの夢

これらの本を読むと市長が何を考え、何を大切にしているのか。
また、僕たち市民から見て何が欠けているのかが良くわかります。

福岡市を経営する

解説
2010年に福岡市長に就任してからの二期8年をふりかえり、トップランナーであると自負と共に、数々の成果を誇る本。
国際会議開催件数1位
クルーズ船の寄港回数日本一
開業率7%台は全国唯一
税収が5年連続過去最高を更新
地価上昇率も東京大阪の倍
人口増加率1位

しかし、輝かしい業績を語る端々にノイズが垣間見える。
・市民と面会はしないがスタータップ企業とは積極的に面会する
・批判は受け取らないがダボス会議には出席する
・全体として良ければ全員のことまでは気にしない
・企業のトップが不景気を嘆く話が嫌い
・政策では人を幸せにできない

特に注目したのが高島市長の幸福観についてだ。
「医療環境が悪くて文化施設がなく家がボロくても他の人と比べなければ不幸だとは思わない」
最後にこの本は新成人へのメッセージでくくられている。
p260 新成人への挨拶「幸せだから笑うんじゃない笑うから幸せになるんだ」

日本を最速で変える方法

解説
国家戦略特区である政令指定都市の強みを最大限に発揮し、全国の自治体のロールモデルとなる一方、コロナ禍の自治体運営を続ける中で権威主義の暗黒面に落ちる悲劇が描かれている。
都市構造の改革やスタートアップ企業のために奔走し、規制緩和を勝ち取る一方で、自由主義社会の中でのパンデミックのコントロールに苦しみ、結論として一党独裁や軍事研究の必要性を何度も何度も強く訴えている。
最終的には憲法に国家緊急権まで訴えている。
特記すべきは(老人の集団自決でおなじみ)成田悠輔の、民主主義と成果の相関関係で、コロナ禍においては一党独裁ほどGDP成長率が高く、死者数が一党独裁ほど少ないという図表の引用だ。
民主主義の呪い:2020年の教訓
しかしこれは民主国家の自治体の首長の参考にするべき研究なんだろうか。
GDP成長率が高いのは福祉に割り振るべきリソースを経済に盛った結果かもしれず、死者数が少ないのは統計をコントロールできた結果かもしれないのに。
あまりにも軽率で都合の良いデータに飛びつくのは看過し難い。
髙島市長には民主主義の枠組み以上の権限は与えていないぞと市民として強く思う。

アヒルちゃんの夢
2022年12月12日初版発行 たかしまそういちろう(えとぶん)
泳ぐのが下手なアヒルちゃんがクラウドファンディングでジェットエンジンをつけて空を飛び、世界を飛び回る夢を実現し、企業家になる話。
世界の素晴らしいものの例が若干陳腐で説得力に欠ところが惜しい。
そもそもアヒルは空を飛べる。
泳ぎだってうまい。
アヒルちゃんは自分の長所を伸ばすべきだったんじゃないかと思うし、そもそも子供の読むものじゃないと思う。


こんなやつ。

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