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令和6年度 京都工芸繊維大学 編入体験記

こんにちは。この度令和6年度の京都工芸繊維大学 設計工学域 電子システム工学課程の一般編入試験に合格したので勉強で使用した参考書や勉強方法などを書いていこうと思います。

ほかの体験記と比較しても、あまり特筆した情報はないような気がするので特に有料部分は設けないでおこうと思います。

自己紹介

長野高専 電気電子工学科
<成績>
1年 3位 2年 5位 3年 2位 4年 1位
TOEICスコア  3年3月 695点  4年5月 805点
趣味 ゲーム、スキー
X:@kosensei1123

受験大学

第一志望 東京工業大学 合格
第二志望 名古屋大学 不合格
第三志望 京都工芸繊維大学 合格
東京工業大学と名古屋大学の編入体験記はこちらの記事を参照してください。

勉強期間

勉強期間は2週間でした。一般的な受験と比較するとかなり短く感じるかもしれませんが,第一志望の大学の勉強があったので何も対策しなくてもかなりの範囲をカバーできていました。実際にやった勉強は

  • 電気回路

  • 波動振動論

  • 過去問演習

この3つのみになります。

志望した理由

滑り止めとして受けたので以下の点を重視した結果、受験することにしました。

  • 試験範囲が東工大とかなり似ている

  • 確約書の期限が東工大の合格発表日よりも後

  • 受験日が東工大の受験日と離れた日時になっている(できれば1か月以上)

  • 近畿地方から東側のエリア

  • 面接がない

  • そこまでレベルが高くない

  • 東大の入試日と近ければ◎

私は面接がかなり苦手なので、志望理由や大学に入った後の将来像などを考えなくてよくてとても気が楽でした。

面接については得意不得意あると思うので、コミュニケーション能力にたけていて面接が大得意だよって方は面接がある大学を受けて点数を稼ぐのも戦略ですね。

ちなみに東大の入試と近いと東大受験の人たちが受けに来ないので、必然的に穴場な大学になりやすいです。

ラッキーなことに令和6年度入試では東京大学と京都工芸繊維大学の受験日がかぶっていて、物理的に受験するのが不可能でした。

受験会場にもそこまで人がおらず、倍率も3倍程度で安心しました。

使用した参考書

数学と物理(力学、電磁気学、熱力学)とTOEICの勉強法については東京工業大学の編入体験記にがっつりのせてあるので良ければそちらの方も参考にしてください。

電気回路

私は腐っても電気電子工学科なので電気回路に関してはある程度自信がありました。

なにも勉強しなくてもある程度できるんじゃないかなと思って過去問に取り組んだらあら不思議、過渡現象は結構できるけど、それ以外のテブナンの定理やら共振やらがボロボロじゃありませんか。

はい。

ということで1週間たったあたりからかなり急いで電気回路の勉強に取り掛かりました。

電気回路の勉強はこの参考書を使いました。

この参考書は私の高専の電気回路の授業で使用していたもので、個人的に結構気に入っていました。

この参考書があれば忘れていた定理の使い方と、定理の考え方やちょっとした問題演習ができ、過去問に最低限対抗できるようになるためにも最適だと思ったのでこの参考書にしようと決めました。

ちなみにノートⅠは高専1年で扱うようなキルヒホッフの法則とかなので使ってないです。

この参考書の特徴は定理の説明を穴埋めを使って考えていくところです。考え方のベースになる部分は与えられて、そこからなぜその定理が成り立つのかを穴埋めを使って理解していきます。感覚としては問題演習をしながら定理の理解までついでにできちゃうみたいな感じです。

新しい定理とか考え方とかを提示されるとなんでそうなるのかを理解しないと気持ち悪い私にとっては、かなり良い参考書だったかなと思います。

一応、演習問題もそれなりについており、結構難易度が高い問題もあります。

波動振動論

波動振動論はこの2つの参考書を使いました。東工大でも波動は出題されるのですがほとんどが高校範囲だったので、大学範囲を出題してくる京都繊維の問題には対応できずやることにしました。

マセマは本文中での独特な口調だけ飲み込めば結構わかりやすい参考書です。線形代数の範囲でも使いましたが、かなり良かったので波動振動論でもこの本を使いました。

過去問と見比べてどの範囲を勉強するかを見極める必要があると思います。

過去問演習について

過去問はとりあえず10年分やりました。まわりに受ける人がいなかったので過去問の回答共有ができなかったのと、先輩から解答をもらうこともできなかったので、答え合わせはできませんでした。

電気回路だけわからない問題がちょくちょくあったので、正直回答共有できる人が欲しかったです…

受験当日

受験当日は朝にバスに乗って大学まで行き、試験を受けました。あまり朝が得意ではないので、寝坊して試験に間に合わないことがないようにかなり余裕をもって起床して、試験会場に到着したのも学科の中では2番目でした。

