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『ディズニーから学ぶホスピタリティ-9割がバイトでも最高の感動が生まれるディズニーのホスピタリティ-』


著者:福島 文二郎 
出版社:中経出版
発売日 :2011/11/18

1.どんな本?
東京ディズニーリゾートでは、約2万人のスタッフのうち、9割に当たる約1万8,000人のスタッフがアルバイトですが、3月11日にあった東日本大震災での対応が各メディアでも取り上げられたように、スタッフのクオリティ、人材力には非常に高い評価がされました。ですが、その対応は偶然の産物ではなく「ホスピタリティ」であって、ディズニーの人材力の源泉となるホスピタリティについて、著者が予想外の感動を生み出した体験談など、エピソードを交えながらわかりやすく解説しています。

2.印象に残っているところ
「便器に名前をつけて清掃するNight Custodial Cast」
 
「Night Custodial Castとは・・・閉園後の東京ディズニーランドや東京ディズニーシー、その他周辺施設を清掃するお仕事で、大人気のアトラクションやレストラン、キャストが使用するエリアなど活動場所は多岐に渡る」
 
ディズニーのトイレ清掃のマニュアルでは、手鏡を持って便器の縁の裏側までしっかり洗うなどのルールが細かく定められていますが、Night Custodial Castたちは、トイレの便器一つ一つに、例えば「ナンシー」や「キャシー」といった人の名前をつけて清掃しています。そこまで名前をつけてまで愛情を持って一生懸命清掃に取り組んでいる姿勢がすごいなと感じましたし、一つ一つに名前をつけているところが面白いなと思いました。
 
3.本を読んでみて
ホスピタリティは「おもてなしの精神」「相手を思いやる心」などと言われていますが、この著書でホスピタリティについて深く知ることができました。ディズニーのホスピタリティの素晴らしさ、その元となる社員教育の素晴らしさが伝わってくるとてもいい本だなと思いました。特に3.11のときのエピソードは、そのホスピタリティの素晴らしさに感動しました。

 3.11のときのエピソード
あるショップのキャストが機転を利かせて商品を包む大きめのビニールの包材を切ってレインコートを作り、「もしよかったらこれを着てください」と言ってゲストに差し出す、あるキャストが自発的に、商品のぬいぐるみを防災頭巾がわりに「ミッキーが守ってくれるからね」と言ってゲストに一人一人語りかけながら手渡したといったエピソードが印象に残っています。

この本は、ディズニーでの出来事を題材にしながら内容が展開されているのでわかりやすく、ディズニーの内部的なことも知れるため、楽しく読み進めることができると思います。是非手に取って読んでみてください。


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