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ファイナル直前!曲と想いを振り返ろう!

こんにちはもちです。
ついに明日は特級ファイナルですね。ファイナリストの皆さんがどんな演奏を聴かせてくれるのか、誰がグランプリになるのか、とても楽しみです!

ファイナリストの皆さんの紹介動画を振り返ったり、今日公開となったプログラムを見たりして明日の応援の準備をしましょう!
また、ファイナルでは、3次予選にて第1楽章を2台ピアノ版で演奏したコンチェルトを、日本フィルハーモニー交響楽団(指揮:梅田俊明)との共演で全楽章演奏します。3次予選からパワーアップした演奏、2台ピアノの時とオーケストラとの共演の時では弾き方にどんな違いがあるのか、も見所ですね!

公式プログラムはこちらから!


嘉屋 翔太さん

サン=サーンス/ピアノ協奏曲 第2番 ト短調 Op.22

第2楽章はソナタ形式によるスケルツォ付きの楽章。軽やかなティンパニに続いてピアノの第一主題が溌溂と提示されると、第二主題はファゴットとヴィオラで奏された後、ピアノで繰り返されます。各楽器の掛け合いとピアノのソリスティックなパッセージのバランスが見事な楽章です。

公式プログラムより引用

「形式はバロックなんだけど、スタイルはロマン派によっていて、響きはオーケストラとバランスが良くて。作品自体の価値を僕は信じている。」とインタビューでは語られています。例えば、第2楽章は伝統的なソナタ形式でありながらロマン派のトーンを色濃く持ち、各楽器の掛け合いとピアノのパッセージが見所ですが、この曲のこうした部分に嘉屋さんは惚れ込んでいるのかもしれません。「形式はバロックなんだけど、スタイルはロマン派」とのところには、セミファイナルでのハイドンについておっしゃっていた”クラシカルなものとモダンの融合”に通じるものを感じ、時代を超えた表現、というものが今回のピティナ特級を通しての嘉屋さんのキーワードなのかなと思いました。3次予選では自信満ち溢れる演奏で聴く人を嘉屋さんワールドにひきこむ演奏を見せてくれましたが、明日のファイナルではどんな演奏をされるのか楽しみです!

3次予選の演奏はこちらから!



神原 雅治さん

ラフマニノフ/ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op.18

現在もっとも人気の高いロシアの作曲家の一人であるセルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)の作品の中でも、ピアノ協奏曲第2番は、特に名作の誉れ高く、演奏機会も数多いピアノコンチェルトです。

公式プログラムより引用

「クラシックが好きな方であれば誰もが一度が聴いたことのある作品。サントリーホールという大きなホールで、ピアノもオーケストラも雄大なこの曲の魅力を皆さんにお届けできるような演奏をしたい」とファイナリストインタビューでは語っていらっしゃいました。私が思う神原さんの魅力は緻密に作り上げられた技巧的な部分と澄んだ音色、構成力なのですが、これらとラフマニノフのコンチェルトの魅力が溶け合った時に、どのような広がりを見せてくれるのか楽しみです。3次予選では室内楽的にこのラフマニノフのコンチェルトを演奏されていたように感じたので、ファイナルでオーケストラと共演した時に全く違うものをみせてくれるのではないかな、と個人的には期待しています!

3次予選の演奏はこちらから!



鈴木 愛美さん

ベートーヴェン/ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 Op.58

第2楽章もまた独創的といえます。何かを予言し、また拒否するかのようにも聞こえる付点のリズムを奏する弦楽器と静謐なピアノとが緊張度の高い対話を繰り広げ、暗示的で深い感動を与えます。終楽章は、第2楽章からアタッカ(連続)で続くロンド・ヴィヴァーチェ。前の楽章の幻想的な霧が晴れると、躍動感に溢れ、親しみやすいメロディが軽やかに駆け巡ります。最終盤にふたたびピアノのカデンツァが挿入された後、最後は快活にプレストで締めくくられます。

公式プログラムより引用

「ベートーヴェン4番の持つ幸福感、あたたかさだったり、それとは対照的な辛さ、痛み。全部含めて愛なのかなと思うので、精一杯表現できたな良いなと思っています」とファイナリストインタビューでは語られていました。このインタビューからはベートーヴェン4番への愛が感じられますね。逃げ場のないプログラム、ということもおっしゃっていましたが、ベートーヴェンらしい緊迫感、その中に時折見られる親しみやすさ、軽やかさといったものを鈴木さんの”愛”で全て包み込む、そんな演奏を聴かせてくれるのではないでしょうか。
3次予選ではダイナミックさ、柔らかさとさまざまな魅力を見せてくれた鈴木さん。ファイナルでの演奏も楽しみです!

3次予選の演奏はこちらから!


三井 柚乃さん

ラフマニノフ/ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op.18

(ラフマニノフは)交響曲第1番の初演の失敗などにより自信を喪失し、(中略)1901年頃からようやく作曲に復帰した彼が、満を持して発表したのがこのピアノ協奏曲第2番で、ラフマニノフ自身のピアノで初演され、1905年に「グリンカ賞」を受賞し、作品はダール博士に献呈されました。

公式プログラムより引用

「全体を通して、特に1楽章は暗くて重いけれど、その中にほんの少しの希望とか微かな幸せみたいなものが感じられて、人生において大切なことが学べる作品」とファイナリストインタビューでは語っていらっしゃいました。重厚感のある音色が三井さんの魅力だと私は感じているので、冒頭の荘厳な和音の部分の表現が個人的にはとても楽しみです。”人生”と絡めたとても深い解釈をされている三井さん。人生の転機にあったラフマニノフの作曲当時の姿とも重なりますね。3次予選の演奏ではその重厚感に私は圧倒されましたが、ファイナルでは甘くセンチメンタルな美しさを持つメロディの表現にも注目して聴いてみたいと思います。

3次予選の演奏はこちらから!


明日に迫ったファイナル。ついにグランプリが決まります。
現地参戦の皆さんも、配信でのご視聴の皆さんも一緒にファイナリストの皆さんを応援しましょう!

配信はこちらから!


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