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推し香水作りにいった話

 グランプリシリーズも一段落つき静かな週末なので、推し香水について忘れないうちに少し書いておかねばと久々にPCを開いた。でもいざ記録しようと思うと既にだいぶ忘れちゃってる。書きながら頑張って思い出します。

1.そうだ、推し香水を作ろう

 香水は割と好きだけど推し香水には興味がなかった私。
 しかし中村先生という推しができてから、「推し香水作りました!」系の記事やツイートが妙に目につくように。「ふうん……? まあ見るだけね……?」と思いながら軽く調べてみると様々な推し香水のお店が存在した。その中でダンスール好きならこのお店ではという店名を発見し、「もうここしかないやん!」と即決。それが夏ごろのこと。オンラインカウンセリングもなさっているが、香りを実際に確かめたかったので実店舗へ伺える機を待ち、秋になってようやく伺えた。

2.予約を取る~カウンセリングフォーム記入

 ここらへんは店舗HPに流れやQ&Aも詳しく書いてくださってるので、そちらを参照していただくほうが確実。
 ざっくり言うと前準備としては、
 ①仮予約:HPの予約フォームに希望日時を入力し送信
 ②本予約:お店から電話が来て改めて日時など確認し予約完了
 ③カウンセリングフォーム記入:フォームのURLが送られてくるので対面カウンセリングの前日までに記入して送信
 です。
 事前メールで「こちらの番号から発信します」と提示してくださってるので、「怪しい番号から電話だ!」とか警戒せず電話取れてご親切。私は着信中に取れなくて直後に折り返したのですが、わざわざ「今こちらから掛けなおします」と言ってくださってご親切(「このままで大丈夫です」とお断りしちゃいましたが)。この”ちゃんとしてる”感が安心を感じるとともに緊張を煽りました。

2´.カウンセリングフォームの内容

 オンラインカウンセリングのカウンセリングフォームはHPで見ることができます。が、今確認したところ対面用のものとは少し項目が異なりました。共通の項目も多いけど好きな果物・季節・ヘアスタイルの項目はなかったな。
 私が悩んだのは好きな靴・音楽・映画の3項目。私が中村先生の足元考察をまとめたのはこの項目を埋めるためでした。でもメンズの革靴ブランドなんてリーガルくらいしか出てこないし(しかも中村先生リーガルは履かなさそう)、作中ではスニーカーばっかり履いてるもんだから「スニーカー・ソール柔らかめの踊りやすい靴」っていう何の嗜好性も見えない回答に……。
 ほか2項目はずっと悩んでいて、「提出までかなり余裕あるな~」と思ってたのが気づけば前々日。最後は「こんなもん勢いじゃ!!」とヤケクソで記入して送信した。
 音楽はバレエ系のクラシック音楽とジョン・メイヤー。どうせならプロコフィエフだとかピアソラだとかもっと趣味丸出しで書けばよかったな。書いた当時はあまり自分の解釈を入れすぎないように気をつけてたから……。ジョンメも1人だけ挙がってるからすごいジョンメ好きな人みたいになっちゃってて、もっと複数名挙げたかったけど思い浮かばず。ジョンメ好きならブリタニー・ハワードとか?って思ったけどガチガチのロックバンド系じゃなくて、少しクラシックの香りがするアーティストがいいよなあとだけ考えていた。不勉強が辛い。今更だけどベンジャミン・クレメンタインとかどう? ちょっと新しすぎるか。
 映画は、①名作枠②ミーハー枠③芸術系枠 の3作くらい挙げようかなと思っていて、ここも自分の好きな映画ではなくちゃんと”中村先生が好きそうな映画”になるようゴマミソさん(@gomamisozuizui)にも相談に乗ってもらいながら①ライフ・イズ・ビューティフル②レオンまでは決まった。③が埋まらないままだったが、ヤケクソモードのときに「アマデウスってあんまり覚えてないけど中村先生好きそうじゃない?」とふと思いついて決まった。芸術枠にふさわしいかは審議。ヤケクソついでに自分の好きなア・ゴースト・ストーリーも入れといた。このあたりになると自分の解釈云々もどうでもよくなってる。
 最後に、使うのが女性(自分)だからと言ってユニセックスな香りになることは避けたかったので、希望欄に「年相応の男性がつけるような深めの香りがいいです」と書いた。

3.対面カウンセリング

 当日、道に迷って遅刻しました(最低)。
 予約時間を過ぎてしまったのでお店からお電話くださいました。電話を取って謝罪している最中に看板を見つけて滑り込みました。申し訳ありませんでした。スマホを低電力モードにしとくとGPSの精度が落ちるので本当に気をつけましょう。
 予約は1枠30分であり、次のお客様も控えているので遅れるとそのぶん推しを語れる時間が減ってしまいます。お店の前に待機用の椅子もあったので、余裕を持って伺ってそこで待つのがおすすめです。普通はこんなヘマしないだろうけど……。
 お店自体は商用ビルの中にあるけど事務室のような密室で、1つの大きい部屋をパーテーションで区切り、入ったところを事務の方スペース、奥を調香師の方スペースにしてありました。
 調香師の方はモードでおしゃれで、髪が白黒バイカラーだったのもあり、まず「クルエラみたいだ」と思いました(褒めてます)。お部屋も他社の香水やアートが飾ってあったりして、おしゃれな空間。元から緊張していたのに加え、道に迷ったことで軽くパニックに陥りながら早足で歩きまわって汗だく、とどめにこのおしゃれ空間とクルエラ先生を前にして、最後まで汗が止まりませんでした。記憶もおぼろげ。

