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JuNkRooM.II を終えて

明けましておめでとうございます。
この度はroute.©️さんのJuNkRooM.IIにてモーガン役で出演させていただいておりました小野寺トモノリです。

今回は箱庭シリーズということで計4作からなるお話。
クラファン限定公演の「PARADE」から始まり、続いて「ぼくらの箱庭」と「バースデイ、レター」の同時公演。そして昨日ついに「箱庭からの夜想曲」が終演いたしました。

ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございます。
ありがたい事に小野寺は「バースデイ、レター」と「ぼくらの箱庭」の2作に出演させていただいておりまして、どちらも「モーガン」という役で出演させていただきました。

今回は個人的に節目であったことや、2作品同時並行で作っていく上に同じキャラクターを生きるという、個人的にちょっと特別な公演だったので、かなり思い入れの深い作品となりました。
そしてこの想いが風化する前に観に来てくださった方やこれから配信を買おうとされている方に、一役者としての視点みたいなものを感じてもらえたら面白いなと思ってあえて人目につく環境に残す事に決めました。
が、すごく個人的な振り返りであることは悪しからず。観たい人だけ楽しんでくれればと思います。

さて、一旦ここで軽く箱庭シリーズについて
さっくり説明を挟ませていただければと思います。

箱庭の世界観

まず全てにおいて共通するのはこの『箱庭』はクリスマスのプレゼントを作るおもちゃ工場であるという点。そしてそのおもちゃは子供にしか作ることができないということだ。
そしておもちゃを作る人間と、子供の夢を宿して作られたおもちゃが数々のドラマを生み出す事によって4つの作品として成り立っている。


王子小劇場での箱庭の舞台セット(一部)

時系列としては
「PARADE」「バースデイ、レター」
12年後⏬
「ぼくらの箱庭」
さらに9ヶ月後⏬
「箱庭からの夜想曲」
という順番だ。

「PARADE」がおもちゃを「バースデイ、レター」が同時期の人間を描いたお話。
そして時を経て「ぼくらの箱庭」で人間とおもちゃの両サイドが描かれ、最後に残されたおもちゃたちのお話「箱庭からの夜想曲」という形です。

子供たちは過酷の労働環境の中、特別なおもちゃを作る。特別なおもちゃは特別なおもちゃとしての意識を持っている、そんな世界が物語上で描かれています。

バースデイ、レター

先に触れていたようにレターでは人間の話が軸として描かれています。
出てくるおもちゃは初代レッタのみですね。

工場で働く子供たちが『大人』になっていく様が描かれています。
子供や大人の定義って曖昧で僕の中ではいまだにルドルフの「同じ夢を〜」というセリフが刺さっています。
この言葉は僕がモーガンを演じる上でもすごく大事にしてきたことです。
僕は誰よりモーガンと同じ夢を見なくてはいけなかったので。

モーガンはきっと誰よりも辛い過去があって、レターで描かれていたみんなとの日々が一番の宝物で、みんなとの約束を信じたが故に大人になれなかったのだと思います。全部スピカのせいだ笑

子供の役なんて初めてやったけど自分の童心をありったけ引き出して、
大人を削ぎ落とす。可能な限りやったけど、僕はちゃんと君に寄り添えていたのかずっと不安でした。でも、レターの座組は本当にあったかくていろんな共演者に助けられたし、「自分を信じれないならみんなを信じればいい」いう言葉に人知れず救われていたし、お芝居に関して色々お話できたし、キャラエチュード的なこともやったり、最終的には自信を持って舞台に上がれました。さらにお客様からはたくさんの温かい感想をいただいて本当にやり遂げれてよかったなと思いました。

そして集中稽古後半からどんどんキャスト全員のネジが外れてきたのが面白かった。実は初演の時も同じ現象が起きていたそうな。


ぼくらの箱庭

こちらはおもちゃも人間もしっかり描いているという贅沢作品。
2代目レッタの基準を満たせなかったおもちゃであるという葛藤を抱える中その懐にズケズケ踏み込み、自分の夢を語るロゼを中心におもちゃたちの亜ドラマが進み、人間サイドはコメットの使命と友情を軸にドラマが進んでいきます。
そして最後にシーンがシンクロし、別々の結末を迎える…。まとめてて思ったけどすごい作品ですね、コレ。改めて平安さんのセンスに驚愕させられます。

自分はレターに引き続き、「モーガン」として登場。
レター観た後だとその様相の違いぶりに、面食らった方もいたのではないかと思います。
箱庭の大人って、世界観の設定を伝える役割を持っているっていうイメージで、実はレターのダシャ・トラッシュと似た内容の会話をしているところがあったりするんですよね。そしてその大人たちがそれぞれどう思っているかっていうのをシーンで見せるっていう構成だと勝手に思っているんですけど、レターとはっきり違うのはやっぱり「モーガン」がいることなんですよね。ダシャの役割をホンファ・ハシムが担っていて、トラッシュとは同じ境遇だけど役割が違う立ち位置でモーガンがいる、みたいな。
モーガンはこの作品においては絶対悪でいなきゃいけない、だけど葛藤も見せなきゃいけないというラインを求められていた気がします。
悪になり切るのは簡単だけど、モーガンは根がいいやつだから何かあったってことを観ている人に感じて欲しかった。悪役でなきゃいけないけど引っかかりが欲しくて、レターを先に観た人には衝撃を、こっちを先に観た人には悪いやつだけど何かあったのかな、っていうのが伝わるよう役のベースを固めて矛盾のないように中身を詰めていく、ということを意識していました。

そしてこれは勝手なこだわりなんだけど、大人モーガンがポッケによく手を突っ込んでいたのは憧れていたあの人の影響なんだよ。


箱庭からの夜想曲

こちらは私は出演してないので完全にオタクとしてになってしまいます。

夜想曲は燃え残ったおもちゃたちの話。
ぼくらの箱庭キャストとしては本当にマリー・ビットのところを見てほしい。
通し稽古で自分の糧にするため一度見学させていただいたんだけど男泣きに咽び泣くギリギリのところで堪えるので精一杯だった。
そしてロンドがカッコ良すぎたし、レイニーが個人的にはかなり切ないキャラクターだなと思うし、ピノの出すおもちゃらしさがすごいし、ティーの絶妙なニュアンスの見せ方が本当にティーだと思ったし、本当に見どころばかりなんですよ。
そして何より、これは一緒に通し見学したネコちゃんともお話したんだけど、みんなホントにちっちゃく見えるの。
なんならリズが月を見上げているシーン、本当に陶器人形が月を見上げているのが浮かんだんです。
そしてテト。個人的にすっごく切なくなったし、小林さんの声が本当に物語を語るおもちゃに合っていて、、、あぁってなる。せつねぇ。



箱庭の終幕

かなり自分の書きたいことを書きまくった内容になってしまったけど許してほしい。それだけ箱庭シリーズが好きになったし、モーガンというキャラクターに強い愛着が湧いてしまったので。

主宰曰く、もう箱庭シリーズはやり尽くしたので、「再演はもうない」とのこと。

なので今回観れなかった人やまだ浸りたい方は最後のチャンス、配信で観てください。下記Xのリンクから飛べます!

そして最後に、今回関わってくれた全ての方、ご来場いただいた全てのお客様、配信をこれから買おうとしているお客様、全ての方に多大なる感謝を。

皆様にとって良い1年になりますように。


最後の写真は1日3ステを共に駆け抜けたルドルフと!

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