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「ミライをつくろう! VRで紡ぐバーチャル創世記」。GOROmanさんに直伝された衝撃

5月24日は、私の没入型VR初体験の記念日です。長い間、観察型VRのSecond Lifeを楽しんでいた私は、Oculus Rift DK1で驚いているYoutube動画を知っていましたが、解像度が低いので魅力的な体験はまだできないと判断していました。

その誤った考えを打ち砕いたのが、2014年5月24日に開かれたUnity道人会の休憩時間に体験したOculus Rift DK1でした。GOROmanさんがアテンドしてくださり、「Miku Miku Akushu」と「Rift Coaster」を体験することができました。

私が「人生最大の衝撃」と名づけた驚嘆すべき体験でした。
「Miku Miku Akushu」は、GOROmanさんが開発していたVRの初音ミク「Mikulus」と触覚対応のゲームコントローラーNovint Falconを連動させ、Amazonで買ったマネキンの手をFalconにつけています。同じVR空間にいる立体的な初音ミクと握手ができるのです。ミクは、握手のしかたで嬉しそうな顔や困った顔をします。その生々しい実在感はリアルな握手という行為で増幅されました。全く新しい臨場感でした。

2013年9月23日に秋葉原のOcufesで初めてのVR初音ミクの握手会が開かれ、多くの人に衝撃を与えました。「俺もう手洗わない!!」と叫んだ人の気持ちがとてもよくわかります。

「Rift Coaster」は2013年に開発された海外のVRアプリです。古城の周りをゆっくりと上に登っていく木製のジェットコースターは、頂上に着くと一気に下降し始めます。車体は凄まじいスピードでカーブします。激しい加速度と重力を感じました。座って映像を見ていただけなのに、です。信じられませんでした。加速度と重力は、身体的な感覚だと思ってきましたが、間違いでした。現実世界の見方そのものが変わった瞬間です。

「Miku Miku Akushu」と「Rift Coaster」で没入型VRを初めて体験したことは、奇跡的な幸運です。しかも、GOROmanさん直伝で。

2020年6月に出版されたGOROmanさんの新刊「ミライをつくろう! VRで紡ぐバーチャル創世記」は、2018年4月に刊行された「ミライのつくり方2020-204」(星海社)の増補改訂版にあたります。新たな原稿を加え、一部修正のうえ再版したものです。

最初の方に、GOROmanさん自身のVR体験が書かれています。
「誰しも人生においてターニング・ポイントと呼ばれる瞬間があると思います。言葉では説明するのが難しいのですが、脳天に「ビビビ!」と電撃が走るような直感的な感覚です。「これはミライが大きく変わるぞ!」というワクワクする感覚が生じる瞬間です。僕は生きてきた中で数回この「ビビビ!」という感覚を味わいました。その昔、小学生だった頃にパーソナル・コンピュータに出会った時、モデムを使いネットに初めてつながった時、PalmPilotという掌サイズのコンピュータに触れた時、そしてVRの世界に没入した時です。その「ビビビ!」という久々の感覚、それが僕がVRの可能性を信じ、自分の人生をVRに賭けてみようと思った理由です。」(p5-6)

私の人生も、2014年5月24日を境に大きく変化し始めました。以来、VR普及に取り組み続けています。8年が経ちましたが、あの時の感動、「脳天に「ビビビ!」と電撃が走るような直感的な感覚」は、今も鮮明に覚えています。


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