3-1.香りの傾向を選ぶ
 まずA~Eのラベルを貼ってある瓶を並べられ、「この中からイメージに近いものを選んでください」と言われました。私個人が感じたのは、A~Dはツンとした香りで、つけたての香水に感じるような揮発しやすい強めの香りでした。Eは香りは弱めだけど、最後に残るような柔らかい香りで「ムスク的なやつかな?」と思いました。少し甘いような気もするけど他は華々しい感じがするしこれかな?と、Eを選びました(確かBとEで迷った気がするけどよく覚えてない)。

3-2.カウンセリングフォームの回答を基に質疑応答
 フォーム記入時、自分の氏名は書いたけどキャラ名の欄がなかったので書いていなかった。ら、「キャラ名のご記入がなかったのでまずは教えてください」とのこと。希望欄にでも書いておいた方がいいかもしれません。
 そしてキャラの画像をお見せする。これは事前に「対面で拝見します」と案内に書かれていたので、どの画像を出すか道中ギリギリまで悩んでいた。とりあえず光の中村と闇の中村を見せたいと思い、コミックス18巻の表紙と(「これ! こっちです! こっちじゃなくてこっちのほう!」と前のめりで指さす私)15巻のコンテ『道』を見てメモが飛び散るシーンをお見せした。これくらいで大丈夫だったらしく、他にも大量に用意していたが日の目を見ずに終わった。「バレエされてるから細身かと思ったら結構筋肉質なんですね」と言われ、「そうなんですデュフフ」とニチャる。
 メモのシーン画像で「怖い先生なんですね」と調香師さんが仰ったので、「いえ、怖くはないです! いや、指導は厳しいけど……」とこのシーンが中村先生の内面を表す重要なシーンであることを説明したかったけど、全く伝えられずに終わった。これが今回の1番の悔い。おしゃべり下手が過ぎる。
 あとはフォームに沿って色々と訊かれる。
〈ex1〉
「この生川はるかバレエ学校というのは」「生川はるかバレエ団というのがありまして付属の学校で、生川はるかは登場しないんですが創設者で」「歴史があるのね、その中でもそれなりの地位に?」「そうです! 学校自体のレベルも高くて」
〈ex2〉
「好きな色オレンジと青というのは身に着けているものなど?」「そうです(鋭い……!) 青は想像で……」
〈ex3〉
「ウニといくらが好きというのは」「作中のSNSアイコンがそれなので」
 また、フォームにない項目も訊かれてきょどる。
〈ex4〉
「お休みの日は何してますか?」「えっ……」「想像でいいですよ」「……ド、ドライブ?」「海と山ならどちらに?」「……う、海……?」「車がお好きなのね」「ボ、ボルボに乗っていて(これはゴマミソゼミで習ったやつだから答えられるぞ!)」「それも作中にあるのね」「そうです!(特定したの私じゃないけど!)」
〈ex5〉
「この先生自身もバレエをやってらっしゃった?」「そうです、ダンサーとしてはあまり……芽は出なかったんですけど……」「海外経験などは」「あっ、一応海外のバレエ学校に留学を」「ということは早いうちから?」「そうですね、10代だと思います。そのあと1度海外の団にもプロとして就職したのじゃないかと思うので20代前半くらいまではもしかしたら」「それはやはりロシア?」「ロシアで学べるほどの才能は……なかったんじゃないかと思うので……、どこか、ヨーロッパの辺り……ではないかと……」「なるほど」←これが今回の香水のキーになった
 あとは「ジョン・メイヤーは想像で?」と訊かれ、是と答えたらふむふむと何か納得なされたようで少し嬉しかったのと(たぶん雰囲気からして調香師さん洋楽好き)、「好きな映画も想像で?」と訊かれてこれも是と答えたら「でもぴったりだと思いますよ」と言ってくださったのがめちゃくちゃに嬉しかったです!!!!やったー!!!!
 ちなみに靴の項目はノータッチでした。それはそう。

3-3.ジュエル選び
 プラス料金で香水瓶の中にパワーストーン系の石を入れることができる。極限まで中村臭を楽しみたかった私は、「石ぶん内容量減っちゃうしなあ」と悩んで「まあなくなったらまた注文すればいっか」と入れることにした。
 色とりどりの石が並んだ大きな器がテーブルにどーんと置かれ、そこから選んでいく。この石選び中に調香師さんが香りを調合していました。
 石は何種類まで選べるかとは忘れたけど、複数種類の場合割合は選べますとのこと。やはりオレンジだよなと思いつつ、どオレンジな色よりちょっとくすみオレンジがいいなと思ったので茶系のタイガーアイと(ちなみにタイガーアイの中からオレンジっぽいのを選んで入れるはNGでした)、確かアパタイトの2種類あったうちのひとつを、2:8の割合で入れてもらいました。アパタイトは普段私も身に着けているのでお揃いな気持ちで。

