電子書籍のコンテンツについて(出版社別・その2)

どうにもその1で更新できなくなってしまったのでその2を作りました。その1同様随時書いたり消したりされます。

スクウェア・エニックス

販売頻度と価格:印刷書籍との同時販売にとても積極的。最近の電子書籍店のほとんどは0時更新のところが多いため早売りが可能な地域でない限り入手できるスピードは電子書籍の方が早いかもしれない。そのかわり、価格は基本的に印刷書籍と同じである。

収録内容:印刷書籍との間にある不満点を極力排除するため、スクウェア・エニックスでは全ての作品においてExtra Contentsとして巻末にカバーとカバー下に使われた画像を収録している。電子書籍業界においてパイオニア的な存在である。カラー版は特に発売されていないが、ハイスコアガールなどで単行本の次の1話が読める特典付のものを発売するなど時々試みは行われている。

キャンペーン:同時展開は行うが派手な値下げキャンペーンはほとんど行わず、1巻半額を数作ずつ入れ替えて行っている程度。昨今では期間限定配信の形式で「ほぼ月刊おためしガンガン」という試し読み可能な作品を収録した電子書籍を各店で配信している。

画質:基本的には集英社などと同等のクオリティだが段階的にページ単位のサイズが増加している作品もあるようだ。単行本の場合大体10MB単位で容量があがると画質が変化していく。サイズの変化には注意。

買うなら:同時展開が基本の出版社のため、基本的には取り扱いやすい店舗で買っていれば問題ない。自分がひいきにしている電子書店で購入しても何ら問題ないだろう。

キルタイムコミュニケーション(KTC)

販売頻度と価格:販売価格は印刷書籍よりも安い。抱えているコンテンツ自体があまり多くないため発売されるコンテンツの数は少ない。発売は有名タイトルの場合同日発売どころか数日先行して発売されることもある。

収録内容:先のスクウェア・エニックス同様最初からカバーとカバー下のコンテンツを合わせて提供していた出版社。自社でPDF販売していたノウハウがあるためかごく当たり前のように収録されている。カラー版や特別編成版といったものは現在認められていない。

キャンペーン:基本的に行われない。それぞれの書店でキャンペーン対象作品に一緒に織り込まれる程度にとどまる

画質:画質は現在の高画質コンテンツと比較するとあまり良いとは言えなくなっている。現在の最高水準で300KB/Page(eBookJapan)、340KB/Page(Kindle)

買うなら:発売日の早さからニコニコ書籍、BOOK☆WALKER、eBookJapanまた最近はKindleも対象になるが、ここは敢えてPDFで販売しているDMM.comかもしれない。R18作品の取り扱いも多くそれらもすべてPDF販売のため、DRM付書籍が苦手だという人には非常に扱いが良い。またストリーミング形式でも販売されており、その価格は印刷書籍版よりさらに安い。

白泉社

販売頻度と価格:売れそうなときに売る、出来た時に売るという感じが正しいのか、一定のスケジュールに則った販売は行っていない。映像化作品のリリースは割と早く積極的。推したい作品は特別小冊子を配信したり、印刷書籍よりも早く発売したりなど多くの試みを行っている。価格は印刷書籍版とほとんど差はない。

収録内容:基本的に単行本ベースでマンガパートのみを販売する。カラー版も数作品発売している。価格は高めだが色味については購入を検討しても良いレベル。

キャンペーン:新しい試みを行う場合全店舗展開で大きなキャンペーンを行うことが多い。(ヤングアニマルや楽園の発売など)その他は各店のキャンペーンに紛れ込む程度。

画質:Kindleで発売可能な品質でデータサイズは調整される(集英社画質ともいえる)。これは基本的に例外なく、雑誌も同程度のページ単位のデータサイズに収まる。なので、高画質化に積極的な出版社と比べると少し画質に物足りなさを感じてしまう。一部の雑誌でKindleだけ見栄えが悪かった現象を起こしているものがみられたが、昨今のリリースではそういったものはなくなってきているようだ。

買うなら:これも一般電子書電ではなく白泉社直営の電子書籍店白泉社e-net!を推すべきだろうか…最近分かったことだが白泉社が販売している電子書籍の数は2760点( http://www.hakusensha-e.net/1st_fair.html )ほかの書店はその数より100点以上異なっているところが多い。ただ、白泉社作品だけの販売店なので、一つの書店に絞りたい場合はeBookJapanが企画として優位に働くことがあるので注目しておきたい。先日始まったヤングアニマルの販売もeBookJapanでのみ3冊分無料の他に残りの7冊を半額にするキャンペーンを行っていたりする。なお、ガラスの仮面は現在白泉社の都合で販売休止中(再開見込みはまだある)、映像化された作品のうち夏目友人帳だけは未だに2巻で止まったままであるため、それらを狙っている人は今は静観していた方が良いだろう。

芳文社

販売頻度と価格:販売頻度としては何かしらの作品を毎週数冊程度コンスタントにリリースしていく様子が伺えるが、販売タイトルが安定しないうえ、発売作品が書店により大きく異なる。アニメ化作品は放映が始まるころに必ずリリースされるが終了後続刊が既刊に追いついたりすることも少なく、そのままリリースが停滞することもあるため、割と電子書籍だけで揃えたいという人にはハードルの高い出版社である。そのため、無駄は承知の上でアニメ放映終了後などは特に販売タイトルのリクエストを欠かさずやっていこう。価格は数十円程度だが安く販売されている。

収録内容:基本的にカラーページはそのままカラーといった感じで印刷書籍の製本時の内容に従っている。BookLive!など出版デジタル機構系列では奥付や他の著作者の応援漫画ありカバー裏・カバー下なし、eBookJapanでは奥付・応援漫画なしカバー裏・カバー下ありといった感じで書店で収録内容に差がある点も注意が必要。買わないとわかりにくい部分であるので購入する場合には相応の経験を積む必要があるだろう。

キャンペーン:あまり実施されない。昨今映像化作品が多いため、そのキャンペーン時に乗じることは多い。

画質:画質は4コマ作品が最低限の画質で、コマ割り型のマンガの方がよりデータ量が大きい傾向にある。リリース作品のデータサイズ的にはHyCフォーマットで作成しているKinoppyに軍配が上がる。

買うなら:Kindleなどは映像化作品が欠かさずリリースされておりその範囲で十分であれば書店を選ぶ必要はないが、芳文社作品に興味が出てきてより作品を知りたいと思ったとき品ぞろえがより多いのはKinoppyやeBookJapanだ。すでに休刊になっているつぼみシリーズの単行本は現時点ではこれらの書店くらいにしか置いていない。Kinoppyの収録内容はどちらかというとBookLive!寄りになるため、カバー裏やカバー下が楽しみという人は迷わずにeBookJapanを利用することをおススメする(但し、応援漫画の収録の可能性は絶望的だが)。



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