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メドレーの皮を被った何か。ウボァーさん「好きな曲繋いで重ねたらAIきりたん達が歌ってくれるってマジですか?!」

※本記事の前半は著者の自分語りになりますので、楽曲紹介文のみ読みたい方は記事中盤の動画サムネがあるところまでスクロールまたはスワイプしてください。お手数かけます。


今年も無事開催!
ボカロリスナーアドベントカレンダー2021!

↑前年同様第二会場あります。書けたら書くというゆるいスタンスがいい


canna(なんか)と申します。
日頃はボカロをはじめとする合成音声音楽を聴いて、気になった曲の紹介をTwitterにて細々としてたりしています。
この度はobscure.( @voca6458 )さん主催による年末企画「#ボカロリスナーアドベントカレンダー2021」より、12月25日分を担当させていただきました。
まさかのトリ!もちろん狙ったわけじゃないですよ…開催告知があってから即日でほとんどの枠が埋まってしまって、自分のスケジュールを鑑みた結果入れられるのがここしかなかったというだけのことで…
しかし今年で3度目となりもはや恒例といって差し支えないこの企画、書くネタはとりあえず二の次としてとにかく参加したい!という思いで踏み切りました。

前日12/24担当の井上春さんの記事はこちら。どんなコアなボカロリスナーであったとしても元をたどればみんなここから始まってるんだよな…と、初心に返れる瑞々しい感想の数々が新鮮でした。



さて、そんな当方ですが、この場を借りて懺悔したいことがございます。


2021年の年間ボカロ10選は、選べそうにありません。


2021年ボカロ10選って何?とお思いの方もいらっしゃると思うので説明しますと、ボカロリスナーの間ではその年によく聴いた合成音楽を10曲、自身の振り返り兼他者へのお薦めで公表するという慣習(?)があります。
これを「〇〇年ボカロ10選」といいます。
年間ボカロ10選の提出はボカロリスナーとしての矜持であり生き様でもあるといってもけして過言ではないので、少なくとも自分に関して言えばこのボカロ10選の提出を諦めることは苦渋の選択であります。
この文化は2015年あたりから発祥しており、当初から毎年年末10選を提出していた当方としては、その記録が途絶えるという点でも遺憾の意を示さざるを得ません。


なぜ年間10選を提出できないか?という問いに対しては、シンプルに「ボカロ聴けてなかった」がアンサーとなります。
個人的な身辺事情をくどくど話しても仕方ないのでそこは省きますが、諸々の事情で"ボカロを聴く"という作業に時間を割けなかったのが原因です。当然、10曲聴けば10選を選べるなどという生易しいものではありません。あまたのボカロ曲を聴いて、その中から"自分にとってのその年"を象徴する渾身の10曲を選び抜く…という、"土台"なくしては成し遂げられない所業です。
それだけの土台を、2021年の自分は結果的に築くことができなかった。それが、当方が今年の10選を選べないと申し上げている所以です。


ですが、けして…この1年……ボカロを聴いていなかったわけでは……ないッ……!
という主張も同時にあるわけなのです。10選は選べないけども、それがただちにボカロを聴いてないとイコールになるわけではない。
そんな中で、「今年の1選です!」とは言い切らないまでも、今年1年を振り返ってみてひとつ、インパクトの大きかった動画があります。それを今回ご紹介することで、上記の主張に代えさせていただきたいなというのが、今回のテーマです。
その動画が、こちら!


