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約9年の愛靴遍歴を振り返ってみた

革靴沼の住人となってから、次の4月で10年目を迎えます。一つの節目ということで、これまで履いてきた革靴について、覚えてる範囲でまったりと書いてみたいと思います。

ただの自己満備忘録ですが、何卒ご容赦を😇

1 初期(1〜3年目)

革靴にハマり、とにかくあれもこれも買っていた時期。

①alan mcafee (旧チャーチ製)

alan mcafee

以前の記事でもご紹介した旧チャーチ製のアランマカフィー。この靴がすべての始まり。初期に購入した数多の革靴の中で、唯一現在も大切に履いている靴です。

高円寺の古着屋でデッドストックを確か19,800円で購入。今考えたら信じられない値段…。この靴の隣に同じアランマカフィー、同じデッドストックの黒キャップトゥも置かれていて、そちらはスルーしてしまった…。今でも買っておけばよかったと夢に出る程後悔しています…。

当時はその価値もよく理解していなくて、今考えるととても乱暴に扱っていた気がします。特に思い出深いのが、シューツリー。購入当初、よく分からずアマゾンだかで購入したサイズの合っていない安物のシューツリーを入れていていたんですよね。それを、ヒールの修理で銀座三越に持っていったとき、修理屋のお兄さんから「この靴は本当に良い靴なので、大切に扱ってください。今のシューツリーでは履き口を広げてしまっていて、劣化してしまいますよ」と怒られてしまい…。その場でサルトレカミエのシューツリーを購入したのを覚えています。

この靴をキッカケに、シューケアをちゃんと勉強するようになりましたね。オールソールを初めてしたのもこの靴ですし、本当にこの靴は私の革靴遍歴の出発点です。

②中古の旧チャーチたくさん

何足買ったか覚えていないですが、ボロボロのディプロマットやチェットウィンドをヤフオクでよく買ってました。初期の革靴欲を満たしてくれた、いい思い出です。

③ロイドフットウェアのストレートチップ(Vシリーズ)

雨用の革靴を探していて、且つ若くてお金もなかったので、ビギナーラインであるVシリーズのダイナイトソールのこの靴を購入。

かなりポッてりとした見た目で、正直そんなに好みではなかったけど「ロイドで買ってみたい」という思いが勝って購入。ボロボロになるまではちゃんと履きましたね。

試着してるときに、浦上さんに「VシリーズってBARKERが作ってるんですか?」と野暮な質問をしてしまい、「製造元は明かしておりません」と真顔で返されたのが、若かりし恥ずかしい思い出となっています(笑)。

ちなみに、後にマスターロイドを購入しようとしましたが、私のデカ足では合うラスト、サイズがないことが判明し、今に至るまでロイドで購入したのはこの一足のみ。たくさん買って、履いてみたかった…。

④クロケット&ジョーンズ LOWNDES

未使用品を38,000円くらいで見つけ、購入。初めてのモンクシューズでした。

特に不満もなかったけど、紐靴に比べてキュッとした履き心地にならない点と、モンクシューズの磨きにくさが気になり、そこそこ履いた後にシューホリックさんに放流しました。

⑤PEAL&COのキャップトゥ(クロケット製)

※リンク先はイメージ

アランマカフィーが革靴への入口だったので、アメリカ向け英国靴もよく探して買っていました。その内の一つにpeal&coを購入しましたが大失敗。

当時はUKサイズとUSサイズのトラップも見抜けず、全く履けないサイズを買ってしまい、すぐに手放してしまいました…。その後の良い教訓に。

⑥ハロッズ別注旧エドワードグリーン

恐らく初期の中で一番高価だった靴。シューホリックさんで、ハロッズ別注の旧エドワードグリーン、しかもデッドストックというお宝級の靴を購入。しかし、この靴にも悲しい思い出が…。

当時の私にはあまりに高価で美しすぎて、購入してからずって履かなかった(履けなかった)んです。で、その時非常に湿度の高い田舎に住んでたんですが、何とある日、気づいたらコバ回りにカビがもっさり…。

そこで何を思ったか革靴素人の私は、日本橋のオレンジヒールさんで靴まるごと洗濯をお願いしたんですよね。そして出来上がりを受け取ったら仰天、一度も履いてないソールが、真っ黒に変色(そりゃそうだ)…。革の色目も微妙に変化してしまった気も…。

