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大切なことだとしみじみ思った~言い方伝え方~

私は現在、飲食店のホールアルバイターである。
職場には、少々口調が強いおば様がいる。
サバサバ系というか、正論をドストレートにぶちかますタイプ。
でも、機嫌がいいときや、仕事上の注意以外は、おもしろくしっかりしたベテランおば様なのだ。

数日前の出来事。
デザートのオーダーと、予約の電話が同時に来た。
私のお店では、デザートはホールが作ることになっているので、どっちを優先すべきか迷ってしまった。
運よく作るのに時間がかからないオーダーだったのもあり、ホールの状況を見て、電話をとれる人がいなさそうだなと判断し、私は受話器を取った。
そうして無事予約の電話を終えて戻ってくると、例のおば様が代わりにデザートを作ってくれていた。
「すみません。ありがとうございます。」
とお礼を言った後、おば様の説教マシンガンがさく裂したのだ。

「デザート入ってるんだったら作らないと。お客さん待たしちゃうでしょ。ホールに従業員何人かいるんだから、電話とってくださいってお願いしないと。優先順位考えて。」

もうショックだった。私なりに考えて行動したものが頭ごなしに否定されてしまい、心が傷ついた感覚を覚えた。
その後私は休憩に入り、泣きそうなまま、お弁当を頬張った。
心の中では怒り狂い、おば様に罵詈雑言を大量に浴びせていた。
(言い方がきつすぎなんだよ。自分がやらかした時には責められるの嫌とか言ってたくせに。自分じゃなければ言いたい放題していいと思ってるんですか?自分が一番正しいって思ってるじゃん。あーあやる気なくした。あいつにはがっかりしたわ。)

しかしだんだん冷静になり、落ち着いて考えてみると、おば様が言っていたことはド正論だったことに気づいた。
確かに店内のお客さんを待たせるのはよくないことだし、私は無意識に全部の仕事を一人で解決しようとする癖があるから、従業員いるときは頼ることも大事だっていろんな人から言われている。
(にしても言い方ってもんがあるじゃん。)

今回のことだけでなく、おば様には入社した時からキツい言い方で指導されてきた。
「私のやってることは気にしないで」
って言ってるくせに、私の行動が気になったらすぐいちゃもんをつけてくる。そのたびに、心がモヤッとしたりイライラしてきた。
でもそんなおば様でも、お店にはなくてはならない大切な戦力であり人材なのだ。私も何度も助けられてきた。決してその人全部が嫌いなわけではないのだ。

つまり何が言いたいのかというと
・言い方伝え方でだいぶ変わる
・言葉はナイフにもなる
ということ。
たとえ正論でも、相手をねじ伏せ自分の正しさを説く言い方だったら聞く気にもならないし、聞いてもすごく傷つく。
伝える前に、少し頭の中で(相手のことを傷つけはしないか)と考えてみることをオススメしたい。
それだけで嫌な思いをする人は格段に減ると私は思う。

それと、とある漫画のセリフで、
「大人ってかわいそう。だって自分のことを叱ってくれる人がいないんだもの」という風なものがあった。
本当にその通りだと思う。
年を取っていくにつれて、自分が叱る側になり、叱られるということが圧倒的に少なくなるから。例え自分が間違えても、その過ちを気づかせてくれる人がいないというのは、実にもったいないというかこれ以上成長することができないんだなと思うと、かわいそうだなと思う。
おば様のように、叱られないから、自分が正しいと思い込んでしまって、知らない間に人を傷つける大人にはなりたくないなあと思った。
叱られなくても自分の過ちを知るにはどうすればいいのだろうか。
その方法を知るまでは、私もまだ叱られ続ける。


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