真実の旅人⑯

前回の続きみたいな感じの話になりますが、私は今振り返ると、少し昔のニコ生(ニコニコ生放送)が面白かったと思います。ニコ生はオタクやいわゆる社会の底辺みたいな人達が多かったですが、みな個性的で、意外なほどしっかりした考えを持っている人が多かった。そんな人たちが深夜まで自分の言葉で世相を語ったり、あれこれ創作を披露したりしていて、熱かった。何より、正直で、素朴な人が多かった。本当に人間模様が感じられて、面白かった。あの頃は広告代理店による言論誘導(工作)もなく、本当に素朴で正直な配信が多かったんです。それこそ、鎌倉時代の和歌の世界だった。冗談じゃなく。諸行無常があって、そんな中からにじみ出る歌があった。

で、面白かったのに、川上量生という人が一気にダメにしてしまったんですけど、この川上さん、宮崎駿にゾンビのCG動画を見せてメチャクチャ激怒されていた人です(笑)私があの激怒される動画を見て思ったのは、やっぱり理屈より共感が大切だということ。その姿勢が大事だってことです。しかし、コントみたいにあまりにもよくできた映像で、川上さんはもしかしたら、現代社会を象徴する人物として、役柄を演じていただけの可能性もありますね。まともな感性があれば宮崎駿にあんな動画を見せようって思わないと思いますし。人心を読む力のない人って、これは一般論としても、とにかくやらなくていいことをやるんです。これ、経営では一番ダメなパターンで、「鳴くまで待とうホトトギス」が実は一番難しいんです。

最近、ニコ動も含めてニコ生の方がYouTubeより規制が緩いとかで再評価されてますけど、昔はもっと自由で面白かったんです。あの頃のニコ生に比べたら、今のYouTubeとか、本当につまらない。いや、ちょっと表現が違うかな。ポリコレという名の言論誘導も問題ですが、収益化することが出来るんで(今はニコ生も出来る)、表面的な配信や動画がめちゃくちゃ多いんです。多すぎる。ていうか、ほとんどそれ。要するに、虚飾ばかり。収益化って、日本人の文化を粉々に破壊すると思います。一つ前の記事でも書きましたが、教養系とか、差しさわりのないくだらない配信や投稿が増えて、ウェブから日本人の本音が消えてしまったんです。本当にバカみたいなロボットみたいなのしかいなくなって、私は日常が本当につまらなくなった。

おわり

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