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文字入力支援アプリ

怪我や麻痺、脳梗塞などで四肢が動かしにくい方のために、二種類の入力で作文できるWebアプリを作成しました。

https://hirotsugukaga.github.io/CLARK-COMPANY/hiragana.html

*以下はClark & CompanyのFANBOXにも投稿した記事ですが、後半にUSBスイッチを作った際の工程や要点のメモを加筆しました。

TRPGやゲームブックに関連した普段の投稿とは毛色が異なると思われるかも知れませんが、Clark & Companyは障がい者支援アプリや音楽支援アプリの開発が端緒。それらを公開するにあたってデヴェロッパー名称というものが必要となり、名付けたのが "Clark & Company" だったりします。


50音入力アプリ

初期画面はこちら。

マウスでも操作できますが、キーボードのZキーで選択先を右へ進め、Xキーで決定、

同様に母音を選択し、Xキーを押すと上部のテキストエリアに文字が入力されます。

三種類の入力が可能な場合はCキーを押すことで選択先を左に戻すことが出来ます。
句読点はヤ行とワ行に格納されています。

USBスイッチ

脳梗塞や筋ジストロフィーなどで神経や筋肉に障害が生じると、手指全体を握るか開くかの選択しか出来なくなったり、肩や首の大きな筋肉しか動かせなくなったりします。そうした方が高価な支援機器を用いずとも、残存機能に合わせたコミュニケーションを試みられるように開発したのが今回のアプリケーション。
その使用にあたり、需要にあった丁度良いものが見つからなかったため以下の機器を試作しました。

専用の機器は数万円から数十万円して単機能のものが多いですが、下記のようなプログラマブルUSBデバイスなら千円程から購入可能です。


プログラマブルUSBデバイスには、外付けテンキーやミニキーボード、フットスイッチなど様々なタイプがありますが、今回は使用はユーザー自身が好きなスイッチ6個を配線できる以下のタイプを使用しました。

各スイッチへの機能の割り当ては専用のPCソフトで行いますが、コロナ禍などで支援者が病室に入りにくい状況を踏まえ、介護者がミニジャックを抜き差しすることで割り当てを変えられるようにしてみました。

ケースに用いたのはドリルで穴をあけたタッパーウェア。
USBケーブルは一本(黒)がグラウンド線になっているのでこれをジャックの片側の端子に連結し、もう一方には六色のそれぞれの配線を繋ぎます。


このジャックに各スイッチに繋がるプラグを挿し込むと、各配線に割り当てられたキー入力が行えるようになるという仕組みです。

スイッチはシンプルな「モーメンタリー・スイッチ」(押したときだけ通電するスイッチ)ならなんでも良いため、自作することも可能です。プラグとケーブルは余っていたイヤフォンやスピーカーケーブルを分解して流用しました。

太ももや肘といった大きな関節で押すためのスイッチは端材とビニールテープ、台所用スポンジ、ビニールテープ、通電性のアルミテープを用いて作成しました。スポンジの厚みや幅を変えることで可動範囲や力加減を調整できます。

把持用のスイッチには押す力が弱くても反応する以下のタイプを使用し、梱包用のスポンジマットを丸めて握りを作りました。

各ジャックへのキーの割り当てはPCにインストールした専用ソフトを用いて行います。

キーボードやテンキーの各キー、マウスの各ボタン、メディアキー(再生/一時停止、停止、選曲送り、選曲戻し)の割り当てが可能。
その他、機種によってはショートカットへのリンクを指定して特定のプログラムを起動させたり、マクロを組んで複数の入力操作を一度に実行することできたりします。


50音入力アプリのご利用はこちらから👇
(画面を右クリックして「名前を付けて保存」すると、インターネット環境がない場所でもHTMLファイル一点とブラウザだけで動作します)

各スイッチをキーボードの「Z、X、C」キーに割り当てることで文字入力が可能となります。

プログラミング言語はJavaScriptのみ使用しているので、可能な方はご自由に改変してご使用ください。

その他、ご質問、ご意見、ご要望等はお気軽にコメント欄やメッセージ、XのDM等にてどうぞ🤖


P.S.

その他、環境音再生アプリやゲームブック作成アプリ、テキスト整形アプリも公開しました。


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