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四国一周RTA4日目 ~軽とズッ友1460km~


→セーブ地点から開始する

なんとか首の皮が繋がり、22~4時までしっかりとした睡眠をとることができた。
普通なら劣悪ともとれるほどの環境でも、慣れってのはおそろしいものです。
昔はちゃんとしたベット、清潔な空調、静かな環境音、豆電球すらNGな真っ暗でしか寝られない体質だった。
旅を重ねるうちに勝手に馴染んだ。

虫ぜったい入れないマン

どうせ自販機もないだろうからと温泉で買っておいた100円缶コーヒー、伏線になるとは思わなかった非常食芋けんぴで朝食を済ませる。
朝食ってったら朝食なの!
なにかお腹に入れるってのは大事、まあ芋けんぴじゃそんなに持たないだろうけど脳に「朝食をこの身体の主は食った」と思わせるだけでも幾分違う。

外で身体をストレッチさせていたら「おはようございます~」と声をかけていただいた。
どう見てもキャンプするべき場所で怪しさMAXの漏れに、気さくな挨拶をかけてくれてありがとうイッチ。
少し元気出ました。

さて、今日も一日…今日は一日走るぞい。
全く気が付いていなかったけど、実は次の目的地にかなり近い所まで来ていたみたい。
近場の小さなガソリンスタンドで満タンにしてもらってから出発する。
ここずっとセルフだったけど、窓吹いて、室内拭くタオル渡してくれて、元気な声で送り出してくれる昔ながらのガソスタはやっぱりイイなあ。

見えた見えた

「龍とそばかすの姫」の舞台となった「浅尾沈下橋」へと向かう。
すずが通学路として使っていた橋ですね、せっかく寄れる場所にあるなら寄っておこう。

えっ 狭くね…??

おっと…軽ですら結構怖いぞこれは…中型トラックくらいならギリギリ通れる広さかな。
少し躊躇っていると、ブゥゥンと大きい音を奏でながら車の周りを威嚇する虫が。
お、オオスズメバチさんオッスオッス!黒い車体がいきなり陣取ったから怒ってんだよね!ごめん今逝くから!
窓開けたらブスリだろうなこりゃ。

肝心の橋全体を撮らないという失態をかましてしまったけど、気になるならググってください、秒で出るんで。
町並みを少し見ようと思ったけど、看板をよく見ると「ここより先は生活路のため、立ち入りをご遠慮ください。」との記載が。
映画がヒットしたこともあって、まあ中にはそういう類の人もいたのかな…。
マナーは守って楽しみましょう。

Uターンするのも一苦労だ

こっからは愛媛…を目指すけど目指さないよ!逃すわけがない「四国カルスト」!
秋吉台カルストロードからはや…何年だっけ、まあいいか。
四国にもあることを知りながら、いつかいつかと伸ばしているうちに某コロスケによって行けなかった。
明日って今さッ!

似たような構図になっちゃうけど 走っている分には楽しい

ちょっとずつ、道路幅が狭くなっていくにつれて山奥へ向かっている実感がわいてくる。

今日もいいペンキ
日曜営業のみに変更され 今日は日曜 ツイてるぜ

道の駅?じゃない農産物直売所ししまるにて休憩を取る。
さっきまで余裕こいていたけどね、なんかね思ったより道狭くなってきているんだよね…。
なんでもいいから食べ物を挟んでおかないと危ないというカンが働いてストップ。

うまそうな匂いの正体はここか…

焼きもちをいただくことにする、一個で十分だな。
「とっても熱いから気を付けてな~」と渡され、ハムハム頬張るわけです。
…見かけによらず、いや見かけ通りか結構シブい味がする…。
程よい苦みが意識をシャキッとさせてくれた。

そして読みは当たっていた、意味わからんくらい狭い、道が。
大型セダンに車間は保ちつつくっつき、コバンザメの如く猛進していく。
こういう時強気に進んでくれる車が前にいると「あっwワイも失礼しますw」と譲り合いに巻き込まれることなく進むことができるワケですよ。
世の中立ち回り。
カブで来たかったくらい狭いな、いやカブだと坂登らなくてキツそうだな。

着いた…!はるばる来たかいのある眺めだ…

何事にも終わりはあるのです、そう意味わからんくらい細い道にも。
少し曇ってはいるけれど到着、いやあ涼しい…、涼しいだけでうれしい…。

キャンプもできるのか…最高だろうな…
ボタボタ垂れる前に頬張って飲み込む そういう食べ物です
濃霧があるならあるで 幻想的で良いんだ

この緑豊かな草原を楽しめるうってつけの時期に来れてよかったぜ。
多分秋頃にも絶景が広がっているんだろうな。
個人的には四国カルストの方が好きかもしれない、しれないが過ぎ行く雲を眺めている暇はないので濃霧の中へ突入することにする。