試験会場は受験する学科によって異なり、試験会場にスムーズにたどり着けるように前日に下見をしておきました。受験者数は11人で例年通りかなといった印象でした。

数学

京都繊維の試験は数学の配点が200点と高いので、初めの数学で調子をつけて、その後の科目もクリアしていきたいなという意気込みで取り組みました。

周りの人を見た感じそこまでレベルが高そうではなかったのでそこまで緊張はしなかったです。なぜかよくわかりませんが、私は受験当日になってしまうと受験を楽しもうモードになってしまい、いつもよりハイになってしまいます。これがよいか悪いのかがわかりませんが、緊張して頭が真っ白になるよりかはだいぶマシですね。

一応、初の大学編入試験でもあったのでどんな感じで進むのかがわからず少し困惑した記憶があります。

数学の問題自体は例年よりも若干難化しているかなといった印象でした。回答方式は白い紙に自由に答えや途中式を書くタイプでした。大問が4つあり、それぞれの大問に解答用紙1枚が割り当てられます。計算用紙も別途用意されています。

私だけなのかもしれませんが、解答用紙の紙の質が良く(カレンダーみたいな感じ)消しゴムで文字が消しにくくて結構イライラしました。

ここで痛恨のミスをします。(私だけだと思いますが…)

私は普段勉強する際に計算ミスを減らす目的で数字や文字を大きく書く癖があります。また、なるべく部分点をもらおうとして途中式をかなり丁寧に書きました。そのせいで解答用紙に自分の答えが収まりきらず、結果として大問1つを落としました。ちなみにその問題を帰りの新幹線の中で解いたら全然やり方が違ったのでどちらにしても無理だったと思います。

微分方程式の(2)番を落としたのですが、(3)番は時間がなさ過ぎて本来使う予定ではなかった微分演算子法を使って解きました。この方が早く解けるのですが試験で使ってよいのかはわかりません。

落としたところの答えが気になりすぎて休憩時間にWolframAlphaを使って解答を見てみたところ全然違ったので、あーこれはやったなと思いました。皆さんはこんなことをせずに、ある程度失点してしまっても切り替えて物理の勉強に移行してください。

こんな感じですかね大問1つ落としたといっても考え方とかは書いてありますし、部分点はもらえていると思うので160/200ぐらいが予想です。

出鼻をくじかれちょっと落ち込みました。ただまあ、問題の難易度的にみんな取れてないだろと勝手な思い込みをして切り替えました。

切り替え大事!!

物理

物理は私の得意科目なので自信がありました(数学も自信があったのですが…)。問題自体は例年と同じぐらいか若干簡単になったかなといった印象です。

ケアレスミスとかがなければ完答できていると思います。

波動が若干難しかったですが、マセマで勉強したところをしっかりと生かせたので問題なく回答できました。

専門基礎

専門基礎といっても過去問見た感じだとほぼ電気回路しか出ないので電気回路の試験です。

どうやら令和7年度試験から試験科目が変更されて専門基礎のところに力学と電磁気学が入って、熱力学と波動は出なくなるのかな…?って感じです。詳しくは募集要項を確認してみてください。

一番自信がない科目だったので結構ドキドキしましたが、ラッキーなことに
例年よりも簡単になってました。なぜかわかりませんが連立方程式の答えが対称性を持っていないという事件が起こりましたが、試験終了直前に何とか完答することができました。

過渡現象は得意なので問題なく完答できました。

試験後

試験が終了すると試験監督から退場の合図があるのでそこで解散になります。ちょっと誰かと話してみたかったですが、コミュ障なので無理でした。

あいにくの雨でバス停で待っていたら僕と同じ学科を受験していた海外ニキが何とも言えない顔で帰っていたのが印象に残っています。

試験が終わったということでテンションが上がり、コンビニにたまたま売っていた北極ラーメンを購入して食べたら辛すぎて舌の感覚なくなるかと思いました。

最後に

ここが一番知っておいてほしいことです。

旧帝大や東京工業大学などのいわゆる難関大学を志望している高専生は筑波大学、電気通信大学、東京農工大学、東京都立大学などのいわゆる中堅大学を併願として受けに来ます。なので必然的に中堅大学を第一志望としている高専生がつぶされてしまうということが起こります。

令和6年度の筑波大学入試では倍率が20倍を超えるところもあり、東大合格レベルでないと受からないということがありました。そのため、筑波大学を第一志望としていたほとんどの学生が不合格になり、第2志望以下の大学に進学していました。

実際、京都繊維の電子システム工学課程に受かった学生は旧帝大以上のレベルを第一志望とする学生でした。しかしながら京都工芸繊維大学の入試は欠員補充という制度があり、合格者の中から入学手続きを辞退する学生がいる場合に合格者を追加することがあります。

令和6年度の電子システム工学課程の合格者は、私含め全員が入学手続きを辞退したため、追加で3名が合格しています。

この3名が入学手続きをしたかどうかはわかりませんが、どちらにしろ難関大学を志望している学生につぶされる確率がほかの大学よりも少ないことを意味します。(欠員補充がない大学も普通にあるので…)

年度によって変わる可能性があるので募集要項を必ず確認するようにしてください。

まあ要するに、京都工芸繊維大学を第一志望にしている一般の学生もあきらめずに頑張ればワンチャンあるってことです。


というわけで、2週間しか勉強していませんが、勉強内容や使った参考書などをある程度細かく書いていきました。

質問等あればX(twitter)やコメントでお待ちしています。


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