オレンジヒールさんはまったく悪くないのですが、それ以降この靴を見ると自分のアホさを思い出してしまい、なんか履く気が起きず…。

今思えば、カビ生えたくらいなら慌てず、除菌して天日干しでもすれば良かったのですが、後悔先に立たず…。私の革靴ライフの中でも最大級の失敗でした。

結局、程なくして手放すことにしたのですがさらに余談が。

丸洗いしたとはいえ新品状態のこの靴を、某有名中古革靴専門店に持っていったところ、査定額まさかの12,000円。私の微妙なリアクションをみた店主が「査定額にご不満ならお売りいただかなくて結構です」というので、逆にいくらで売るのか見てみたくなり、売却。その後、そのお店で「お宝級」などの煽り文句を付して60,000円くらいで販売しているのを見て、もうそのお店では売るのも買うのもしないことを誓いました。

(ちなみに、一緒に持っていったヒールのゴムが硬化してるようなボロボロの旧チャーチのニ都市コンサルは何故か8,000円の買取。案の定、その後「激レア」などと謳って35,000円程度で販売してました…。)

⑦ブルックスブラザーズ別注 オールデンのコインローファー
 

※リンク先はイメージ。

ある日ヤフオクを徘徊していると、デッドストックのオールデン製ブルックスブラザーズのローファーがトライアンフ付で20,000円で販売されているのを発見。出品者はアレンエドモンズ製と勘違いしたのかな?

社会人になってから購入した唯一のアメリカ靴、もちろん唯一のオールデンでした。ボロボロになるまで履き倒しました。

⑧クロケット&ジョーンズ BELGRAVE

現在、手元に二足もあるベルグレイヴですが、以前にも記事にしたとおり初期にも買ったことがありました。

新宿の古着屋で新品が40,000円で販売されているのを知り、急いで店舗へ。UK9.5がマイサイズにも関わらず、UK10のこの靴を試着し、「少し大きいかも…」と自覚しながらも欲に負けて購入。

当然上手く履きこなせる訳もなく、程なくしてシューホリックさんに放流となりました…。これも黒歴史…。

⑨トレーディングポストオリジナルのストレートチップ

手頃な価格の雨用靴を探していたときに、購入。可もなく不可もなく履いていたが、ある時から歩く度に「キュッキュッ」と鳴るようになり、放流することに。

今ならこの価格帯なら迷わずレイマーな気がしますが、当時はまだレイマーがなかったような。

ちなみに、先述のハロッズを某有名中古革靴専門店に売ったときにこれも一緒に売ったのですが、3,000円で買い取られ(それには別に文句ない)、鳴るようになってからロクにケアをしていなかったこの靴を「とても綺麗な商品で、前オーナーが大切にケアしていたものと思われます」と19,000円で販売されていると見たときは、複雑な気持ちになりました。

■初期のまとめ

他にも色々買って、履いたと思いますが、記憶にあるのはこれらですかね。ルーディックライターとかエシェンとか、あんまり日本では有名じゃないブランドも、逆にカッコいいと思って履いたりもしてた記憶(発想が若い…)。

アランマカフィーと出逢えたことには感謝ですが、それ以外はハロッズはじめ、反省ばかりが記憶に残っています。こう振り返ると、ロクに試着や下調べもしないで「安く売っていた」などの理由で買った靴ばかりで、長く手元に残らなかったのは必然な感じですね。一方、この頃の失敗や反省が今も生きていますので、勉強期間としては大切な時期だったと思います。

2 中期(4〜6年目)

狂乱期が過ぎ、新品を長く履くことを大切にするようになった頃。高価な靴は買えなかったけど、工夫しながら色々な靴を履いた期間。

①エンバシーのキャップトゥ

※リンク先はイメージ

エンバシーはベルギーのブランドで、過去にはコルドヌリ・アングレーズの靴を作ったこともあるAmbiorix(アンビオリクス)の高級ライン的な位置づけです。

今は国内では流通していませんが、90年代前半までは三越などで取扱いがあったらしく、名前を聞いたことがある方もいらっしゃるかも。

そんなエンバシーの未使用品がヤフオクで20,000円で売られているのを発見し、購入。クロケットの通常ラインくらいのクオリティという感覚で、良い買い物だった気がします。