羨ましい…大型免許取ろうかな…

これさ、視界大丈夫なのか?いけるのか??
先が見えるのはここまで、その先はサイレントヒルもびっくりの霧が立ち込めている。

実際にはもっと手前からほぼなんも見えん

フォグライトなんていつ使うんだと思っていたが、なるほど今がその時だ…。
とりあえずヘッドライト、フォグライトをつけて存在をアピールしないと詰まる詰まる。
釧路や根室もまあえげつない霧に遭遇したことがあるけれど、ここはそれの比じゃない。

うしくん

車を停めて写真を撮ったり牛を眺めている方々がたくさんいる中を通り抜けていく。
goproで録画しているのもあって、わざわざ降りるのもなんか違う。
この非日常が車から降りたら終わりそうな気がして、駆け抜けた。

一人旅はこの自分に極限まで我儘になれるのがいい。
もちろん、誰かと一緒に行って「ここ降りようよ!」と言われたら全然降りるし、降りたら降りたで全然楽しめる。
ようは楽しみ方がまるで違うってことよ、この感覚分かってくれる人いると思う。

さようなら

うっとりしているうちに実は県境なんだなこれが。
このまま山を下って愛媛の宇和島を目指すことになる、今日はすでにビジホをとってあるので18時ごろには松山まで着かないといけない。
衣類も流石に替えが尽き、ポータブル電源もないので充電も厳しくなり、何より身体を一回リセットしないと持つ気がしない。

よくやった方だと自分を慰めながら全日車中泊は断念、これも経験。

セカンダリータービン止まっちまってんじゃねぇのか~!?

これだけ山をくぐると慣れてくる、大体どのあたりから勾配がキツくなるのかも、大体どこからカーブが連続するのかも。

今日の今日こそは次見えた道の駅で「ちゃんと」メシにありつくとしよう、三度目の正直。

ご立派ァ!

近くに見えた道の駅「日吉夢産地」で休憩を取る。
少し混んでいるなあ、ドアパンチ怖いから少し離れの隅に停めよう。

なんか青鳥で見た気がするな…

適当に何かしらをかじって誤魔化してフラフラになってたから、キチンと食事処でご飯を食べよう。
なあに、今日は夜あれこれこなす必要はないんだ。最悪ベッドにダイブして終了してもいいんだ。

「赤の他人丼」ダシがうまいのなんの

ドライブ続きの身体には少々重たいが、スタミナ回復にはこれくらい食べないと駄目だ。
ワイを無限の胃袋だと思って、アレコレとねじ込んでくる親戚の叔父叔母の気持ちが分かった気がした。

ちょうど正午過ぎ、宇和島市へ向かおう。

南国??

宇和島市に着くと、これまた以外な景色がお出迎えしてくれた。

どうやら「ワシントンヤシ通り」と言うらしい。
こういう景色って九州行かないとお目にかかれないと思っていたから、ちょっぴり得した気分。
愛媛側はフェリーでも繋がっているから、文化として流れ込んできてもおかしくはないか。

どちゃ混みしている道の駅へ寄る、多分だけど…「宇和島城」を見て次の街へ行く予感はするんだけど…なんかあるかな。

ちょっと景色が予想外すぎるな…
ギョコウ

う~ん、パッと調べてもパッと寄れるのは宇和島城くらいか。
「他から来た人って宇和島城見て終わりって言うけど実際それくらいしかないよなw」と地元のアンちゃんらしき声を聴いてしまった、そんな悲しいこと言うな!いや…きっとほら…あるさ!!地元に誇りを持つんだ!!

こっからフェリーで九州渡ろうとしてたワイ、本当にアホすぎて笑えてくる。

で、お目当てのココまでは約5分。
…城の姿が見えない、そして連なって見える大木、嫌な予感がする。

やはり…こうなるのか…

登るよな~ッ!うすうす分かってた!
こうなると思っていたさ!だがここで時間食うわけにはいかんのだ!
ヌォォォォォォ!!!

ゼーッ…ハーッ…

。。。
思ったより、こう、かわいいサイズの、城でした。
観光雑誌ってアテにならないんだよな、どこにしても。
しかし来たからには景色を一望しないとネ、城に登るメリットとして街全体を見渡せるところにもある。
旅の記録としては中々に優秀なのである。

かっちょいい
「城山郷土館」ゆかりのある偉人が大勢紹介されている。

一人ひとり紹介していると2万文字を超えそうなので割愛させてもらう。
文学者にも由縁のある土地らしいけれど、文章を読む時間はない。
自分が興味ありそうなところをカメラに収めていく、しばらく経って後からフムフムと読むのが好きだったりする。
あんまし「自分変だからさ~w」とは言いたくないけど、どう考えても常人の楽しみ方じゃない。
いや、いいんだ、人間みんなどこかしらおかしいものさ。

城往復で30分くらいかかった気がする、このままだと定刻通りには着かない。
♰…本当は使いたくなかったが、奥の手を使うとしようか…♰
ー奥義 高速道路ー

おっし到着ゥ!

