お遍路さん【4日目】
今日は、昨日の雨で仕方なく温泉で休んだために行けなかった、8番から10番を周ることにした。吉野川にかかる橋を歩いていく。路の途中で、カラカラに乾いた動物の死骸を見つける。
遍路道は、花がたくさん咲いている。お遍路さんのために、地元の方々がボランティアで道沿いに植えてくれているのだ。中には、御自身の土地の歩道側に、花を育ててくれていたりもする。そんなわけで、辛い長距離の道のりの中でも心がホッとする。
8番の熊谷寺に着くと、満開の桜。門から本道へ続く一本道に、左右に立ち並ぶように桃色の花が出迎えてくれる。動画で撮っていたのでここには載せられないが、今回の旅で、一番綺麗な桜の道だった。
9番に向かい、昼飯に焼き芋を食べた。しばらく歩いていると、昨日と違い今日は少し暑い。丁度お寺の前に石でできた白い椅子があったので、座らせてもらった。すると、近くの畑からお爺さんが夏みかんをもいで、持ってきてくれた。
話を伺っていると、どうやら昔、このあたりでお遍路さんを迎えてお接待していた方らしい。昔は鐘のついた立派な寺があったそうだが、現在はその一部が残っているそうだ。小豆洗い大師とは、弘法大師が寒い時に、身体を温めるために小豆を洗ったことに因んでいるそうで、その洗ったため池がこの小さな水たまりである。我々が寒い日に腕立てするようなものだろうか。水深30cm程度だが、お爺さんが小学生の頃から一度も枯れていないという。更に、そのお爺さんのお爺さんもこの池を見ていたとの事だ。
さて、読者諸君はこの写真を見て何をしたくなるだろうか?
ゼルダの伝説をしている方はすでに察しているだろうが、コログっぽい場所が沢山見つかる。「ヤハハー」という声が聞こえてきそうだ。私はちなみにそれを、「ヤハる」と読んでいるが、皆さんはなんと呼んでいるだろうか。
ひたすら進むと、遍路小屋に先の人の差し入れが置いてあった。小学生が作ってくれた看板があったりして、長距離を歩いているとこういうので何故か泣けてくる。
吉野川を超えて戻る途中、戦前から写真を撮り続けているお爺さんに声をかけて頂き、写真を撮って頂いた。更に続けて、犬の散歩をしていた別のお爺さんと30分一緒に散歩した。いつもの散歩コースが、丁度私の宿の方向で近道になっているそうだ。犬の名前は「ジョン子」という。はじめは貰ってきた時は男の子だと思っていたが、後から女の子だとわかったため、「子」をつけたそうだ。散歩道は桜の道になっており、気持ちが良かった。畑の野菜クイズを出されて、私は葉っぱを見ただけでブロッコリーとニンジンが分からなかった。スーパーに売られたものしか見た事がないからだろう。にんじんの葉は絵本で読んだ気がする。こんなことも知らなかったのかと、少し情けなくもなったので、もう少し普段食べているものにも気をつけたいと思った。
ゲストハウスに着き、明日はいよいよ焼山寺。12番のここはお遍路さんの最難関の札所らしく、7時間山を登るため、早朝に出発しなければならない。ネット情報によれば、ここで30〜50%のお遍路さんはリタイアするそうだ。
前日は体力をつけるため、焼き鳥屋へ向かった。鳥の心臓が新鮮で、まるでタン塩を食べているみたいだった。人生で一番美味しかった焼き鳥屋さんだったので、この為に徳島に来ても良いくらいだ。もちろん、ビールもつけて…
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