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岩木山と八甲田山 のんびり東北旅  ④

 昨年9月の旅、やっと最後だ。
書いている今は翌年の3月。花粉症真っ盛りで、薬を飲んでいても結構な症状に悩まされる日々。加えて、昨日やったたった5回の(しかも膝をついた)腕立てと、今朝やった(鉢にパンパンになったユーカリの)植え替え(ぜんっぜん抜けなくて、スコップ片手にぎゅうぎゅうがしがし。とっても大変)で、すっかり首をやられた(動かすとすげー痛い)午後である。
 ロボットみたいに静かに動作を制御しつつ、鼻をかみ、PCのキーを打つのである。

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 さて、今回の旅の最終宿泊は蔦温泉。いい感じですね。棟方志功記念館からしばし車を走らせまた山の中へ入り、八甲田山と十和田湖のちょうど間、奥入瀬渓流の入り口にある。

女性に人気の素敵な宿ーと聞きつけてずいぶん前から予約を入れていた。

入ってすぐのロビーみたいなところ


これお部屋ね


 宿は静かな落ち着いた雰囲気。山深い中に建つ一軒宿だが、周りに綺麗な沼がいくつもあり、山と高原地図にも"蔦沼群細図"と載っている。着いてすぐ、一周できるという散策路を歩いてみたが、みるみる暗くなってすぐ戻った。ホントに暗いのだもの。


よくわからないけど、すごい・・・

 宿はとても居心地良かった。ご飯も最高。おいしいものが、適量に。日本酒くいっとやりながら、旅の無事を(また終わってないけど)寿ぎあう。
温泉も前日の酸ヶ湯をきゅっといい感じに小さくしたような、天井高く気持ちの良いものだった。足元からぽかりぽかりとお湯が湧いてくるのはとても楽しい。

良きかな〜と部屋に戻ると、オットがネット会議があるとかで、iPadの接続に四苦八苦しとる。こんなとこまで来て大変ね。


ふかふかの歩きやすい道が続く

翌朝は曇り。雨はないのでよしとしよう。
さてーとチェックアウト後沼散策に出る。帰りの新幹線は14時半なので、一周一時間半の散策路は歩けそうだ。


遠くにいる人(その1)


水がきれい


遠くにいる人 (その2)



ここがなかなか素敵だった。紅葉でも新緑でもないし、どんよりとした曇り空なのだけど、どの沼も趣があり木々がとても美しい楽しい森歩きだった。


湖面にきれいに木々が映る


 大満足のうちに帰途に着く。レンタカーを返し、閑散とした新青森駅構内でお昼を食べ、お土産屋をのぞく。

駅にいた人


よしよしって、鼻の頭撫でたくなる

そうしてやってきた新幹線に乗り、あとはびゅーーーんと運ばれてゆくのみであった。おつかれーー、ありがとーーー、楽しかったよ東北ーーー!

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 ぱたぱた入力するうちに、首は動くようになり(上向いてうがいができなかった!)、くしゃみもおさまってきた。植え替えたユーカリもすくすく伸びている。
また緑の山のシーズンが始まるなぁと青空眺めながら、夢想している。

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 先日読んだ「山と溪谷」という雑誌に角幡唯介さんのエッセイが載っていた。
そこにあった

ー自分の山はそれぞれの人がもつ経験から生みだされた固有の山であり、
 それだけで完結した構造をもつ唯一無二の存在

ーそれまでの生きてきた道からおのずとわきあがる、次はあの山に登りたいと
 いう思い。それが自分の山だ。

ー登山とは自分の山に登ることであり、あらゆる自分の山は、登山の名において
 すべて平等なのだ。
 
という文章に惹きつけられる。"山"は"目標"や"憧れ"とも言い換える事が可能だろう。今の自分より、少しでも先の上の自分。
  これから衰えていく一方の老年期ではあるけれど、それでも"自分の山"に登り続けたいと、青空眺めつつさらに夢想している。

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