仕事における業務整理表の作成について

1.業務マネジメントの必要性

 企業は、人、モノ、カネ、情報を投資して、リターンを得る営利事業を行っている。企業に勤める者は、こういった営利活動、もしくは営利活動を支える何らかのタスクのうちの一部を、自身の業務として担当している。
 順調に社内で信頼を勝ち得ている人であれば、どこかのタイミングで、自身の業務の停滞が、こういった会社の営利活動の進捗に直結するような仕事を担当するようになる。人の業務処理能力は有限であるから、自身の仕事をマネジメントしておかなければ、業務処理能力を超えた時に企業の営利事業のボトルネックとなってしまい、会社の利益獲得活動に(機会)損失を与えてしまう。
 そこで、企業は、業務マネジメント能力のない者をそういった重要な戦線に立たせない人材登用が必要となってくる。
 一方、従業員としては、そういった重要な戦線にいると会社のリソース(人、モノ、カネ、情報)にダイレクトにアクセスし、規模の大きい事業の一端を担うことのできるやりがいや、プロモーションによる地位向上、給与上昇による生活の豊かさ等につなげることができる。そのため、業務マネジメントをすることにより、会社の事業活動における重要な戦線を担えることのアピールをする必要がある。

2.業務マネジメントにおける受任業務整理の重要性

 業務マネジメントは、どの業務を受任し、受任した業務を整理・優先順位付けし、業務を処理する、という3つのプロセスに分類できるが、今回は業務の整理・優先順位付けについて考察する。
 業務は、メール、口頭、電話等様々な入口から、様々な納期、様々なレベル感でタスクリストに入りこんでくる。こういった業務に関する情報の整理が、自らの業務効率の向上に役立ち、また自らの業務を可視化することで、重複して業務を担当している自らの上司や部下との連携が容易になる。

3.業務整理のポイント

 業務整理にあたっては、業務整理に必要な各業務のキーポイントを抽出・可視化することが役立つ。各業務に共通するキーポイントは下記のとおり。
①時間軸(どのタイミングで、何をするか)
②成果物(①の時間軸の中で、どのタイミングで、どんな成果物がでるか)
③ボトルネック(②の成果物を生み出すためのボトルネックは(人、モノ、カネ、情報、時間等のうち)何か、またどのタイミングで発生するか。)
④重要性(重要性の判定指標は所属する企業によって異なる。担当案件の規模かもしれないし、上司の好みかもしれない。ただし、どの業務にも時間軸があるから、時間的余裕がない場合は重要性が高まる)

4.業務整理による信頼獲得

 担当している業務を端から記憶している、もしくは聞かれた瞬間に必要情報をすぐに提示できると、業務を信頼して任せることができるという信頼につながる。業務整理ツール(たいていExcelとかSpreadSheetなどで作成するかと思う)を作成、利用することはメリットしかないので是非実践いただければと思う。
 ただし、記載事項が細かすぎると、入力が面倒になり表の更新を怠ることにつながるし、管理に時間を割きすぎて事業を進めることに時間を使えない等の弊害がある。上司の好みもあるので一概に言えないが、自身の中で業務の優先順位付けができる程度の情報と、周囲の信頼獲得のために瞬時に回答できる必要のある情報のみを表に掲載すればそれで足りるかと思う。
 もちろん、上司への業務報告資料にするなど、業務整理とは別の目的を付け加えると、別の考慮が必要になるので、記載事項が増えるかもしれないが。

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