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ラジオの話 前編

 前々からずっと読みたいと思っていた佐藤満春さんの『スターにはなれませんでしたが』を購入した。sumikaの片岡さんとの対談でこの本の存在を知った。サトミツさんのことはなんとなく放送作家さんということと、日向坂46の松田好花の師匠ということは知っていて認知はしていたが、結局のところ何者であるかは知らなかった。ラジオの放送作家がどんな仕事をしていて、どんな人なのか知りたかったからこの本を買って読んでみることにした。
今回はこの本を読んだ感想と、私が最近思うラジオについてを色々と書いてみようと思うが、とんでもない分量になりそうだから、前後編に分けようと思う。


 『スターにはなれませんでしたが』を読んで、1番に思ったことは、サトミツさんのラジオにハマっていった過程と、私のそれが似ているということ。もちろん、年齢が違うから聴いていた番組や好きなDJは違うけど、まさしくラジオっ子の考えや境遇が似ていると思った。
 私は中学2年生の時にラジオにハマり、そこからの中高生時代をラジオを聴くことを楽しみに生きていた。きっかけは1番仲良い友達が”あるラジオ番組”のラジオドラマの企画でヒロイン役に選ばれたことだった。そのある番組というのは、ラジオの中の学校「SHCOOL OF LOCK!」。当時から既にティーンエイジを中心に大人気だったSOL。でもその時まだジャニオタをしていた私は、SOLなんて知る由もなかった。その友達は、数多くいるリスナーの中からオーディションでそのラジオドラマのヒロインに選ばれた。わざわざ東京FMまで行って収録をしたらしい。それは聴くしかないだろうということで初めてSOLを聴いた。毎日隣で聴いている友達の声がラジオから聴こえてきて、なんだか不思議で面白いと思ったのを覚えている。そんなきっかけからなんとなくSOLを聴くようになった。当時のSOLのパーソナリティはとーやま校長とよしだ教頭。2人の掛け合いが面白くて、テレビで見る芸人さんの漫才やコントとは違う、生放送独特の雰囲気と空気が面白いなと感じた。そして、私はその頃KANA-BOONというバンドにハマり、徐々にバンドに興味を持ち始めた。SOLが主催する閃光ライオットとうバンドのコンテストがあり、その大阪大会を見に行くことになった。出演していたバンドは殆どが10代。自分とそんなに歳の変わらないお兄さんお姉さんたちのバンドはインディーズとは思えないほど上手でカッコよかった。そして、そのライブのシークレットゲストとして最後に登場したのがKANA-BOONだった。初めてプロのライブをライブハウスで生で見た。衝撃だった。生で聴くドラムの音、心臓に響いてくるベースの低音。中学2年生の私にとってどれもが初めての感覚で私は一気にこのバンドのことが好きになった。

バレンタイン企画でKANA-BOON先生からもらったチョコレート


 そんなこんなで毎日のようにSOLを聴く生活がはじまった。22時からの生放送のためにやることは全てそれまでに終わらせて、放送開始を待つ。(サトミツさんの本にも全く同じ文章があった)SOLには掲示板というメッセージを書きこむアプリがあり、そこに書き込みをした人の中から掲示板逆電がかかってくる場合がある。その時は、事前にスタッフからアポ電がかかってくるのだが、そのアポ電が来た日には気が気じゃなかった。アポ電がかかってきても本番逆電がかかってくるとは限らない。ドキドキしながら携帯を握りしめて生放送を待つ。非通知からかかってきたら、それが逆電だった。結局私は4回ほど逆電に出た。KANA-BOON先生やBrian the Sun先生の回に出たと思う。もはや何喋ったかあんまり覚えてないが、必死に喋って、とーやま校長や好きなアーティストが自分の話で盛り上がってくれたらすごく嬉しかった。どうやったら読んでれるお便りが書けるか。そればっか考えてたし、完全なるハガキ職人でした。


 その後sumikaを好きになってFM802をよく聴くようになった。sumikaの曲がFM802で初OAされることが多く、初OAの際にはドキドキしながらラジオの前でその瞬間を待った。たぶん初めてラジオで解禁されたのは、「Amber」。ラジオを聴きながらすぐにTwitterに感想を呟く。その瞬間を共有できる感じがすごく好きだった。「Lovers」の初解禁もFM802だった。活動再開後初めての曲。ラジオから流れてきた今までのsumikaにはない新たな曲に大興奮した。「転調した!最後3拍子!?」と1曲の中で目まぐるしく変わる曲調に衝撃を受けた。そして、私が高2のときに片岡さんがDJを務めるMUSIC FREAKSが始まった。この番組の中の”これお前好きちゃうか?”というコーナーが好きだった。このコーナー名を関西弁で言えない片岡さんがかわいくて、でも回を重ねるごとにちょっとずつ上手くなっていく過程も面白かった。
 ラジオ局が主催する公開収録に行くのも大好きだった。初めて行ったのはFM802のKANA-BOONの公開収録だった。公開収録とCDの手渡し会があったが、公開収録で何話したとかは正直なにも覚えてない。CDお渡し会では、初めて目の前で見るKANA-BOONに大興奮した。

同じくsumikaのFM802公開収録のこともよく覚えている。朝イチで整理券を取りにいったのに、もう結構前に人が並んでいて、遅かったか〜と思ったら、前に並んでた人はみんな1部の井上苑子ちゃんのファンで、私は2部の9番の整理券をゲットできた。その公開収録はライブもやったんだけど、まあ人生1近かった。片岡さんまで2mくらい。何演奏したとか全然覚えてなかったんだけど、最近会った方にその日のことを覚えている人がいて、その日「Lovers」の大合唱が起こったと言われて、ああそうだったんだと思い出した。まだ「Lovers」発売されて4ヶ月とかだったと思うけど、802の邦楽ヘビーローテーションに選ばれて、すごく広まった曲だから、802のおかげもすごく大きかったと思う。


ラジオが主催するイベントは公開収録だけじゃなく、ライブやフェス、フードフェスなど色々なものに参加した。ラジオから飛び出して気になっていたフェスやライブを見る。ラジオを聴いている間はラジオ対自分1人の空間だけど、イベント会場に行くとその対1人が 何百も何千もいてああ、1人じゃ無かったんだって確信できる。
そんなこんなで前編は私とラジオの出会いの話でした。後編ではもうちょっと突っ込んだ話を。

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