軌道周期

中学3年生の冬に初めて自分で買ったアルバムが
BUMP OF CHICKENの”orbital period"だった。

ファーストコンタクトは中学校の体育大会の応援歌に
天体観測が選ばれたことだった。
歌詞は体育大会仕様になっていたのだけどメロディーに心惹かれたことを
覚えている。
それよりも前にBUMP OF CHICKENと出会っていた友人がそんな私を見逃さず、友人のしっかりとした布教により見事に深い沼にハマったのだった。

バスで通学していて自転車通勤に憧れを抱いていたから、
「車輪の唄」を聴いては映画みたいな青春に思いを馳せてみたり、
友達に借りた「涙のふるさと」の歌詞カード をおじいちゃんが間違えて捨ててしまって泣いた夜とか、そういう今思い出すと胸がギュッとなる記憶にいつもBUMP OF CHICKENがいる。

そうしてシングルやアルバムを友人から借りてCDを焼き、
調子が悪く音が飛びかけるCDプレイヤーで聴きまくっていた。
今はサブスクで好きな音楽を好きなだけ聴くことができるから、
CDコンポで聴く不自由さが懐かしい。
好みっぽい曲が流れるわけでもなく、さまざまなアーティストの曲が
いい感じプレイリストで構成されるわけでもなく、
収録されている曲を順番に、または一曲前に戻るボタンを何度も押して
1枚の中に収録されている曲を流す時間。
部屋の中に響く曲たちが特に何もない日々が続く私の学生時代に寄り添ってくれた。

そんなこんなでしっかりとはまり、その冬に発売されたアルバム
”orbital period"を購入するに至った。
クリスマスプレゼントにCDが欲しいとねだり、
お小遣い制ではなかった私にとっては大金の5000円札を財布に大切にしまい
駅の中にあるCDショップで購入した大切な思い出である。

しんどいなという時に聴く、安心するアルバム。

今年はBUMP OF CHICKENの28周年。
”orbital period"
軌道周期の中に居ることができて嬉しい。

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