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【CIN】N.SenzelとJ.India、キャリアの比較と若手のマネジメントについて

皆さんこんにちは。CINな日常です。

MLBは12月からCBA交渉難航に伴いロックアウト中です。しかしサラリーの都合でW.Mileyをウェイバーで放出するようなCINにそんなことはあまり関係ありません。2021年に勝率.512を記録し、WC争いにも絡むようになってきたチーム状態とは裏腹に、フロントの動きは悪い意味で予想通りです。

何はともあれ、多くのCINファンの照準は2023年以降に定められています。一方、2015年から始まった再建期に獲得したプロスペクトたちは、そろそろ結果が求められる時期に差し掛かっており、MLBの舞台でどれだけの数値を残せるかに期待がかかります。そういう意味で、2022年のCINは意外と見どころ満載です。

というわけで、今回は若手応援(?)企画第1弾として、かつての有望株にクローズアップしていきたいと思います。

Collegeで名をはせた、かつてのTop Prospect

暗黒期、もとい再建期にCINは数々の上位指名権を得ました。その中で野手の上位指名といえば、
2016年全体2位:Nick Senzel
2018年全体5位:Jonathan India
この2名の名前が挙がります。
現時点ではROYを獲得したJ.Indiaがやや優勢ですが、Prospect時代の評価からは逆転しています。というか、N.SenzelのROY予想はまあまあ見ましたが、J.IndiaのROY予想は見たことないです。そんな2人の評価が如何に変化していったか、簡単にさらっていこうと思います。

Nick Senzel 1995/06/29 (26)

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NCAAではFr.からレギュラー入りし、BA.315/ OBP.419/ SLG.420 (OPS.839)を記録。ドラフトイヤーのJr.では、.354/.456/.598 (OPS1.054)で無事に全体2位指名を獲得。決してオーバーピックというわけでもなく、MLB公式のドラフト前評価は55-50-50-55-55(55)で全体7位。

プロ入り後も順調にマイナーの壁を駆け上がり、MiLB通算で.311/.385/.505 (OPS.890)と圧倒的なパフォーマンス。'18に指の怪我で長期離脱したが、成績を落とすことはなく'19にMLB昇格。ここでも104G,409PAで.256/.315/.427 ()。不慣れなCF守備でも799.2IPでDRS-4, OAA1と適応力の高さを示します。その他、Sprint Speedは29.5で、これはMLB全体の上位4%に該当する数値。Prospect時代からの評価に違わない、未来の5ツールプレイヤーそのものでした。

しかし、ここから彼のキャリアは(悪いほうに)一変します。ひとつは、CINが'20をコンテンダーとして戦う決意をしたこと。これにより、N.Castellanosと秋山翔吾という外野のライバルが出来てしまい、飽和状態の若手外野手のトレード話も沸き上がりました。もうひとつは、膝の手術をしたこと。この影響は現在も続いており、'20はわずか23G,78PAで.186/.247./357。再起をかけた'21は36G,124PAで.252/.323/.315とイマイチ乗り切れないところに、膝の再手術で5月にシーズンエンド。現在に至ります。

Jonathan India 1996/12/15 (25)

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N.Senzelと同じく、NCAAではFr.からレギュラー入りし、.303/.367/.440。So.時はやや成績を落とすも、Jr.では.350/.497/.717と驚異的な成績。ドラフト前のMLB公式の評価は55-50-50-55-55(55)で全体8位。実際の指名順位は5位と、こちらも妥当な指名順位。

プロ入り後はやや苦しみます。そもそも'20のマイナー全試合中止によりアピール機会自体が少なかったのもありますが、'19はA+で.256/.346/.410、AAで.270/.414/.378。出塁率の高さは評価できますが、全体的に平凡な数値でマイナー生活を終えます。また、指名順位が近かったJ.Bart(SF), A.Bohm(PHI), N.Madrigal(当時CHW)が揃って'20にMLBデビューを果たし、相対的にも評価を下げます。

そして迎えた'21シーズン。まさかの開幕ロースター入りを果たすと、6月から本領発揮し最終的にはNLのROYに。150G,631PAで.269/.376/.459、Chase RateとSprint SpeedでMLB上位14%に入るなど、打席+塁上でも存在感を示しました。DRS±0, OAA-7と守備はやや不安定も、こちらも不慣れな2B守備であることを考えると、'22は改善が見込めそうです。

チームのマネジメントが若手に与える影響

二人のキャリアの命運を分けた要素の一つは、間違いなく怪我による離脱の有無だと思います。ただこればかりは予測不可のため、よほどCollegeから怪我だらけの選手を指名したでもない限り、チーム編成サイドを責めることはできません。実際、N.SenzelもJ.IndiaもMiLBまでは大きな怪我もなくキャリアを進めていますが、不運にもN.Senzelだけがその割を食っています。

ただ、「若手のマネジメント」は、明確にチームの手腕が問われます。あくまで個人的な見解ですが、N.Senzelにおいて致命的であったのは、まさしく若手が躍動しようとしているその矢先、若手の成長よりも目の前の勝利を優先しFA補強を頑張ってしまった点です。同時期に再建期に突入したMILが予想以上の速度でコンテンダーに戻ったことで焦ったのでしょうか。レギュラーの地位がある程度約束されていたり、トレードの噂などが無く調整ができていれば、膝の怪我も回避できたかもしれません。

一方、J.Indiaには良くも悪くもほとんど注目が集まっていませんでした。開幕前の予想オーダーでは、4年契約2年目のM.Moustakasが2Bのレギュラーを務めるとの予想が大半で、J.Indiaのレギュラー定着は「気が付いたら」という印象です。また、4月は.239/.316/.358、5月は.220/.352/.339と実は結構苦しんでいたのですが、我慢して使い続けた監督も、オプション行使しなかったフロントも、かなりの評価に値すると思います。

チームはJ.Indiaの他にも、Tyler Stephenson(25)もコンスタントに出場させ続けました。これで大方の野手プロスペクトは昇格したことになります。次はM.McLain(SS)や、高卒プロスペクトたちでしょうか。
いずれにせよ、コンテンダー復帰に数年要することが明確なCINだからこそ、若手のマネジメントが数年後のチームを左右します。'22は是非とも、J.Indiaが好調を維持し、N.Senzelが本領発揮となるようなシーズンが見れればと心から願っています。

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それではまた次回の記事で。宜しければ♡やコメント頂けると嬉しいです。

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