3-4.完成&香りの説明
 石を入れてもらって香水が完成したら、ムエットにひと吹きして渡してくださいます。そしてそれをくんくんしながら始まる香りの説明、いつの間にか隣にいてお話を聞きながら香料構成のカードを記入していってくださる助手の方。ここがハイライトなのに緊張で全然覚えてないので、記憶力に自信のない方は可能ならスマホのボイレコ回させてもらうのがいいのではと思います。
 以下、なんとなく覚えているお言葉。間違っているところも多いと思います。
『中村先生は、若いころに勉強のため海外へ出た。「たくさん吸収するぞ!」という時期にヨーロッパ(妄想)にいた。この香りはヨーロッパで好まれている系統の香り(オリエンタルとも言ってたような気がする)。食事前でもヨーロッパの人たちはこういう系ガンガン使っちゃいます。中村先生もきっと嗅いだことがあるはず。トップよりはミドル、ラストを楽しんでいただく香り。ムスクを多めに入れてあるので、時間が経つと柔らかくなります。中村先生も、この香りを嗅いであの頃を思い出したりするんじゃないかな』
 とのこと。っっか~~~~! いい!! 香りで若かりし頃を懐かしむ中村先生! いい!!
 さすがオリジナルフレグランスの調香師さん……断片情報から正しく解釈する力とそこから自分なりに発展させる力が半端ねえ……!
 調香師さんが考える中村先生のストーリーがちゃんと見えて、ウワ~~!ってなりました。二次創作って文や絵以外でも表現できるんだ……!って思いました。すげえ。他人の表現した中村先生おいしい。
 そしてお会計したり写真撮影したり香りのカード渡されたりして、ふわ~~~ってなったままお店を出ました。
 その後、ゴマミソさんに進撃1話のシャーディス教官みたいな顔で「中村先生を!! 伝えきれませんでした!! でもいい匂いです!!」という旨のメッセージを送っていました。情緒。

4.レビュー

 嗅いだ第一印象は「シャネルっぽい」。お店にも飾ってあったし、調香師さんご自身がお好きなのかも。私はといえば、シャネルはものによるけど
どちらかというと得意じゃないイメージで、一瞬「大丈夫かな?」と思った。でも結論→大丈夫! そもそも全然詳しくないので、「シャネルっぽい」の感想が全くの的外れな可能性も大きい。
 つけたてはネクタリンやタンジェリンなど柑橘系の爽やかな香り。に、少しフローラルな香り。ミドルはあんまり確認できてない。シトラスはすぐ飛ぶのでフローラルが立ってくるっぽい。ラストは甘くて柔らかいムスクの香り。私が好きなやつ~。サンダルウッドも好きだけど、ムスクが強いからかあまり感じとれなかった。
 トップ~ラストまで総じて女性がつけてても全然違和感ない香りだったと思う。もっとオトコオトコしてくれててもいいけどな~。でも自分で使うぶんには、甘すぎず綺麗なお姉さんの香りって感じで本当にいい香りです。そう、芯の強い……ヨーロッパの……はっ、もしかしてこれは中村先生の元カノ(初カノ)の香り……!?!?!? それは色々思い出しちゃうよね……!?!?
 機能面で言うと、普段の私はつけすぎたくないので香水はワンプッシュくらいなんですが、これはワンプッシュだとあまり香らず、つけて1時間しか経ってなくても「全然わからないね」と言われるくらい。なので2~3プッシュくらいでいいのかなと思います。香り自体が弱いということではなく、恐らく香水瓶が大きくないためディスペンサーのストロークが短めでワンプッシュあたり少量ずつで出るからかと推測。ちびちび大事に使えるね。なくなって再注文したいときはカードに書いてあるナンバーをお伝えすると、記録してあるデータから同じものを作ってくださるそうです。

5.まとめ

 自分で香りを選んでいくのかな?と思って対面にした推し香水作りでしたが、実際は最初に香りの大枠を選んだだけであとは調香師さんの解釈で作ってくださったので、オンラインカウンセリングでもほぼ変わらないクオリティのものが出来上がると思いました。お値段が普通の香水から見るとお安いくらいなので、カウンセリングのコストも考えると正直少し安っぽい香りになってもしょうがないと思ってたのですがそれが全然!! 質のいい香料の香りがします。この点が最もすごいかもしれない。
 今度はオンラインで自分イメージの香水もお願いしてみようかとか、いややっぱり自分で香りをカスタムしていく形式のお店にも行ってみたいなとか、自由形式で中村先生を語れる推し香水のお店もいいなとか、興味はしばらく続きそうです。
 他人が創った中村先生、もっと摂取してぇぇ~~~~。
 というわけで興味が湧いた方はよかったらお作りになってみては。その際はぜひお話伺いたいです。

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