ウボァーさん投稿、「好きな曲繋いで重ねたらAIきりたん達が歌ってくれるってマジですか?!」でございます。


(相変わらず前置き長いよ)


はい。
当アカウントでは滅多に取り上げることのない、ニコニコメドレーです。
不肖私、普段ボカロ曲チェックする時も基本オリジナル曲を求めて漁っているのでメドレーはスルー対象になりがちなのですが(ごめん)、この動画を一聴して圧倒されました。
これ、ただのメドレーじゃありません。
一級のマッシュアップ作品であり、さながら自宅がボカクラに早変わりするかのごとき珠玉のDJミックス作品です、これ。

2020年に一世を風靡したAIきりたんをはじめ、従来の様々なライブラリが所属会社(?)の別なく顔を覗かせたり、合成音声音楽だけではなくアニソンや往年のポップス曲などもごった煮のノンジャンルで次々に流れてくる展開は、いかにもニコニコメドレーといった趣き。
それこそ冒頭~前半は、メドレーのパプリックイメージを逸脱しない流れで進んでいきます。
それが中盤から後半にかけ、次第に様子がおかしくなってきます

個人的には「18. 水の星へ愛をこめて」のクソかっけぇ導入(動画4:25~)あたりからかなと思います。
ただし、ここまではまだ"メドレーの体裁"を保っています。
これが"(メドレーだけど)メドレーではない何か"に切り替わるのが、「21. かるみあどーるず × 22. ゴー・トゥ・大都会」~「23. エヌ」のくだり。
この流れからの「24. ダーリンダンス」のイントロが流れた瞬間、もうそこはボカクラです。私たちは今、ハコの中にいます。
こっから先はもう怒涛のDJミックスの快感に圧倒されるのみ。ボカクラといえば、曲と曲との"繋ぎ"が秀逸さの尺度として度々扱われますが、これ以降のメドレー曲ラインナップはもう全曲繋ぎが神。一個一個挙げてたらキリがない。聴けばわかります。
マッシュアップの取り合わせもまた、輪をかけて気持ちいいんですよねぇ…。選曲の妙…

めくるめく快感にうつつを抜かす中、最後に迎え撃つのが「30. 秒針を噛む × 31. 夜に駆ける」のマッシュアップコンボ。
誰もが思いつきそうな、盤石の「夜好性」二大巨頭ではあるものの、ここまで違和感のないマッシュアップはそうそうお目にかかれないのでは?ずっと聴いてるとどっちが「秒針を噛む」で、どっちが「夜に駆ける」のフレーズなのかわかんなくなってきます()また、AIきりたん×AIイタコという高性能ライブラリの掛け合わせというのも鬼に金棒というもの。

駆け足なスタッフロールを背景に「ハレタレイラ」と、朗々とした二人のハモりが響き渡る中、「夜に駆ける」のあの印象的なアウトロでバチッと締まる瞬間は、鮮やかすぎて目頭が熱くなってしまうほど。
曲が終わった瞬間、10分弱も経ってたことに時間差で気づきます。正直、密度が濃すぎて9分46秒という長丁場があっという間だし、アウトロの余韻が尾を引いてリピートしたくすらなってしまう。本当にニコニコメドレー作品の大傑作だと思います。


アドベントカレンダー参加の折に、より多くの人の目に触れてほしいという思いから、当作品を紹介させていただきました。
あまりにも具だくさんな作品なので意外に思われるかもしれませんが、作業用BGMとしてもうってつけです!作業の邪魔にならない程度にノリノリになれるので、捗ると思います(※個人の感想です)。
プレイタイムで二の足を踏まず是非聴いてほしい。特にクラバーの方ならば、絶対損はさせません!


以上をもちまして締めさせていただきます。
#ボカロリスナーアドベントカレンダー2021、参加された皆様お疲れ様でした。自分も本記事で楽曲紹介をさせていただいたことで、年の瀬になんとかボカロリスナーとしての矜持を保てたんではないかな、と思います。
主催のobscure.さんに本年もこの場を借りて御礼申し上げます。
そして最後に自分自身への戒めを。2022年は、もっとちゃんとボカロ聴こうな…


ここまでお読みいただきありがとうございました。よいお年を。



※サムネイルは紹介曲「好きな曲繋いで重ねたらAIきりたん達が歌ってくれるってマジですか?!」より拝借しました。問題あればご指摘ください。

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