A級独身者の人生相談

 ふと気が向いて、Youtubeチャンネル「スピな暮らし」にある開運研究会に入って鑑定を受けてみた。

なんと、私は大きな使命と天命を持っている特殊な体質だそうだ。持てる才能を活かすことで運勢が上昇するらしい。

 まずは、恋をしていた頃を思い出して、現在でも恋があり得る状態まで持っていくことにする。30年以上も離れていたせいで、もはや取り戻せないことがたくさんあるが、手軽なところから始めてみよう。

朝は洗顔フォームを使って洗う。風呂に入ったらボディシャンプーを使う。頭髪はトニックシャンプーより高価なシャンプーで洗う。以前はそこまでやるだけで精一杯。現在はもう少しできることが増えている。

洗顔も泡洗顔というのを使い、できれば白髪を染めるトリートメントも使ってみる。BBクリームってのを使って肌の色を整える。首の周りもなめらかにして、メンズ用のマニキュアをする。

歯をきれいに、といきたいところだがすでに上下とも半分以上は入れ歯になってしまった。白い歯で笑顔を見せるのはもう無理だ。入れ歯をした状態でなんとか話はできるように練習を続ける。

 フェイスブックの友達リクエストなんていらない

ずいぶん長い間、家族以外の人と会話をしていないので、友達リクエストが来た相手に返信してみた。プロフィールの写真がタレント並みの美人。そんな人が友達申請をしてくるわけがない。本人の写真ではないと思いつつ、あいさつをして会話する。

ひとりめ、職業はモデルと言っている。送られてくる写真は、雑誌に載っていたかのような写真。個人が日常を撮ったスナップ写真とは全然違う。それでも、食べた料理の写真を送ったりして友達同士のようなメッセージのやりとりを楽しんだ。

半月ほど経過したとき、父親にプレゼントするものについて相談された。ブランド物の財布の話が出てきて、思いつく限りのアドバイスをした。すると、私にもプレゼントしてくれるという。お店に行って、買った証拠の画像を送ってきたが、怪しいと気づく。

数万円する値段の財布をいきなりプレゼントするのが趣味という人はまず存在しない。いちおううれしい気持ちを伝えたけれど、信用していない。すると次のメッセージでは、着払いにするので現金を用意しておいて欲しいと指示があった。気持ちはありがたいが、送るのはやめてくれと断った。

数日後、代引きで宅配荷物が届いたが、伝票を見たら国内から発送されていた。注文していないからと、受取りを拒否した。メッセージのやりとりは
荒れまくったが、偽ブランド品財布にお金を払うことは回避できた。

その次にメッセージのやりとりを始めた相手は、病院勤務の看護師だと言う。この女性とは、2週間ほど経過した頃に誕生日の話があって、10000円のギフトカードを買って欲しいと要求してきた。これも詐欺に間違いない。でも、買うのも経験と3000円のアマゾンギフトカードをコンビニエンスストアで買ってきた。指示どおりカードの画像とレシートの画像をメッセージに添えて送った。金額が違う!と怒られたが、メッセージをブロックして削除した。数か月経ってもギフトカードが使われた形跡はなかったため、本を買って残高を使いきった。

フェイスブックが日本に上陸した直後の数年間だったら、善意の友達ができていたかもしれない。いつからか、人を騙すのが目的になっているリクエストだけしかない。でも、ふたりで松阪牛ステーキを食べに行くとか、相手が日本の空港に来たときにどんなリアクションをするか?なんて想像するのは楽しかった。どの町が住みやすいかを尋ねられたら、本心ではないとわかりきっていてもアパートを探してみようとした。今まで考えたこともなかった
場面を想像することができただけの意味はあったかもしれない。

 ユーチューブへの依存から抜け出す

最近、いろんなチャンネルを見るようになって毎日 1時間費やしている。こんな状態はよくあることとは言え、少しの間離れてみる必要があるかもしれない。そこでいくつかの登録チャンネルを解除してみた。

