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禁断の愛の行方4

デートの誘い

カフェでの楽しい時間が過ぎ、そろそろ帰ろうとしたとき、裕一は思い切って杏香に尋ねた。

「樋口さん、もしよければ、今度の休日に一緒に出かけませんか?」

杏香は少し驚いた様子だったが、すぐに微笑みを浮かべた。

「いいですね。どこに行きましょうか?」

「どうでしょう、春の花が綺麗な公園にでも行ってみませんか?ちょうど桜が見頃だと思います。」

裕一の提案に、杏香は喜んで同意した。

「素敵ですね。楽しみにしています。」

二人は連絡先を交換し、次のデートの約束をした。裕一の胸は期待と興奮でいっぱいだった。杏香との時間が、彼の心をどれほど癒してくれるかを感じていた。

約束の日、裕一は早めに家を出て、公園に向かった。桜の花が満開で、暖かな春の陽射しが公園全体を包み込んでいた。裕一はベンチに座り、杏香が来るのを待った。

しばらくすると、杏香がやってきた。彼女は薄いピンク色のワンピースを着ており、まるで桜の花のように美しかった。

「お待たせしました、田嶋さん。」

「いいえ、ちょうど今来たところです。」

裕一は少し緊張しながらも、彼女の美しさに心を奪われた。二人は公園を歩きながら、桜の花びらが舞う中で楽しい時間を過ごした。

「ここ、本当に綺麗ですね。」

杏香は桜の花びらを見上げながら、感嘆の声を上げた。

「ええ、僕もここが好きなんです。静かで落ち着く場所なんですよ。」

裕一はそう言いながら、彼女の隣で歩いた。二人の間に流れる空気は穏やかで、自然と笑顔がこぼれた。

「田嶋さん、実は私、こうやって誰かと公園を歩くのは初めてなんです。」

杏香の言葉に、裕一は驚いた。

「本当ですか?それは光栄ですね。」

「ええ、普段は仕事が忙しくて、なかなかこういう時間が取れないんです。」

裕一は彼女の忙しさを理解しながらも、自分との時間を楽しんでくれていることに喜びを感じた。

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