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【CIN】トレードと有望株の話しか出ないCIN先発陣、明日はどっちだ。

皆さんこんにちは。CINな日常です。

某S誌をはじめ、様々な媒体で飽きるほど見かけるのが「CIN先発陣トレード祭り」の噂。無理もありません。GMのNick Krallは「ペイロールをリソースに適正化する」、つまりここ数年で無理をしてきたツケを払う時が来たのだ、と申しております(かなり意訳ですが、ここ数年のペイロールが予算をこえたものだったとすれば、適正化なんて甘い施策で終わるわけはなかろうという予測です)。

今日は、CINのチーム状況を鑑みながら、今後の先発陣の展望についてまとめていきます。

トレード候補3名の紹介

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現在、CINでトレード候補と取り沙汰されているのは、以下の3名です。

Luis Castillo (29)
Sonny Gray (32)
Tyler Mahle (27)

L.Castillo、T.Mahleは、年齢の違いこそあれど、共に2017年シーズンにCINでMLBデビューし、そこから5シーズン全てをCINで過ごしています。

L.Castilloは123GS, 707.1IPで40W, 49L, ERA3.72を記録。負け越していますが、投球内容はまさしくエースにふさわしいもので、FA平均球速96,7mhpっとK/BB 2.97の両立は、彼の投球のクオリティの高さをよく表していると思います。投球スタイルとしては、CHが最も割合として多く、FA,SI,SLをバランス良く投じます。

T.Mahleは94GS, 489.1IPで26W, 31L, ERA3,75を記録。内容面ではL.Castilloに負けずとも劣らず、ただし稼働率の観点からはもう一歩というところ。これはMLBデビューの年齢が22歳と、先発としては割と早めなことも影響しています。実際、26歳で迎えた2021年シーズンは180.0IPを投げ切り、L.Castilloが26歳シーズン(2019年)で記録した190.2IPと遜色ない数値。

上記2名とやや異なるキャリアを歩んできたのがS.Grayで、2013年にOAKでデビュー後、2015年にはCYA3位の成績を残すも、その後は故障が続き、黒歴史のNYY時代を経て、2019年にCINに加入。大学時代の投手コーチと合流できたことも後押しし、CYA7位と鮮やかな復活。FA平均球速93.7mphではあるものの、実に7球種を投げ分けるピッチングスタイルで、こちらもL.Castilloとは異なるエース像を示しています。

まとめると、速球派エースのL.Castillo、軟投派エースのS.Gray、未来のエースT.Mahleといったところでしょうか。

3名のいずれも2023年シーズンまで保有可能、つまり現時点から丸2年間は保有可能な選手ということです。2022年シーズンの3名合計のSalaryは約$23.0Mと、コンテンダーの3本柱に支払うものとしてはむしろ安すぎるくらい。リッチな球団は$23.0Mでエース1人引っ張ってきますしね。

しかしそこはスモールマーケット、W.Mileyの$10.0を渋ってWaivers送りにする球団にそんな金銭感覚はございません。じゃあなぜ、突然狂ったように大型契約をするのか。。というのは、また別の機会に記事にします。
なにはともあれ、上記3名がどんなに素晴らしい成績を残していても、CINに残れるとは限らないということです。加えて、L.Castillo、T.MahleはARBのため、2022年に良い成績を残すほど、2023年のSalaryが上がることになります。
チームが勝負をかけるとすれば、M.MoustakasとJ.Vottoの契約が終了する2024年、もしくはE.Suarezとの契約が終了する2025年になるので、やはり時期的に見ても残留の可能性はとても低いように思います。加えて、CINには開幕前にA.Chapmanを大安売りして大失敗した過去があるので、夏のTDLでの放出が主になると思います。

残された若手、どこまで踏ん張れるのか

上記3名がトレードで放出されるとして、CIN先発陣はもう終わりだ。。となるかといえば、実際そこまで悲観的には考えていません。皆さんがよく知る有望株はもちろん、MLBデビュー済みの若手にも焦点を当ててみます。

Hunter Green (22)