現在、毎朝 5時ごろに目がさめるので読書することにしている。相も変わらずスピリチュアル関係の本を読んでいるのだが、何度も読み終えた「チャクラの神髄」を読み直したり。以前から気になっていた「目覚めよ、松果体」を手に入れて、同じ著者が書いた前作「宇宙を味方にする ゆるゆるの法則」を読み、その中に出てくる【選択と共振の法則】を知るために別の著者による「こうすれば、夢はあっさりかないます!」を読むという流れに沿って勉強をすすめている。

もう30年ほど前、箱に入れて戸棚にしまった水晶玉を箱から出して、精神集中に使い始めた。二年前に買った 528Hzの音叉もよく使う。一時期離れていたオカルト関係趣味が復活している。占い師をめざすつもりはないけれど、いろんな道具類はすでにかなり揃っている。それなのに、仕事にしようとはしてこなかった。

 たったひとつ、願望を実現させるため

願望を実現させる方法が、ずっと流行し続けている。寿命が尽きる前に、どうしても実現させたいことは何か?すでに諦めかけているとは言え、やっぱり男女交際をしてみたい。年齢が上がるほど可能性は低くなる一方だが、このままおとなしく人生を終わりたくない。

今まさに恋人とつきあっている!と思い込んで、すでにそばにいるつもりで想像する。どんなふうに出会ったかとか、どんなことが起こってきたのか?いっさいを飛ばして、自分の家に当たり前のようにいる。と想定し、そこから細かいことを考えてみる。

どんな服を着ているだろう?身のこなしは素早い方か、話し方はゆっくりしているのか?想像の世界だ。自分の希望する条件は遠慮することなく組み込んでおく。顔が美人で体形も良いにこしたことはないが、実際に現れる人とはかけ離れているだろう。どこかワンポイントだけでも願う条件にかなう所があれば充分だ。

買い物に行く。彼女といる。自分のものを買う。彼女も買う。買ってあげたり、買ってもらったり。遊びに行くとき、自分には楽しいところと彼女が楽しいと思うことが違っていたりする。夜になり、楽しかったと感謝して家に帰る。二人で寝るときもあれば、別々のときもある。

実際にデートするときにあわてないように、思いつくかぎりいろいろなパターンでシュミレーションをしてみる。未だに空想上の出来事でしかない性交渉。恋人なんだから、いずれそのときが来る?はず。これまでは使う見込みがなかったコンドームも一度買っておこう。

 彼女が自分を見る用意はしてあるか?

自分は顔も服も相手に見られるのだから、鏡を恐れずにのぞいて見た目に問題はないかチェックする。鼻毛カッターのひとつも持ってないと。髪の毛はグレーヘアーだが、もう少し黒くした方がいいか。肌も全体的に明るめの色にして、カサカサではない表面を保つ。
入れ歯も長く使っているので、今より白い歯で作り直そう。ヘアシャンプーは、スマホの広告で見かけるモテシャンプーを一度ずつ試していく。モテ香水は?それは相手がみつかるかもしれない予定ができてからでいい。

ふたりで出かける、デートになったらあわてずに落ち着いて対処できるか?
相手に合わせて行動を選べれば万全だが、うまくできるようになるまで場数を踏まねば。そこに対するスピリチュアル的な練習法があるようだ。一人で出かけながら、自分をもてなしてみるというものだ。自分が喜ぶことをしてあげるのがポイントである。いろんなお店に入って、何をすればうれしいと思うのか?食事のためにレストランへ入ったとき、どう注文してなんの話題について会話するのか。空想でしかないが、いざ実際にそのときが来ても一度も考えたことがないよりは気持ちに余裕が持てると思う。

 それでは、この文章のタイトルに戻ってまとめる。

 A級独身者の自分(永久独身者?)の悩み、恋人ができたことがない。に対する答えを自分で思いつく範囲で考えてみた。すでに結婚しない(できない?)人は以前に比べて珍しくなくなっている。少子化問題の解決なんかには全然参考にならないが、このちょっとした思いつきから何か新しい発想が生まれてくることを期待したい。



 

 

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