らぷりえーるさんがらぷりえーるさんのライブを見るSS


22日目
おはようございます。
皆さんこの企画を毎日楽しみにしてるでしょうから、朝に見てる前提の挨拶です。
朝だよね、朝、おはようおはよう! じゃあ、そんな早起きなみんなに朝から胃もたれしそうなSSをお送りするよ!

まだらぷりに沼ってない人は沼ってから見に来てね〜

「新メンバーさん!?らぷりえーる!」

今日は存在しないLa prièreのクリスマスライブです。
楽屋で準備をしているLa prièreの私たちは、 いつもの通り仲良くお話していいました。

「は〜お腹すいたね、クリスマスだし、ニワトリさん食べよ?楽屋弁当なにかなぁ?」
「なくちゃはやっぱり食べ物だね〜、
それはそうと、みんなクリスマスプレゼント何が欲しい?」
「私はモルカーに乗りたいなぁ」
たむ?
「私はすだち蕎麦の年パス」
年パス…?
謎な答えを出していた2人は顔を見合わせて同時に質問をします。
「ところでなゆたさんは?」
「うーん、私はLa prièreのライブチケットかなぁ〜見る側にもなってみたいって、あと時間」
時間はいつもnayutaさんないからね…
「神様たむ様仏様……どうかLa prièreさんのライブを観客席から見させてください…」
「なくちゃ、クリスマスなんだからお願いするのはサンタさんでしょう?」
「でも神様もサンタさんとかそう言うの何も信じてないんだよね…結局信じられるのは実体のあるものだけなのだよ…」
「ならたむを信じるたむ!
たむたむたむたむーん!La prièreのライブがみたいたむ〜!」

突如として謎の詠唱を始める棗いつき。
天井から溢れ出す青白い光。
一瞬の瞬きの合間に、意識は遠ざかる………………
「あれ?ここは観客席!?」
三人が目を覚ますとそこはライブの観客席 。
「なんか願ったららぷりえーるさんのライブの観客席に来ちゃったたむ!」
無計画に願っては何故か叶えちゃう不思議な生命体のたむ。

「たむすごーい!でも、私たちがいないなら誰がライブをするの?」
あっ確かに、そういやそうかもね。
「あっ!お願いそこまで考えてなかった! ライブできないじゃん!詰んでるやんけ〜!」
えぇ……
「むしろこのままでもいいかもね」
なくちゃ!?

あーあ、もうこうなるとダメです。もうどうにもなれって感じです。
やってらんねーです。
こうなってしまった今、
私の中ではこれしか答えはありませんでした。

「みんな〜こんぷりえーる! らぷりえーるだよ〜」
突如としてステージに現れるLa prièreさん(概念)

どうですか!どやぁ

「えっ、だれこれ」
呼び出しといて冷たいたむ。

「らぷりえーるさん?1人なのに?」
3人の魂が混ざってるから3人でもあるよ。
ひどいよなくちゃ。

「La prièreさんのライブを見れるのは嬉しいけど、私たちのファンって『私たち』3人を求めてたんじゃないかな」
元も子もないじゃない事言わないでnayutaさん。

でもでも、観客のみんなは何故かソワソワしてますね。
そんなに私は輝いて見えるのでしょうか。
まぁ魂は3人分ですからね、さいきょーです。
「誰あいつ」
……違ったみたいです。

それはそうとライブは幕を開けてしまったのですから進んでゆきます。
死ぬ気で魔剣のコーラスや、 刺したり刺されたりを1人でするなど重労働
らぷりメンバーで常日頃から分身してるのはnayutaさんだけなので、
私は分身の方は得意ではないようです。
というかアルビレオってなんなんですか?
息継ぎのタイミング無いじゃないですか…

バテバテになりつつも、MCの合間に観客席のらぷり(本物)に目を向けました。
「なん……だと、まさかほんとにライブ出来るなんて……」
……え?呼んだの貴女ですよね? たむ

「ふーん、私もういらないじゃん。がんばってね」
いや貴女必要でしょ、らぷりのせくしー担当でしょ、何言ってるんですか?