便利だ…ノンストップかつ20分以上短縮できる…。
別にケチって高速道路を使っていない訳じゃない、下道をのんびり走りつつその市の規模感を見たり、思いがけないドラマとの遭遇が好きなワイにとって「全て省略」してしまうという大きなデメリットがある。

でもうん、こんだけずっと車乗ってると「もういいか」と…。
なんて旅だ 恥ずかしくねえのかッ

カフェ、雑貨、お土産等が点在している

「内子座」を見るため内子町へ向かったつもりだったのだけれど…。
これは見る前に町中散策だなぁ、いい写真がたくさん撮れそうだ。
新しいお店もちらほら入っている、少し姿形を変えてもこうして継承されてほしいな。

あ~いい劣化度合…この状態を保ってほしい…
オッ なんだぽまえ

散策中、えげつない大きさの大仏さまと遭遇。
ここまでリラックス決め込んでいる大仏さま、人生で初めて見た。
…なんかしっかりお祈りする感覚になれず、5円を投げ込み「んじゃ、よろしく」と後にする。

すっぺぇ けどめちゃくちゃうめぇ

愛媛に旅行に来た際にはぜひ寄ってほしい、松山からレンタカーで高速を走らせれば全然来られる距離にあります。

精神的にも元気になったところで、肝心の内子座を見に行くとしよう!

ゑ"?

とことんツイてなさすぎて笑えてくるぜ!
どうやら貸館でライブを行っているらしく、それもたまたま今日一日だけ。
一つ一つ念入りにスケジュール組めばいいだけの話なんだけど、それじゃつまらない。
これもまた思い出。

とりあえず雰囲気だけ拝んでおく

奥から歌声が響いてくる、今からお金払って聴けるなら聴いてもいいんだけど貸し切りみたいだ。
まあいいや、それ以外の収穫がたんまりあったので満足感は十分。
次へ行こう。

本日最後に向かうのは「下灘駅」
海の見える駅として有名なここは一応行っておこうと思っていた。
ただ連休中日ということもあり、どうぜごっちゃがえしているんだろうなと思いつつタスクをこなさなければ。
とりあえず向かおう、いい加減海沿いも走りたいし。

おぉ、松山に向かう道ということもあって景色は素晴らしい。
海岸沿いを走ると、少し音質がザラついているアニソンが聴きたくなるんだよなあ。
なんでだろ、子供のころ後部座席で聴いてたわけでもないんだけど。

心が洗われる…

絶景のコンディションが運よく揃ってくれて、今日を締めくくるには満足…。
あとは駅が見られたらいいんだけど、絶対どちゃごみだろうけどな…。

やっぱりな

クッソ狭い道に車がギュウギュウ、ホームにははちきれんばかりの人が押しかけていた。
よっし、漏れは降りない!
今日行くべきスポットを完走できただけでいいんだ、何もこれは仕事じゃない。
レポートする必要などないのだ。

もうホテルでグダグダしたいんだ あばよ

今日は18時ごろには着くと思っていたが渋滞に巻き込まれて、18時半になってしまった。
近場の駐車場を何も確認してなかったけどあるかな、あるだろ(適当)

ラッキーだったぜ。

600円でホテルの駐車場に停められるとは書いてあったけどそれがどこかわからず、周辺の細い路地をウロウロしていたら発見。
気が付けば、この駐車場のウラにホテルがあるらしい。
さて、何日ぶりの室内での休息だろうか…。

男気あふれるコインランドリーだな…
風呂がある!wi-fiがある!エアコンもベッドも!なんだこのリゾートホテル!

とりあえずシャワーを…と思ったら「シャンプー、シャンプー、コンディショナー」が置いてあった。
あれ…ボディーソープは??
エレベーター前にセルフでボトルを持っていくコーナーがあるのを思い出し、ボディーソープを入手。身の回りを整える。

そんなもう歩く元気もないけど、近場で何かお腹には入れておかないと。
オッ定食屋がある。

美味い…味噌汁じゃなくてソーメンなのが尚よい…。

豚焼肉定食を注文、揚げ物をガツガツ食べる気にはなれず、キャベツにマヨを塗りたくり、ビールで流し込むを繰り返す。
アルコールは大好きってわけじゃないが今回の旅で嗜めるのはこの日しかないからね。
ご飯大盛りでもよかったなと思いつつ、しっかりと栄養補給を済ませた。

最高の ボロボロぐつさ

夜道をふらふら歩きながら足に目をやると、左足の靴底が剝がれている。
かれこれ2年ほど、電車旅やバイク旅でも使った靴だった。
足首周りをしっかりカバーしてくれて、それでいて軽くて歩きやすかった。
モノを割り切って捨てるのが苦手なワイは、多分買い換えても暫く置いておくんだろうな。

いよいよ明日は5日目、非日常が日常へと変わる感覚ってのはこの辺から起き始める。
現実へ戻るときには潔く戻ろう、ただ、あともう少しだけ。

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