函館旅行記(その3)

 前回の更新からすこし日が開いてしまったが、函館旅行記の続き。

5月18日(土)夕方~夜
 五稜郭タワーの1階で簡単にお土産を買う。「燻じゃが」というポテトチップスを燻したお菓子があって、これが大変においしい。北海道以外では見たことがない。ここには置いてあったので、他の場所でも見つかるとは思うけれど、後悔することのないようにとりあえず買っておく。
https://shop.calbee.jp/marche/shop/pages/lp-kunjaga.aspx

 この時点で18時過ぎ。夕食の予約は19時で、五稜郭公園からほどない距離に位置していたため、手持ち無沙汰だ。ダメ元で早められないかお店に電話をしてみるも、「今日は忙しいんですみません無理です」と言われる。電話越しに必死な様子が伝わってきて、大変なんだなぁと思ってその辺をぷらぷらする。周辺におもしろそうなお店がないかなぁと地図アプリを起動してみると、Chouette Cacaoというショコラティエが近くにあることがわかる。同行者共々、旅行先で地場のショコラティエやパティスリーを見かけるとつい立ち寄ってしまう性質なので、そこへ向かうことにした。道中着信があり、電話番号を見ると予約したお店。出ると、「○○さんですか!?○○さんはコースでのご予約なので、今からでも大丈夫です!!」とのこと。ショコラティエまでは徒歩で往復10分もみていればかなり余裕があると踏んで、20分後に伺う旨を伝える。さっきまで何をして時間を潰そうかと思っていたのが嘘のようにすんなりとことが運ぶ。
 
 Chouette Cacaoに着く。甘いいい匂いがする。おいしそうなチョコレートや焼き菓子や生ケーキの類が並ぶ。あれもこれもという気持ちになる。とりあえずお店に用意されているバスケットを手に取って、焼き菓子をぽんぽん入れていく。大好物のフィナンシェとガレット・ブルトンヌは絶対外せないし、お店の名物のひとつであるらしいバウムクーヘンも捨てがたい。日持ちのしない生ケーキは諦めて、その分焼き菓子を買った。
https://chouette-cacao.com

 予約していたお店に着いて、ついにビールにありつく。大好きなサッポロクラシックの瓶があったので、一も二もなく注文する。実は、生ビールよりも瓶ビール派である。ビールはここまで我慢した甲斐あり、大層うまい。ふうと一息つくと、「もうほんとに“おじさん”」と同行者に笑われる。だってうまいのだから。自然とこうなるのも仕方ない。

サッポロクラシック


 お店のひとたちはかなり慌ただしそうにしている。調理をしているのが大将しかおらず、給仕の担当も2~3人で、うちひとりは入って間もない様子でぎこちない。その上、どうやら気の毒にも別の予約客に無断キャンセル→問い合わせるも逆上のコンボを食らったらしく、大将が若干ご機嫌ななめ。「おいしいのにキャンセルするなんてねぇ」、「常識無くてひどい!」とぼくらを含むカウンター客で、「今の客商売はどんなに向こうが悪くてもこっちが悪いようにネットにあること無いこと書かれるから泣き寝入りするしかないですよ。」と泣き言を言う大将を口々に慰める。地元の旬の食材を中心にした和洋折衷の創作料理のコースで、とてもおいしかった。料理の提供のペースもちょうどよくて、時間いっぱいお腹いっぱい食事をたのしんだ。

前菜盛り合わせ
手前の蕪のエスプーマが驚くほど美味しかった。

 腹ごなしにホテルまで歩く。路面電車の停留場で5駅分だから、徒歩だとおおよそ30分くらいか。街灯の意匠がかわいい。劇場版のコナンのポスターが吊るされている。途中でセイコーマートに寄る。コンビニやスーパーマーケットも、その土地の生活の様子が覗けるようで興味深い。缶ビールを買う。サッポロクラシック。「好きだねぇ」と言われる。だってうまいもの。

五芒星でかわいい街灯

 シャワーを浴びてからテレビを付けると「東京タワー」というドラマがやっている。大学生らしき男性が、MEGUMI演じる家庭教師先かなにかの人妻と不倫をしていて、色ボケしてんなぁと思い、同行者とふたりでやいのやいのつっこみながら観る。ぼくはお酒が入っているので一際うるさい。江國香織の原作の方は遠い昔に読んだ記憶があるけれど、こんな感じだったかしら。確かに原作も不倫小説だったけれど。
 翌日は海の方、元町の方に行くことにして眠る。よく笑ったからよく眠れそう。

5月19日(土)午前中
 8時頃のホテルをチェックアウトして路面電車で函館駅前まで行く。がたごと揺られて北海道の道って広いなぁとかぼんやり思う。キャリーケースを駅前のロッカーに預けて身軽になってから、函館朝市へ。レンタサイクルは10時から貸し出しとのことだから、その前に朝市で何か朝ご飯を食べようと思う。
 朝市をぐるぐる見て回る。海鮮とか果物とか、見るもの見るものがおいしそう。すすめられるとお断りするのが苦手で、お店のひとに話しかけられると、ちょっと身構えてしまう。朝ご飯にはいくらとほっけを食べる。ビールが飲みたいなぁと思う。お酒を飲むと自転車に乗れないから我慢する。
 レンタサイクルで終日借りる。お姉さんがおひとりで貸し出しオペレーションをしていて、てんやわんやという感じ。台数が少なくて借りられなかったらどうしようと心配だったけれど、無事借りることができた。電動アシスト付に乗るのははじめてで、平坦な道でアシストオンにしてこぎ出すと、脚に込めた力に不釣り合いな加速でびっくりした。加える力と進むスピードが見合っていないのが居心地悪く、アシストは切った。
 まずは金森赤レンガ倉庫へ。風が気持ちよく自転車いいなと思う。邪魔にならないところに駐め、建物の中に入る。Petite Mervielleという函館のパティスリーがあり、代表作のメルチーズのプレーン及びショコラ並びにかぼちゃプリンを買った。外のベンチに座って、水路を眺めながら食べる。メルチーズはふわふわとなめらかな軽い口当たり。しっかりしていながら甘すぎず、ぱっと食べられるサイズがうれしい。他の味も買えばよかった。かぼちゃプリンもひとくちもらった。かぼちゃの甘みと舌触りをそのままプリンにしたみたいで、こちらもとってもおいしい。

水路
マスコットキャラ


今回はここまで。

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