②ワコマリア別注アルフレッドサージェントのブラインドフルブローグ

当時、ワコマリアから毎年アルフレッドサージェントの別注品が出ていて、定価は70,000円くらいだった気がします。それが、売れなかったのかよく中古市場にも流れていたんですよね。この靴も、定価の半分くらいで新品を購入した気がします。

今はかなりブラインドフルブローグが流行っていますが、当時としてはかなり珍しく、オシャレだなと思って履いていた記憶があります。

購入してから5年くらいは愛用し、まあまあ履きましたが、比較的最近手放してしまいました。今はなきアルフレッドサージェント製というのも思い出としてはポイント高い。

③クロケット製 BROOKS ENGLISHのフルブローグ

ブルックスブラザーズの英国製ラインであるBROOKS ENGLISHもマニアにはかなり愛されている一品ですよね。この靴は比較的最近のクロケット製のものでしたが、ほぼ新品が25,000円くらいで販売されていたので購入。

この頃にはUSとUKサイズトラップには気付けるようになっていたので、無事に履くことができました。かなり愛用し、よく履いていたので思い出深い靴。またBROOKS ENGLISH買いたいな。

④チーニー WILFRED

アマゾンで革靴が時々とんでもなく安く買えるの知ってますか?セールとかではなく、在庫切替とかのタイミングで、いきなり安くなることがあるんですよね。

個人的にですが、特にチーニーはその傾向にあり、定価77,000円くらいだったウィルフレッドが35,000円くらいで購入できた気がします。

見た目も履き心地もほぼディプロマットなので、重宝してましたが、サイズ選びを少しミスってしまったので、後に手放してしまいました。

⑤チーニー HUDSON

ウィルフレッドと同様、アマゾンで投げ売りされていたので購入。ウィルフレッド同様、サイズを誤り程なくして放流してしまいました。

個人的に、ウエストン180の代替品としては、HUDSONはかなり有用なのではと思ってます。こういうシンプルなローファーで、普通のカーフって意外と少ないんですよね。

⑥サンダース製オフィサーシューズ

大学時代、USネイビーのサービスシューズをずっと履いていたので、こういうミリタリーシューズを私服のときに履くのが結構好きなんですよね。

イギリスのサービスシューズにも色々種類はあるのですが、この靴のソックシートはこんな感じ。

「ShoeS」と両Sが大文字になっているのは、ブランド名の表示が禁止されている官公品にあって、サンダース社(Sanders&Sanders Ltd.)製であることを示すためだったと言われています。

そこそこ履いた後、比較的最近手放してしまいました。

⑦チーニー製アランマカフィーのフルブローグ

思えばこれが初めての個人輸入で買った靴。ebayを探索中にデッドストックが15,000円くらいで売られており、ついつい購入。関税など合わせても20,000円もいかなかった気がします。

アランマカフィーにも製造元や種類は色々あるのですが、これは布タグと言われるチーニー製のもので、正直品質はそこまで良くないと言われています。確かにこの靴も、革にトラや血筋跡が何箇所か見られました。

まさに嗜好品という感じで、古靴マニアとしてはこういうの大好きです。いつかクロケット製のアランマカフィーとかも買ってみたいな。

外羽根ということもあり、あまり履く機会には恵まれず、つい最近放流してしまいました。

⑧パラブーツ シャンボード

正直外羽根Uチップなどのワークっぽい靴は好みではないのですが、革靴好きたるもの一度は名品シャンボードを履いてみたくなり、購入。

パラブーツって工夫すれば意外と安くかえると思っていて、この靴も発生したポイントなど差し引けば35,000円くらいで購入できたと思います。

妻は結構褒めてくれたものの、購入後はやはりあまり履くことなく、結局こちらも手放してしまいました。

購入したのはカフェだったのですが、ブラックならまたいつか買ってみたいと密かに思っています。こういう靴って、年齢が上がるにつれて似合っていくイメージもあるし。

⑨旧チャーチ 三都市Messenger

旧チャーチの三都市、デッドストックのメッセンジャー。あるお店の方にお世話になり、比較的お安く譲っていただきました。

旧チャーチ大好き人間としては、三都市のデッドストックなんて鼻血もので、それはそれはよく鑑賞用として楽しませていただきました。この靴はコットンライニングのタイプで、あの独特の匂いもたまらないですね。

しかし、82ラストがあまりにぽってりしていて(それが良さなんですけど)実用向きではないと感じたこともあり、ただ鑑賞してるよりは実際に履いてもらった方が良いなと思い至り、放流してしまいました。