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2017年ドラフト全体2位指名でCIN入団。二刀流の触れ込みやFutures Gameでの活躍などでひとしきり話題に上がった後は、怪我の影響でほとんどメディアから報じられなくなり、今年のProspect Rankingでの躍進を見て驚いた方も多いのではないでしょうか。
2021年シーズンは、AAで7GS, ERA1.98と圧倒的な成績を残し、6月にAAA昇格。14GSでERA4.13とやや苦しみますが、ここは適応力が求められるところ。おそらく開幕はAAAで迎えますが、全体2位にふさわしい実力を見せてほしいところです。

Nick Lodolo (23)

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2019年ドラフト全体7位指名でCIN入団。派手さはないものの、長身から投げ分けるFA,SL,CHが右打者、左打者に良く刺さっています。2019年ドラフト投手組で最速MLBデビュー予想の声もありましたが、TORのA.Manoahに先を越されてしまいました。
2021年シーズンは、AAで10GS, ERA1.84と圧倒的な成績。8月にAAA昇格後は3GS, ERA5.40とやや苦しみますが、左肩の痛みが発覚しIL入り。2022年はコンディションを整え、まずはAAAの壁を越えていく必要があります。

Vladimir Gutierrez (26)

キューバ出身のイニングイーター。2020年を除き、2017年から毎年100.0IPをクリアしています。MiLB通算ERA4.88は正直物足りませんが、キューバ出身としては珍しい「平均的な奪三振力、高水準な制球力」で長くMLBで活躍できるタイプのように思えます。2022年の課題は、いかに被本塁打を抑えていくか(2021年は9.0IPあたり1.6本も食らっていました)。今シーズンが楽しみな選手の一人です。

Reiver Sanmartin (25)

コロンビア出身の技巧派左腕。MiLB通算ERA3.22、K/9 : 8.5、B/9 : 1.8、HR/9 : 0.5とハイレベルな投球を続けています。V.Gutierrezはスタミナ勝負のタイプでしたが、R.Sanmartinはコマンドに高い評価を得るコスパ勝負のタイプで、道は違えどイニングイーターの素質が伺えます。2022年の課題は、1年間投げ切ること。規定投球回投げ切れると、2023年以降への期待がますます高くなります。

Tony Santillan (24)

2015年ドラフト2巡目指名でCIN入団。典型的な剛速球タイプで、高い奪三振率と高い与四球率が予想される先発。2018年にはA+,AA合計で149.0IPを投げ切る傍ら、BB/9は2.3と課題だった制球難を克服しさらなる飛躍が期待されていました。その後、なぜか2019年もAAで1年間投げ続け、制球難がぶり返し。2021年はチーム事情でスイングマンとして調整、MLBでも26G, ERA2.91と好成績でしたが、BB/9は4.4と内容はパッとせず。おそらく2022年開幕もスイングマン起用でしょうが、腐らず頑張ってほしいものです。本当に。

と、もちろんファンの楽観的な視点もありますが、先発3名全員放出したとしても、試してみたい若手でローテが組める程度には層の厚さがあります。加えて、G.Ashcraft(23)、A.Abbott(22)、C.Roa(22)、B.Bonnin(23)の大卒上位指名組の台頭も楽しみです。

楽しみは多いほうが良い

というわけで、CINの先発事情をまとめてきました。

もちろん、CINのようなスモールマーケットは放出やむなしの姿勢も理解できます。ただ、ファンとしては、安易なコストカット・タンキングに逃げてほしくないな、とも思うわけです。もちろん、長期的に見てチームが長く強いほうが良いに決まっています。ただ、同地区のMILの動きを見ていると、もっとやりようあるのでは?とも思います。

NL中地区は魅力的なブロックです。STLとCHCが目立ちますが、MIL,CIN,PITにも黄金時代が入れ替わりで訪れるようになっています。同時期に再建に舵を切ったMILとCINですが、2球団の結果は火を見るより明らかでしょう。この反省を踏まえ、もっと大胆なタンキングに走るのか、はたまたTBやMILのように独自のルートを開拓するのか。いずれにしても、質の高い先発陣や若手先発の成長を見守れることには変わりありません。

再建中のCINはとにかく先発陣が終わってましたから、今の先発陣にかける期待は大きいです。願わくば、少しでも長い期間、彼らの活躍が見れることを祈っています。

それではまた次回の記事で。宜しければ♡やコメント頂けると嬉しいです。

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