「がんばれ〜!らぷりえーるさーんがんばって〜!」
あっnayutaさん優しい…すき

ファンの皆さんも最初こそは「誰あいつ」とは言ってたものの、
振られるペンラに、
血みどろの來人具惨 吹き荒れる歓声
なんだかんだでアンコール
ライブは想像以上の盛り上がりを見せて幕を閉じました。

「どうでしたか?らぷり(本人)さんたち!」
私はライブの感想を、らぷりえーるの皆さんに聞き出しました。
「電車乗り間違えて終わっちゃいそうな時は任せてみようかな」
うれしいけど電車はまちがえないで?
「三人分だから3倍ごはん食べられるの?」
え?なにその質問、食べられませんが?
「とっても素敵なライブだったよ、私たちの夢を叶えてくれてありがとう!」
…やっぱりnayutaさん聖人…?

でも、わたしはらぷりえーるさん。
三人の概念の集合体であるという事は、自分の感情は、彼女ら三人を元に構成されます。
そう、とても私は楽しかったのです。

『本来なら三人が得られた楽しみ』を味わってしまっていたのです。
それに気がついた私は、申し訳なさが込み上げてきました。

「あの、もしかしなくてもLIVE、自分たちでやりたかったですよね?」

そういうや否や、顔を見合わせる三人
彼女たちは、すぐに頷きました。

「そりゃぁLIVEしたかったけどさ、呼んだのは私だし、ずっと見る側になりたかったし」
「でも、やらずに今日が終わっちゃうのって…」
「やっぱり、嫌かもしれないよね」
「ねぇたむ、どうにかならないの?」
「うーん、難しいこと言うね…そうだ!たむたむたむたむ〜ん!」

     「夜公演がある世界線に、な〜れ!」

そうして、たむの力で手配されたライブチケットを得た多くのらぷりすが、
会場を隅から隅まで埋め尽くしました。

「こんぷりえ〜る!」

「三人の方の棗いつきです!」
衣装のえっちベルトに会場が沸き立ちます。これが水蒸気爆発です。
「いつものnayutaです!」
魔剣でもトークも聖女様すぎて、ファンのみんなは昇天します。
「ほよ〜!実体の方の藍月なくるです!」
観客席から舞い上がる輪切りのすだちが、さっぱりとした柑橘の香りを巻き上がらせます。

ようやく壇上に揃った三人は、自分たちの大好きな歌を、
大好きなメンバーと一緒に会場のみんなに届けました。

ライブは終わり、幕は降りて、らぷりすにとっても、La prièreにとっても、
最高の聖夜が終わる頃、4人は談笑に耽っていました。

「ありがとう、たむ。私にライブをさせてくれて」
私は「La prièreが好きならぷりメンバーが生み出した現実逃避」によって生まれたただの概念
本来歌うことも、ライブをすることもなかった存在です。
nayutaさんとなくるさんが「La prièreのライブが見たい」とたむに願っていなければ、
謎の力でたむが願いを叶えてくれなかったら。
質量の体を得る事はありませんでした。

「こちらこそ、楽しいライブを見せてくれてありがとう!らぷりえーるさん。」
「まぁ私もほんとに謎の概念らぷりえーるさんが実体化するとは思ってなかったけどね」
「そういえばなゆたさんは増えようと思えば増えられるよね」
「感動的な場面壊さないの!なくちゃ」
「でも、私もすっごく楽しかった。」
「よかった。みんなが楽しんでくれて…私も夜に三人のライブが見れてとってもたのしかったよ!ありがとう、みんな」
「じゃあ今日はおめでたいからいっぱいごはんたべよっか!」
「なくちゃは食べたいだけでしょ?」
「えへへ〜でも食べられる時にたべなきゃダメなのが人生ですから」

そうして夜もふけてゆく中、私はあることに気がつきました。
「そういえば、たむがお願い事叶えた時って魂が…」
そうです。不思議生命体をしてる時のいつきさんは、
締めにはかならず誰かの魂をもらって行きます。
「まぁ、クリスマスだから魂はあげるよ!三分の一くらい自分の魂も引き抜かれちゃうと怖いし」
えっなんか知らないオチきた。

こうしてらぷりえーるさんは職業不定、住所不定、国籍不詳、とりあえず歌手としての人生を歩み出したのでした。
めでたしめでたし。


あとがき

藍月なくるさんが変なキャラとして登場してる為、
なくるさん推しから怒られてしまうかなとおもいながら書いていました。
でも実は私なくるさん推しなんですよね。
あとnayutaさんを贔屓してるわけじゃなくて、聖女様枠なのは客観的事実です。
たむはファンが爆発するからはやく危険物取り扱いのなんか資格とりましょう。

さてさてこれからどうなるんでしょうね、
らぷりえーる(概念)さん。

私は知りません。

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