⑩旧チャーチ 三都市バルモラル

こちらもデッドストックで出逢えたので、迷わず購入。初めてのブックバインダーカーフでした。

今も現役で、シューラックの中でギラギラと輝いています。ブックバインダーカーフは見てるだけでも楽しいですね。

脱線しますが、旧チャーチの流通量はこの10年でかなり少なくなったと思います。また、価格もとても上がったかと。以前は旧チャーチのデッドストックなら、大体5万以下で買える印象でしたが、今は8万くらいでしょうか。

昨今の値上げを考えれば、(また現行チャーチへの消費者の厳しい視線を鑑みれば)旧チャーチにニーズが流れるのはもっともかもしれませんが、高くない出費で買えるのがビン靴の良さでもあるはずなので、なんだかなあという感じもします。

11 チーニー製ロイヤルツイードのローファー

またもビン靴ですが、チーニー製のロイヤルツイード。ロイヤルツイードもOEMの世界ではロマンがあって良いですよね。

ヤフオクでデッドストック、しかもトライアンフ付が20,000円で販売されていたので購入。

革質が良いとか、履き心地が最高、とかではないけれど、「革靴ってこういうのでいいんだよな」と思わせてくれるチープな安心感があります。今も現役でよく履いています。

■中期まとめ

なんとなく、上手に新品を買い物しつつ、色々なブランドの靴を履くことができたかなという印象です。特に古靴が多いですね。多くを途中で放流してしまっているのは恥ずかしい限りです…。

3 現在(7年目〜現在)

結婚を機に、今まで手の出せなかった靴にも徐々に挑戦できるように…。

①ジョンロブ(茶箱時代) MARSHALL

高円寺の古着屋でデッドストックを発見し、10万円クラスは初めての出費でしたが、震えながら購入。茶箱時代のディスコンモデルであるマーシャルをデッド発見したら、そりゃ見過ごせませんでした…。

この靴はなんとも特別な雰囲気を放っていて、ダークオークアンティークのカラーがとっても艶めくて美しかったです。あとは革自体がとても贅沢に使われていて、履いていても革の分厚さがよく伝わり、感動しました。踵の食い付きも半端なかったです。

しかし、久しぶりに大失敗をしてしまい…。デッドストック故に表革が乾いていたのか、プレメンテ時にサフィールのレザーローションを塗布したときに、何箇所かシミでできてしまい…。茶靴のケアではよく聞く話ですが、今まで犯したことなかった失敗でしたし、よりにもよってジョンロブでやってしまうとは大変落ち込みました…。

その後、何度か履いたあとシューホリックさんにお売りすることに。これを教訓に、今後は製造から暫く経っている靴、特に茶靴の場合はプロの方にプレメンテしていただこうと胸に刻んでいます。

②エドワードグリーン CADOGAN

202のDウィズ

結婚の際、妻に婚約指輪を渡した後に、お礼の記念品として買ってもらったのがこのカドガンです。ウエストンの310などとも迷ったのですが、せっかくならと初めてのグリーンを買ってもらいました。

本当は82ラストのカドガンが欲しかったのですが、私のサイズだと展開がなく、当時銀座の東急プラザの中にあった正規店で何度も試着をし、202ラストを購入しました。

日用使いというよりは、妻とおめかしして何処かに出掛ける時などに履いていますが、大事に大事に扱ってます。長く大切にして、銀婚式でも履いていたいですね。


4 まとめ

このカドガン以降の愛靴遍歴は、以前投稿した記事(【今さら】2021年の革靴活動を振り返る)やその後のnote投稿のとおりです。

今回の記事で22足、過去の記事で9足、その他書いていない靴なども合わせると、この9年でざっと40足くらいを履いてきたと思われます。

今回ダラダラと振り返ってみて実感したのは、その失敗の多さ。これだけ買って、手放してきたというは褒められるものではありません。

シューケア的な失敗もそうですが、「安かったから」「履いてみたかったから」という理由だけで購入した靴は、ほとんど最終的に手元に残っていない現実は留意しなければなりませんね。

これからも色々な靴を履きたいですし、古靴や珍品にもチャレンジしていきたいですが、「一足一足を長く愛すること」を念頭に購入の検討をしていきたいと思います。

次の10年間、素晴らしい革靴たちに出逢えることを期待して、今回の記事は終わりたいと思います。

ありがとうございました〜。

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