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漫画「沈黙の艦隊」がおもしろかった

今回「沈黙の艦隊」という漫画がすごくおもしろかったので共有します.
以前ジパングという漫画も紹介したのですが,どちらも"かわぐちかいじ"さんが描いています.あとがきなどに書いてあったのですが,昔から船や飛行機などが好きで漫画を描き始めたようで,かっこいい描写からもそれが伝わってきました.

まずあらすじを簡単に書きます.

主人公は海上自衛隊で潜水艦の艦長をしている「海江田」という男.
日本は米軍と共同で秘密裏に開発した原子力潜水艦「やまと」の運転試験を行うため,海江田率いる先鋭の潜水艦乗りを集めます.ところが運転試験当日,突如その姿をくらまして海江田達は深海に消えてしまいます.
再び姿を現したやまとは突如独立国家を名乗って,拿捕しようとする米軍の艦船を次々に破壊します.その行動を止められない日本政府はやまとを独立国家と認め,条約を締結することに.この件で日米関係が危機的な状況に陥り,米軍は日本を占領する危機まで生じてしまいます.
そしてやまとはこの行動の理由を「原子力潜水艦が核抑止力をもち,沈黙の艦隊として世界の核兵器廃棄を実現させること」だと語ります.無謀にも思える主張ですが,海江田の巧みな戦略でその狙いは着実に現実のものに近づいていく...

あらすじはここまでです.簡単に書けませんでした.

かわぐちかいじさんが作るストーリーのおもしろい点はフィクションだけれども現代の問題点を提起していて,漫画を通じてそれを考えさせられるという点です.

まずこの物語では原子力潜水艦が登場しますが,日本は原子力兵器の保有はできません.だからあくまで米軍の指揮下にあるという形で物語では登場します.原子力潜水艦は原爆ミサイルを積むことができ,おそらく一番の強みはどこから発射するかがわからないという点です.
もちろん戦艦や空母といった艦船も脅威ですが,原潜はその点で他を大きく上回っていると思います.だから抑止力としてはかなり大きいですね.

あらすじでは省きましたが,物語では「世界政府」を創設することが提案されます.軍縮の手段として,各国の軍隊を国連に所属する形にしてしまおうというのが海江田の考えでした.そしてこれと対立する最大の勢力がアメリカ合衆国です.海江田が世界の警察を国連にゆだねようとするのに対して,すでに世界の警察だというのがアメリカという訳ですね.

前アメリカ大統領のトランプは逆にアメリカは世界の警察をやめようという姿勢だったと思いますが,もし今もトランプが大統領だったら誰が世界の警察を務めるのかというのは大きな問題です.
また国連は実際平和維持軍という紛争に介入する程度の戦力を持っているわけで,国連が大きな戦力をもつことも全くありえないということもないなあと思いながら読んでいました.

この漫画で提起されてたポイントとしては
「核兵器の廃棄」「国連の意義」「アメリカの世界の警察としての役割」「自衛隊の意義」などなど

日本人が平和や戦争を考えるときにぶち当たる問題がつまっているような気がしました.

まあ物語の内容は別にして,潜水艦の戦闘シーンは男のロマンを分かっているなあという感じでめっちゃかっこいいです.現代でも潜水艦はかなり扱うのが難しいらしいですが,船内の緊迫感などがうまく表現されていて相当取材しながら描いてんだろうなあと思います.

そして来月から実写版がアマゾンプライムで放送されるらしいのでめっちゃ楽しみです!

魅力が伝わったかはわかりませんが,男性の諸君是非読んでみてほしいです!もちろん女性も!

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