ニーハオ!!!!のアルバム『i!i!i!i!』について

先日ニーハオ!!!!のアルバム『i!i!i!i!』がリリースされました。

前作『FOUR!!!』に引き続き、今回も「ムーンライト楽団」「So tough & So tough」「メタモルフォーゼ」「BSN」の4曲に関わっています。

少し遡って前作の話から。
『FOUR!!!』で一緒に作ったのは「FUTURE」と「MATSURI-SHAKE」の2曲でした。
「FUTURE」についてはノイジーなサウンドに対して「FUTURE」とタイトルを付けた事が凄く「そう！そう！」って勝手に共感してたんですよ。ノイズとか不協和音みたいな音って破壊的な表現とも解釈できるけど、何かが誕生する前の混沌の状態っていう、ある種ポジティブな意味合いでも解釈できるよなとも思ってたので「まさに！」と。

「MATSURI-SHAKE」については「ニーハオ!!!!の良さを他薦で言うならこう！」という事を音像化したような事でもあったんです。なのでリリースから2年経ってからROSALÍAのワールドツアーのライブ前SEに使われて世界中で聴かれる機会が増えて、ホッとしたのもあり「ね！ニーハオ!!!!いいよね！」みたいな気分にもなりました。

そんなわけで今回もまた一緒に何か作ろう！という話になったので、関わった4曲について何か書いてみます。

「ムーンライト楽団」
確か「DEATHRO音頭」の編曲をやってた頃にどこかの楽屋でゆかりさんと「次のニーハオ!!!!何やりましょうか」みたいな話をしてたんですよね。その時に、僕がほとんどその場の思い付きで「ありちゃんがサンプラーを指揮者みたいに押しながら、皆が第九みたいなのを合唱したら楽しそうじゃないですか？」とか言ったんですよ。そしたら「面白そう！」という返事だったので作ってみたと。僕としてはアルバムの中のインタールードみたいな位置にそういうのがあったら面白いかもなーというつもりで提示したんですが、思いっきり１曲目になってて「えー！なんかすいません！」みたいな気持ちにもなりました(笑)。ニーハオ!!!!との共作はそんな風に思ってもない事が起こるのが楽しいです。

「So tough & So tough」
これはゆかりさんの方から「こんな感じで」というイメージを出してもらったのが最初ですね。結構それが「割と今っぽい曲になりそうだな」って感じだったんですよ。EDMとはまたちょっと違いますが。ただ、ニーハオ!!!!がただ今っぽい曲をやってコスプレっぽくなっちゃうと良くないかもなと思って、ニーハオ!!!!感のあるそれをやりたいんだけど、どうしようかなと少し悩みました。ちょうどその頃に他にもニーハオ!!!!と試していた曲があって、結局保留になったんだけど、それは変拍子っぽい曲だったんですよ。「あ、そうか、ニーハオ!!!!の要素には元々変拍子があるんだよな、じゃあ４つ打ちのキックで変拍子にしたら今っぽさとニーハオ!!!!っぽさが両方できるかも！」と思ってああなりましたね。
今回の共作の中では一番手応えあるなーと思ってたら先行シングルに選んでもらえて驚きつつ嬉しかったです。

「メタモルフォーゼ」
これは本当にちょっと関わっただけです(笑)。元々曲はニーハオ!!!!の４人で完成されてて、アルバムのレコーディング中に「この部分だけ内藤さんに何かやってほしい。」と言われたので、ノイズ音をサッと足した感じです。
何をやるわけでもないながらレコーディングにお邪魔したんですが、面白かったです。ありちゃんが凄い子供みたいなふざけ方しててたまげました(笑)。

このインタビューでも、後半の「メゾン」のくだりがメチャクチャ「ありちゃんだー！」と思って面白かった。

4つの“個”が主張する『i!i!i!i!』──ニーハオ!!!!、ここにしかない〈コーラスパンク〉を高らかに叫ぶ最新作
https://ototoy.jp/feature/2023032904

「BSN」
自分一人で作ってる時は、なんとなくグライムっぽいものを意識したようなしないような。あと当時ECKO BAZZが好きだったので、その影響もあり。最終的にはECKO BAZZとは違うものになってほしいんだけど、ニーハオ!!!!に投げたらまぁ違うものになってくれるだろうなと思ったらやっぱり違うものになって嬉しかったです。個人的にはあまり最初から完成形をイメージしないで作りたかったような気がします。『荘子』の渾沌の話が好きなんですよ。渾沌（混沌）の顔によかれと思って一つずつ目や耳や鼻や口をつけてあげたら、完成した途端に死んでしまったっていうやつ。ニーハオ!!!!と一緒に何かをやる時はよくこの話を思い出します。

アルバムは17曲、サブスクでも配信されています。

https://friendship.lnk.to/I_I_I_I_

フィジカルではＣＤでも購入可能です。

https://yukari-show-ten.stores.jp

また一緒に何か作れるかな、どうかなと思っておりますが、ここ数年はメンバーでもないのに「次のニーハオ!!!!どうしようかな…！？」などと勝手に日常的に考えていまして、その厚かましさに恐縮しつつ、楽しくやっております。