eBookJapanのデータサイズランク

ようやく最近高解像度のPCのディスプレイで読書ができるようになる方法がみつかり、本格的に画像サイズや画質が重要になってきました。

eBookJapanはよく、データが綺麗だと言われますがその理由の一つにデータサイズが大きく、それに伴って画面サイズが大きいという点が挙げられます。…とはいえ、実際買ってみるとおや、思ったほどではないなと思うものも少なからずあると思うのですが、実際のところ画像のサイズってどの程度なんでしょう?

eBookJapanのPC版リーダを用いて、WQHD(最近の呼び方では2Kと呼ばれるくらいの解像度で一般に2560x1440とされる)のディスプレイ上で横回転させて縮尺100%にしたときの画像の幅の長さで、各出版社のなかからなるべく最近買った本で計測しランクを分けてみました。

上図はランクごとのデータレート分布になります。左に行くほど読書データの基礎画面サイズ(例:台紙)が大きくなりディスプレイが高解像度でも引き伸ばしがおきません(逆に低解像度だと思い切り縮小されます)。上に行くほど基礎画面サイズの中にぎっしりと画素データ(写真でもなんでも台紙に貼り付けようとしているもの)が詰まっています。つまり高精細な画像データとなっています。
ただし、上図のように基礎画面サイズとデータレートは必ずしも比例していません。これはすなわち、「でかいキャンバスに小さな写真を引き延ばしたものを貼り付けた」とか「小さなキャンバスに大きな写真を押し込めた」というゆがみが生じているデータもある可能性があるということです。これについてはeBookJapanの進撃の巨人15巻を立ち読みでもなんでもしてみると良いと思います。トーンが決められた間隔で配置されていないとか拡大してもその状態が維持されるとか他と比べると下手な縮小をしているように見える現象があちこちに見えるはずです。つまり、バランスも大切ということになります。

ランク1

俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件6(一迅社)[1020KB/p]
かんなぎ9(一迅社)[600KB/p]
かんぱち7(一迅社)[500KB/p]

いずれも一迅社のコミックスになります。WQHDでこれだけの幅で、縦が入り切っていません…4Kクラスだと思います…カッコ内の数値はデータレート(ページあたりのデータサイズ)になります。一迅社はだいぶ以前から画像サイズだけは大きめに確保し、トーンの細かさには定評がありました。対応した当初はそれほど画像に精細さはありませんでしたがデータレートがメガごえした昨今名実ともに最高クラスのデータを提供してくれています。

ランク2

進撃の巨人15(講談社)[960KB/p]
ゴールドハイ2(竹書房)[870KB/p]
スンデレ!5(日本文芸社)[830KB/p]
つぐもも14(双葉社)[760KB/p]
ネメシス20号(講談社)[750KB/p]
英雄伝説空の軌跡SC1(エンターブレイン)[690KB/p]
モンスター娘のいる日常5(徳間書店)[680KB/p]
マジカルシェフしずる3(アース・スター エンターテイメント)[610KB/p]
妹はアメリカ人2(マイクロマガジン)[600KB/p]
さんきゃくイーゼル(ぶんか社)[580KB/p]
ヘタレ姉4(ジャイブ)[550KB/p]
幻想のヴェルトール3(ワニブックス)[530KB/p]
夢喰いメリー13(芳文社)[530KB/p]
PANDRA(キルタイムコミュニケーション)[500KB/p]
許嫁協定5(角川書店)[500KB/p]
放課後ラッキーガール1(富士見書房)[470KB/p]
高尾の天狗と脱・ハイヒール1(竹書房)[450KB/p]
かんぱち6(一迅社)[350KB/p]
魂魂ハラスメント1(ノース・スターズ・ピクチャーズ)[250KB/p]
ひらめきはつめちゃん5(マッグガーデン)[200KB/p]

eBookJapanで取り扱っている多くの出版社が現在このサイズで提供しています。横にして見開きで見ると少し縮小してしまう程度の大きさです。iPad Retinaレベルで見る分には最適なサイズ。それでもデータレートは様々。500KB/p前後のサイズがあれば鮮明さが増します。eBookJapanの講談社作品の取り扱いは大体750KB/p前後。他店はその3分の1程度になります。進撃の巨人だけ異様なデータサイズになる傾向があるのですが、画面サイズが伴っていないため、15巻ではトーンの処理がうまくできていないようです。後述のマッグガーデンのケースでもそうですが、このランクにいる竹書房の2作品、解像度が大きい方がマンガ作品、低い方が4コマ作品です。基本的に同じ出版社でも4コマ作品と普通のマンガ作品のデータサイズは大きくかけ離れているケースが多いです。なぜなんでしょうね…?

ランク3

ローリング☆ガールズ1(マッグガーデン)[840KB/p]
輪るピングドラム2(幻冬舎)[710KB/p]
ゴールデンタイム6(アスキー・メディアワークス)[510KB/p]

アスキーと幻冬舎とマッグガーデンがこのランク。ランク2よりも多少小さ目。マッグははつめちゃんがランク2の割に4コマの宿命かデータレートが低かったのでマンガ作品を入れてある。ローリング☆ガールズはマッグガーデンで初めて同日発売&表紙コンテンツ入りを果たした作品であり、鳴り物入りなだけあってかデータレートも非常に高い。(進撃の巨人15巻のように高いからいいというわけでもないのだが…)今後この傾向が続くかは不明であるが期待が持てる進化を始めている。

ランク4

のうりん7(スクウェア・エニックス)[340KB/p]

スクウェア・エニックスのコミックスはこの大きさ。一気に小さくなる。このサイズになってくるとデータレートも伴い大きい画面ではややぼやけ気味になる作品が出始める。細かい文字が見えにくい作品も出始める。

ランク5

ナナとカオル14(白泉社)[460KB/p]
Web Magazine KATANA(イーブックジャパン)[340KB/p]
実は私は10(秋田書店)[330KB/p]
女子大生の日常2(メディアファクトリー)[330KB/p]
僕らはみんな河合荘6(少年画報社)[330KB/p]
魔物鑑定士バビロ1(集英社)[300KB/p]
かんなぎ8(一迅社)[230KB/p]
ふだつきのキョーコちゃん3(小学館)[220KB/p]
かんぱち5(一迅社)[210KB/p]
進撃の巨人1(講談社)[170KB/p]

大手出版社のうち3社がこのランク。このくらいのサイズになると横にしてもかなり余裕で画面に収まってしまい、iPad Retinaクラスにおいて画面いっぱいに見てるときはたいてい引き延ばしてみていることになる。Kindleがやってきたころの標準が大体このあたりで、いうなれば電子書籍元年以降特に進化していないグループがここに集まっている。一迅社の電子書籍は時代を見越したデータの進化がとても激しく、かんぱち5、かんなぎ8巻が出たころはまだこのランクだった。

ランク6

風まかせ月影蘭(販売終了品)

電子書籍元年以前はこのくらいのサイズで売られていたという参考。このサイズになるとWQHDのディスプレイで画面いっぱいに拡大して見てみた場合ドット絵を見てるかのようにあからさまなブロック状のピクセルが表示される。こう見ると電子書籍のデータもかなり高解像度、高精細化を果たしているように思う。

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