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ハイレゾ音声作品というハッタリ

ハイレゾ音声作品をよく見かけますが、頭から尻尾までハイレゾであるモノの方が少なく、効果音あるいは声だけハイレゾとかの「部分的ハイレゾ」はまだしも、ようするにアップサンプルをカマしただけで、音質がCD互換のままのファイルサイズだけデカくなって売られている作品群が同人音声界隈ではとっても多いです。名指しで言うのは馬鹿馬鹿しいほどに言ったらキリがないほどです。

見分け方についてですが至極単純です。スペクトラムと波形です。
波形を拡大して段々を数えたりするよりはこっちが手っ取り早いです。
音楽だといらない高い帯域をローパスしてたりすることも多いのですが、同人音声でそういうことやる人はあんまりいないので「だいたいあたりの精度」の検証法だとおもってください。

-スペクトラム-

まず、誰でも使えるイカスフリーウェアであるAudacity(RXでもAudtionでもFLStudioのEdisonでも表示できるものならOK)に投げ込んで、昨日書いたスペクトログラムビューで見てみます。22050Hz付近で色のついたところがバッサリと無くなり、そこから上はのっぺりと灰色一色なら間違いなく単なるアップサンプルです。
22050Hz付近にディザ、ちょうど上から下に向かって薄くなってるグラデーションのようなものがある場合、Audacityのデフォルト設定で44100Hzの16bitで書き出された音声ファイルが概ね使われています。他の録音ソフトでも書き出しのさいに勝手にディザをいれたりもするのでそっちかもしれません。

ディザって何ですか?というと、音声ファイルのビット深度を下げた時にちょっとノイズを加えておくと、あたかも原音に近い感じでダウンサンプリングできる、というか劣化をごまかせるという感じのもので、Wikipediaに丁度図解があるし、自分が説明しても似たようなこと言うし、画像を1枚しかアップできない上に書くのがめんどくさいんでググってあげてください。ディザで。

-波形を見る-


波形を見る際にはまず検証するファイルをAudacityに投げ込んで波形ビューにしてみましょう。虫眼鏡アイコンを連射して波形の振幅が見られる程度に拡大します。

比較用に隣に同じサンプルレートとビット深度の、真面目にハイレゾ収録されたファイルやCD音質のファイルなどを読み込み、モノサシとして使用するとわかりやすいです。

するとハイレゾのほうが圧倒的にギザギザした線で描かれるというか、細かい起伏があるというか、上の方にあるキャッチ画像(同じ音声ファイルを単純にリサンプルしたもの)にあるとおりに波形の再現性に優れます。原音に近いです。聞くときそこまで違いがあるもんじゃないけど、そういうもんです。画像、なんで1枚しかアップできないんだ。

-ファイルサイズ編-

FLACとかいう対空砲みたいな名前の圧縮フォーマットがハイレゾを普段聞く人には「あー」とかそういう感じなんですが、あの圧縮アルゴリズムは実効ビット深度で行われるため、16bitの音源を単純にアップサンプルしただけでは実際に24bitや32bitで収録編集されたFLACファイルに比べてファイルサイズが小さくなり、16bitのファイルをそのままFLACに圧縮したときと似たような、少し大きい程度のファイルサイズになります。

-じゃあ俺たちを騙してたんだな?-

たぶんそういうことではなく、考えられる原因は多分「よくわかってない」に尽きると思います。ハイレゾと言うものがなにやら音質が良いとのことで、ようするにサンプルレートがでかいとかそういう曖昧な認識で、ある日編集ソフトの設定項目をいじったらたまたまサンプルレートをいじれることを発見し、ああうちもハイレゾを売れるぞというわけで売ってるとかそういう感じなんでしょう。
売ってる本人を目隠しして「どっちがアップサンプルされたファイルでしょうクイズ」をやってもそうそうわかんないと思います。俺だってわからないから気にすんな。頒布って言わなきゃいけないんだっけ?まあいいや。

だから、もし確信犯でやってるなら相当ふてえ野郎ですが、同人というのはド素人やヘタウマが許されるフィールドだし、僕もヘタだけど熱意を感じるような作風はとても好きなので、大目にみてあげる余地は十分にあります。
が、少なくとも僕はそういったハッタリハイレゾ音源を売るようなサークルについては軽く見ちゃうところがあるし、誰しもが看板と違うようなものを売る店には二度と来たくないと思うし、いろんなハイレゾ対応を謳う(あれも色々言いたいが)製品が流行ってて、今後ユーザのハイレゾに対する理解が深まっていくもんだと思われるしで、このままそういうことをやり続けた場合、売上が先細りになったりするかもしれません。知らんぞ。

そんなわけで難聴気味であったことが発覚し、世界中に火を付けて回りたい気分を中和するために書きなぐったクソ記事でした。
マジで傷心気味です。傷ついた僕の心(チンポの隠語)を直腸壁で優しく包んで括約筋で抱きしめてくれるようなえっちなお姉さんがこないかな。

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