「英語ができる」ようになるために達すべきレベルと成長の方法

まず断る必要があるのが、私自身英語を使って仕事をする経験は4年以上になるが、英語を流暢に話せるわけではない。しかし、英語の勉強方法については30冊以上の学術本からHow-to本までを読み漁り、また数年間の英語学習歴の中から、最も効果があると思い至ったことがあるので、小難しく普通のことを普通に言っているだけのまとめになるが、いったんの到達点として書きたいと思う。

※全体として論理関係の正しさや表現の修正、誤字訂正等は行っていない

1.英語ができるということ


英語の機能≒言語の機能である。そして、言語の機能は、人に与える外的刺激及び内的刺激を蓄積・交換可能な情報として認識させ、保存し、共有できるようにする機能(情報の認知・保存・共有機能)である。
これを、具体的機能の観点からざっくり分けると、

1)知的活動の基盤
・論理的思考力の基盤
・知識の獲得と能力形成にかかわる
2)感性・情緒の基盤
・言語を通じて美的感性や豊かな情緒を培う
3)コミュニケーション能力の基盤
・意思や感情等の伝え合い
・人間関係形成能力の根幹
(*)言語の働き(機能)と仕組みについて(教育課程部会言語能力の向上に関する特別チーム資料5)参照

という機能に分けられる。

つまり、英語ができるということは、英語を
1)知的活動の基盤として、
2)感性・情緒の基盤として、さらに
3)コミュニケーション能力の基盤として
利用することができる状態だといえる。

2.英語能力の要素分解

英語によってこのような機能を果たすためには、単純化すると

1)インプット機能
・Reading:英語文の意味を理解できること、
(内的刺激の場合は、自らの感情・情緒を英語文として認識できること)
・Listening:英語音声を聞き取ることができ、その意味を理解できること
2)アウトプット機能
・Writing:表現したい英語文を瞬時に作成できること
・Speaking:表現したい英語文を瞬時に作成&英語音声を発生できること
3)1)2)の前提となる膨大なデータベース
・Reading, Writing:単語、文法構造
・Listening, Speaking:単語、文法構造、音声認識(音と単語がリンクしていること)
4)1)と3)、及び2)と3)をつなぐ情報伝達バイパス(後述)の高い処理機能

が最低限必要となる。
4)の情報伝達バイパスの意味について、
人の脳内ワーキングメモリの処理容量は限られている。例えていえば、1)2)のインプット・アウトプットシステムと、3)のデータベースをつなぐ情報伝達バイパスが狭く渋滞しがちな状態といえる。

そこで、
①インプットした情報から情報の全体像を脳内補完し(*)、または
②インプットした情報及びアウトプットする情報の情報処理効率を高める(**)
ことによって、1)インプット機能及び2)アウトプット機能のそれぞれと、3)データベースとの情報伝達処理の効率性・処理機能を強化する必要がある。
この処理機能が損なわれると、3)のデータベース処理が追い付かなくなり、英語で聞いた情報を忘れやすくなったり(情報保持の失敗)、ジェスチャー等他のことに気が回らなくなり不自然なコミュニケーションになったり(情報共有の失敗)する。
(*)バイパスに全情報を通さないイメージ
(**)インプットしたorアウトプットする情報パケットをできるだけ小さく圧縮し、かつ高速でバイパスを通すイメージ

3.ビルドアップの方法とその教材

(1)ビルドアップの方法

そこで、英語ができるようになるためには、最低限、

3)のデータベース(単語、文法構造、音声認識)を常に増強・更新しつつ、
4)の情報バイパスの処理機能を向上させること、つまりデータベース上の情報を瞬時に・自由に検索、照会、構成できること

が必要となる。4)については、インプットとアウトプット、情報伝達バイパスの処理機能は、それぞれに必要な情報処理機能が類似しているため、いったん情報処理機能としてまとめて考えるのが簡便だとして、抽象化してまとめている。

この3)4)のビルドアップの手法として、最も良いのが、まず
①基礎的な3)データベースを作成(単語・文法構造・音声のインプット)した上で、
②エラー(単語や文法のNotFound、インプット・アウトプットの流暢さの欠落等)が出た際のデータベースへのFeedbackと情報処理機能向上を意識しつつ、実際に母国語で生活上利用している単語、文法構造、音声を繰り返しインプット・アウトプットすることである。
人の時間は有限であり、使わない単語・文例を覚えても意味がない。逆に、日常で使う言葉は、英語を利用している局面でも利用する。そこで、日々の生活における内的刺激・外的刺激の情報認知、保存、共有を全て英語に置き換え、

1)知的活動の基盤として、
2)感性・情緒の基盤として、さらに
3)コミュニケーション能力の基盤として

英語を利用すること、不足する部分は学習することが必要になる。

そして、母国語にできて英語にできないことは全て学習対象事項であり、その対象事項が減れば減るほど「英語ができる」ことに近づく

(2)ビルドアップの教材

であれば、このような能力のビルドアップの方法としては、基本的な知識をインプットした上で、日常生活を含めて英語を使わざるを得ない外資系企業への就職・転職や英語圏への就職・駐在を通じて英語をブラッシュアップすることが最短ルートとなる。

しかし、そういったチャンスを得ている人ばかりでないから、自らの努力のみで英語を使用できるよう、次善の策を検討する必要がある。

まず、日常生活に支障のない範囲で英語の生活をすることは可能だから、まず、どこまで英語を利用する生活にできるか試してみる。

次に、日常生活で英語を使えない箇所や、それ以外でも集中的にある分野に取り組みたい場合、NetflixのLanguage Learning with NetflixというChrome拡張機能をお勧めしたい。

機能はこちら

• Subtitles are shown in two languages, allowing you to compare the original audio and text with a translation in your language.
• The extension allows you to listen to subtitles one at a time, and to change the playback speed.
• There's a pop-up dictionary, and the extension suggest the most important words for you to learn.
'Pro' Mode enables additional options for subtitle translation, and the ability to save words and phrases. These will be highlighted whenever they occur in the subtitles.

特に、英語字幕・日本語字幕同時表示と、Proモードの単語・文の双方保存可能な点がお勧めポイント。
日常生活で使う英単語や文章を単語帳等から拾って覚える作業は時間の無駄になりがちなので、この機能を利用してダイレクトに日常の使用ケースで、自身の鍛錬が足りないシーンに則した英語を学ぶのがよいと思う。

なお、ビジネスユースとそれ以外の場面では使う英語が異なる場合も多い(日本語で家族と過ごすときと上司と会話するときの日本語は同じではない)ので、利用シーンをカテゴライズして、優先的に鍛えるべきシーンを分析、鍛錬するのがよいと思う。

(3)基礎的データベースの構築方法

(ア)単語

どの単語本でもよいが、使用場面が想像できるよう工夫されているものを利用する必要がある。最低限文例と発音記号が載ってあるものがよい。

(イ)文法

特に、仮定法など、体得しにくいが良く使うような文法について、自身が納得のいく説明をしているものを選ぶのがよいと思う。

(ウ)音声
発音記号を学習したうえで、Jinglesの本のCDを飽きない程度に繰り返すのがよいと思う。

(エ)英語学習方法論
英語学習をするにあたって参考になる書籍は無数にあるが、分かりやすく、また分かった気にさせてくる書籍はこちら。特にインターネット業界関係者にとっては親和性の高い説明がなされており、おすすめ。




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