真実の旅人⑰

「セクシー田中さんの問題」は、構造的な問題そのもので、私は本当に、単に悲しいだけじゃなくて、いろいろと絶望的に感じています。私はこの手の問題は、業界の構造の問題というより、今後、日本社会の構造の問題として捉えられるようになると思います。いや、世界的な潮流と言った方がいいかもしれません。で、私は以前から、事あるたびに、才能がシステマティックに食いつぶされる時代に突入した!と、一人で一生懸命にワーワー文句を言ってきたんですが、日本人って基本的に頭が悪いので、どちらかと言うと、他人から才能を盗む側の民族ですし、あんまり危機感がないみたいですよね。神道すらパクってしまった民族ですからね、日本人は。今の日本人は基本が嘘つき民族ですし、収奪民族ですから、こんな民族の中にいて、一人で声を上げている自分がバカみたいに感じます。ただ、私、そうやって言っていた中で、こういう問題が起きてしまい、私個人としては、本当にやるせない気持ちでいっぱいです。

いくつか前の記事から似たような事を書いていますが、日本はここ数年で、無能な人たちがシステマティックに才能(オリジナル)をパクって収益化(相対化)できる時代になってしまったと思います。今の時代、才能が出てくると、その才能は自動的に食い潰されるんです。ですから、「セクシー田中さんの問題」のような問題は、昔からあったんでしょうけど、今後もっともっと状況は酷くなって、似たような問題が何度も何度も起こると思います。人が死ぬ死なないは別として、もう才能が出てこなくなるまで、この手の問題はずっと続くと思います。

以前あった「群像の盗用問題」なんて、まさに同じケースだと私は思います。本来なら有名になんてなれるはずがない人が出てきてしまった。最近の「芥川賞作家のAI利用宣言」なんかも同じです。要するに、時代の流れなんです。作家が悪い、という簡単な話じゃないと思います。個人の問題じゃないんです。システマティックな流れなんです。構造的な問題なんです。もし私みたいな人間ばかりなら、この流れに無理やり抗うことが出来たのかもしれませんが、業界の賢い人って頭だけで考えてしまうから、そういう意味で驚くほど従順で、私ほど心に怒りがわいてこないみたいなんです。ていうか、本来才能を発掘すべき側の彼らが、むしろ自滅を促す側にまわっています。私なんて、特殊な能力によって、いつも頭と心を連動させているので、彼らのようなガンダムというより、エヴァンゲリオンなんです。

生成AIの問題も、同じ文脈で語れるものですが、そもそもはやはり、ニーチェが指摘したルサンチマンの問題だと私は思います。要するに、進歩主義の末路です。これを信じる人たちにとって、才能というのは常に収奪の対象なわけですからね。他人から習うしか能のない人々のルサンチマンは本当にものすごくて、ニーチェはこの手の人々を弱者と呼びましたけど、この手の人々の僻みが結晶化して、価値の転倒が起きて、それで生成AIやら、ゲノム編集技術やらが生まれたわけです。こんな技術、本来許されるわけないのに、なし崩し的に世界にまん延しようとしてるのは、進歩主義がそもそも内包しているルサンチマンのせいです。無能な暗記バカが、成長の限界を無理やり超えようとして、世の中がめちゃくちゃになってるだけです。

おわり


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