見出し画像

「数学入門」中学から大学教養までを学ぶ

末席ながら、何年か塾や予備校で苦手な生徒に数学教育をした一人として紹介したい本があります(相手が理解できたかという点は教育を担うものとしては大切な点だと私は思います。テストは自己考課です)。
「数学入門」小島寛之
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480066664/

「この本の内容
数学はむずかしい。中学で最初に習う内容まではついていけたけれど、その先となるとチンプンカンプンだ…。でも、そんなことはありません。「ピタゴラスの定理」や「1次関数」「連立方程式」「面積の計算」など基礎の基礎から始まり、「ベクトル」や「微積分」をへて、「集合」「位相空間」といった現代数学の入り口まで、一気に突き進む道筋があるのです!そんなスピード感あふれる学び方を、斬新な切り口と明快な組み立てで説く、ホンモノを知りたい人のための本格派入門書。
この本の目次
第1章 ピタゴラスの定理からはじまる冒険
第2章 関数からはじまる冒険
第3章 無限小世界の冒険
第4章 連立方程式をめぐる冒険
第5章 面積をめぐる冒険
第6章 集合をめぐる冒険」
中学数学復習については、下記サイトなどもあります。東大合格体験記などでも夏休みに復習したら、偏差値が65から70になったなどの記載があります。
https://math.005net.com/

著者は一流の研究者の一人だと私も思います。聡明な余り
不足する部分を、対象の一人である薄学な私が補いながら解説したいと思います。
「スピード感溢れる」理解をすぐできる本ではないが、ノートや白板にマーカーで写しながら考えて読めば大学数学に到達できる「宝探しの地図」である。
 数学を学ぶ方には必見の「ビューティフルマインド」等の映画にそうした学びが出て来ます。あれば映画の演出でなく、数学の学び方であり表現法です。
文や数式、図式を読むだけでなく、「理解」しないといけません。多少、泥縄ですが、私からの助言です。
この本は著者の教育する(うちからは近い)私大の入学前補講にあたるものだと思いますが、この辺りの学習者側の不足が知られた数学者、研究所者が出てない要因かもしれません。理解していれば日本の数学研究の秘密の扉を明けられると思います。
簡単に云えば、解らないなら理解している先生の頭を借りればよいわけです。そして、そのものになる、これが自分と生徒に説いてきたことです。すぐはなれないが、理解しながら追い、脳細胞に刻まれてくれば次第に開眼します。

ところで、この書には複素数とオイラーの公式がありません。それについては巻末と著者自身のブログに説明があります。
https://hiroyukikojima.hatenablog.com/entry/20120705/1341510298

「今回、自分の『数学入門』ちくま新書で、複素数とオイラーの公式を排除したのは、確信犯的な所業なのである。(実際、あとがきにそう書いた)。小飼さんを代表として、「オイラーの公式」、すなわち、ネピア定数eの指数を虚数単位×円周率(iπ)としたものの値が(−1)になる(e^(iπ)=-1)、という公式の熱狂的なファンが多いことはよく知っている。ぼくも、青年の頃はその例外ではなかった。でも、今のぼくは、ぜんぜんそうではない。オイラーの公式は、「複素数の積が、回転+拡大である」ことを形式的に表現したものにすぎない、と感じている。つまり、形式的表現の勝利なのであって、数学的に深淵な概念を表現したものではない、そう決めつけているである。」
これもまた、できれはまた対象の読者のために説明しないと、と思います。
 付け加えるとこの点は名著「オイラーの贈り物」を読まれることをおすすめします。この本を理解した人なら同じように学べば理解できるのは間違いありません。
https://books.tokaiedu.co.jp/book/b582307.html
中高生向けの副読本です。

下記のような解説サイトもありますが・・。
https://rikeilabo.com/eulers-formula

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?