称賛、助言、感想。

スキマ時間に圧倒的に弄り回してチェックしているのはTwitterだ。
次いで、小説投稿サイトを開いてしまう。
お気に入りの小説(連載)を見つけたらブックマークをポチって更新を楽しみにする、そんな習慣が社会人になってから出来上がっていた。

私は「小説家になろう」というサイトを愛用している。
今回はそこの感想コメントについて綴ろうと思う。

感想コメントは、作者が開放していれば利用できるシステムである。
「小説家になろう」では作者が作品ごとに制限なしで開放・ユーザーのみ開放・感想受付なしを設定できるので、どうしても熱い感想を伝えたくてもその作品の感想欄が開放されていない場合は作者に直接メッセージを送るしかない。
まあ、大抵の作者は開放しているので、昨今のSNSのようにメッセージを届けるハードルは下がっている。
罵詈雑言のようなマナーの悪いコメントが殺到でもしない限り、読者は感想を伝えやすくて作者を応援しやすいし、作者はある程度の力量さえあれば承認欲求を手軽に刺激できる良い構造だと思う。

前置きが少々長くなったが本題は、私がコメントする場合に気を付けていること、以下4点だ。

1.当然、無礼な態度は取らない
2.面白いと思った・良いと感じた点を具体的に褒めちぎる(称賛)
3.誤字脱字衍字や、より良いと思われる表現は該当箇所を明確にしつつ控えめに伝える(助言)
4.続きを読みたい気持ちや、作者のモチベーションへの配慮があればそれも素直に書き連ねる(感想)

1点目は当然のことなのだが……たびたび自身の心情のみ書き連ねて作者に対してストレスを振り撒いていそうなコメントを見かける。
見かけるたびに、同じ振る舞いをしていないか省みたり自戒したり、とにかく気を付けるようにしている。
私は、次話や次回作を読みたいから、コメントをしているのだぞ……!(つよい自戒)

2点目は、テレビやネットやらで「最初に褒めろ」と心理的な観点の話を見かけたり、経験上貶されたあとに褒められてもあまり響かない覚えがあったり、なんとなくそうしている。
まあ面白いからコメントしている時点でまず如何に私は面白いと感じたかと伝えるために、どこそこが素敵!素晴らしい!良い持ち味ですね!私こういうの好き!と褒めちぎるのが私のスタンダードになっているだけなのだが。
例え作者自身が「くどい表現・展開かも……」とたびたび心情を最新話の前書きや後書きに綴っていても「無闇に端折らない緻密な展開は素敵な個性・持ち味だと思うし私はとても好ましく思っている」と持てる表現を駆使して全力で褒めちぎる。
特に小説投稿はほぼ初心者で自分に自信がないオーラを撒き散らしている人だったら、とにかく完結まで筆を折らないように祈りつつ褒めちぎる。
一話書いて投稿してる時点で有象無象より努力も才能も素晴らしいんですよ!!!(怒)、というボルテージ上がった本心を包み隠した称賛をとにかく書き込むのだ。
私はあなたが書いた小説を読んで面白いと思った、その核を美辞麗句で飾って作者に合わせてコメントとして送るのも小説家になろうの楽しい部分である。

3点目は、誤字脱字衍字はもしかしたら作者の意図的表現かもしれないし、より適切な語句や表現があると思われる部分も私の意見でしかないので……押し付けがましくないように気を付けている。
これも作者に合わせて、初心者オーラを出している方であれば「△□のような表現を用いればより多くの人に行間が伝わりやすくなると思います」、熟れた書き方をしている方には見つけたら「○○話の〜〜部分に誤字脱字衍字と思われる部分がありました」、などと書き込んでいる。
個人的には読解困難になるほど誤字脱字衍字だらけでなければ重箱の隅をつつくように指摘しなくても良いと思っている。
細かいことは書籍化の打診が来た際にプロが指摘するだろうから、モチベーションに繋がりそうな気付きがあったら伝えるぐらいで良いのでは……?
例えば、ある程度の行間や背景を文面から察することで面白さが伝わってくるような書き方をしていたらもう少し間口を広げられるような助言をしてみる、とか。
ただの読者が編集者の真似事をするのは恐れ多いが、感想欄は少なからずそういう面があるのでひたすら作者に配慮さえすれば気付いたことはどんどん言っても良いと思う。
ただでさえ面白い小説がもっと面白くなった!と自分の喜びに繋がるだろうし。

4点目は、連載の場合など最新話が出る度にコメントを寄せると毎回褒めちぎるのは不自然になるので……
私の場合は、ごく普通に読後感や現状の伏線から考えられる今後の展開の想像を書き連ね、更新が楽しみであると表現している。
あるいはストレートに「次話が大変気になります」と書いたりする。
また、前置きや後書きで作者が何か読者へ向けたメッセージを出していればそれに対応したコメントを書くこともある。

気を付けているというよりはこんなふうにコメントを書いているという話になった。
まあ、大事なのは面白いと伝えることと続きや次回作が楽しみだと伝えることだ。
熱を入れて応援のコメントを書き過ぎて、初心者オーラを出していた作者に「いつもご指導ご鞭撻ありがとうございます、励みになります」と返信されるといたたまれなくなるが……初期に比べて我流を掴み始めて一定のファンを得て複数のコメントを寄せられていると、感慨深いものがある。
あと読者的には返信があるとまたコメントしたくなる。
作家の卵を見出す感覚だろうか……?
とにかく応援したくなる。
そうして内心応援していた方が(私以外からも複数の助言を受けて)筆力を向上させると、作品が面白くなっていく以上に嬉しいと思う。

というわけで、小説投稿サイトは面白い小説を読むだけではない楽しさがある。
まあコメントを書けるものごと全般に当てはまるだろうが。
あなたも是非、よく利用するサイトやアプリにコメントシステムがあれば清く正しく利用してみてほしい。
ワンクリック評価だけでは収まらない熱意を伝えられるのは、あなた自身の言葉だけである。