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あの例のブツって音の対処法

セリフの隙間なんかによく、プツッとかボッとか入ってるものすごい美人だけど近づいたら鼻毛が飛び出てたみたいな勿体無い音声作品があるけれども、あれは何故入りますかというとちゃんとサンプルの両端がフェードされてなくて波形がぶった切られてるせいです。

周波数の分布と波形の相関は書くと長くなるので端折って解説すると、波形がカット編集などにより急にぶった切られて、そのぶった切られた波形のガケの高さが高けりゃ高いほどブツっとでかく入ってしまいます。

さて例により例によるRXで適当な超低い音を鳴らします。

適当にガケができるように範囲選択してDELを押します。

できました。鼻毛のようなブツッという音です。当たり前ですけどブツッのでかさは切られた開始点と終止点の振幅(dB)によります。

んでもって波形がゆるやかになっているところは

切ってもそこまででっかくは入りません。
ようは波形の急激な高低差ができないように切りゃ聞こえない程度に小さくなる、つまり波形が真ん中あたり(0dB)に戻ってきたとき、切ったところでガケができないよう切りゃブツッは入らないわけです。

nHz以下をカットすりゃ入らないんだろ?みたいな話

よくマイクプリやレコーダやらマイクなんかで80Hzだの160Hz以下をカットするボタンがついてますが、あれはこれを防げるかというと半分あたり。低い振幅の広いノイズを取り去ってしまえば、セリフの隙間のノイズの部分はノイズというランダムな波の都合上、切ってもプツっと言わないので

セリフの隙間のノイズしかない部分は切っても大丈夫です。急傾斜のガケを描くこともランダムのうちです。

しかしながら、セリフの隙間のノイズが電気工学用語で言うところのホワイトノイズであることは稀で、やっぱり環境によるノイズが入っている場合は小さく入ってしまうこともあります。


たとえばこれは20kHzと人間には聞こえない帯域の音が-7dB混ざっている状態ですが、切った切ったしていくと、低い音よりも小さいですがやっぱりプツッと入ってしまいます。ただ、いかなる環境でもこういうノイズが入ることはまず無く、実用としては低い方にはノイズが粉末スープの下の方のごとく溜まりがちなので低音をカットするスイッチがついてたりします。こないだ言ったDCオフセットもそんな感じです。

じゃあ高低差をなくすにはどうしたらいいか。

環境音なんかで鳴りっぱなしになるようなものはクロスフェードループでつなぎ目をごまかすのですが、音の終端が0dBで開始が0dBだった場合、ゼロからゼロで段差が出来ないのでプツッは入りません。

なので予め切った貼ったするファイルの開始と終端をフェードイン・フェードアウトさせておくと絶対に入りません。またDAWのオートメーション機能によるボリュームカーブでも同じ結果を得ることが出来ます。また、自動で入れる設定にできるDAWもあります。全力手コキ!

入れちゃったときの対処法

僕も書き出してから気づいたりします。まぬけです。
それの対処法です。

・RXのInterpolateというメニュー
・RXのDeclickのプリセットにあるDiscontinuityとかそういうぶった切られた波形の修復用プリセット
・Audacityのクリックノイズ除去

などがあげられます。Interpolateはキレイに修復できる半面、最大4000サンプル(44.1Khzだと0.09秒くらい)しか選択できないので、僕はRXのDeclickのRandom Discontinuityプリセットでやってます。

このようにわりとサクッとブチブチがとれますが、例により耳なめやキス、パンパン音などの短い音も巻き込んで消すので範囲を選択してかけてやる必要があります。

そんなわけであの忌まわしいプチプチの対処法でした。

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