私という物語の その終わりに
あなたも
そうだと思いますが
わたしも
むかし
死にかけたことがあります
死にかけて
わかったことは
やっぱり
死ぬのは
怖くない
ということでした
いいえ
死ぬのが
怖くないのは
わかりきったことですね
怖いという
その思いみずからも
死ぬのですから
でも驚いたのは
怖くないだけでなく
果てしなく幸せである
ということでした
死んでしまえば
恐れとか
哀しみとか
喜びとか
幸せとか
みんな消えてなくなる
そう思っていました
でも
たしかに
そこには
幸せがありました
幸せだけは
消えずに
残っていました
ではそれならば
はやく死にたいか
というと
そうでもなくて
わたしという物語の
その終わりに
あのやさしさが
待っている
そう思うと
生きるのも楽しい
ささいなことに
こころを砕くのも愛しい
ここにこうして
つまらないことを
書き連ねるのもまた
それはそれで風情がある
(2017/11/01)
唄にしました。
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